苦境の「紙・パルプ」関連銘柄は段ボール、CNFが期待され注目を集める!

 

 【3941】レンゴー1.7倍【3891】ニッポン高度紙工業2.6倍!!

情報化・電子化による紙離れの影響を受けて、紙・パルプ業界が苦境に喘いでおり、生き残りをかけた海外市場進出や業界再編が相次いでいます。

その一方で、ネット通販の拡大で需要が急増している段ボールや次世代素材のセルロースナノファイバー(CNF)などに大きな期待が集まっています。

今回は、そんな紙・パルプ関連銘柄に注目してみましょう!

 

1.紙・パルプ関連銘柄の現状

 今回は、段ボールや次世代素材でも注目される紙・パルプ関連銘柄に注目していきます。

1-1.紙・パルプ関連銘柄とは?

パルプとは
製紙に用いるための原料となる植物繊維のことです。パルプには、クラフトパルプや古紙パルプ、機械パルプなど様々な種類があります。

日本は、パルプの7割を輸入に頼っており、針葉樹は主にアメリカ・オーストラリアから、広葉樹は主にベトナム・オーストラリア・チリから輸入しています。

今回注目する紙・パルプ関連銘柄は、製紙メーカーが中心になってきます。そのため、紙・パルプ関連銘柄は「製紙関連銘柄」とも呼ばれます。

国内の紙・パルプ市場は、2000年をピークに減少を続けています。ここ10年の間はほぼ横ばいとなっており、苦境が長らく続いています。

情報化・電子化の進展に伴う“紙離れ”は深刻であり、日本製紙連合会によると、2018年の紙・板紙内需試算は前年比-0.9%減の2,638万トンとなり、8年連続マイナスとなっています。

このため、紙・パルプ業界各社は生き残りをかけて業界再編や海外市場の開拓を推し進めています

紙・パルプ関連銘柄は、値動きがあまり大きくない銘柄が多いのが特徴であると言えます。しかし、これは成長産業でのディフェンシブ銘柄というわけではなく、衰退産業に特徴的な動きが多いです。

そのため、紙・パルプ関連銘柄を物色する際は、海外市場の開拓や成長分野への関わりに注目していきましょう。

 

1-2.紙・パルプセクターの注目材料は?

 苦境が続く紙・パルプセクターですが、成長市場である段ボールや次世代素材のセルロースナノファイバー(CNF)が注目を集めています。

現在、紙・パルプセクターを牽引しているのが、段ボールです。

2018年の紙・板紙生産量2,638万トンの内訳を見ると、印刷・情報用紙を中心とする紙は前年比-2.3%減の1,438万トンとなっていますが、板紙は段ボール原紙が牽引しており前年比+0.8%増の1,199万トンとなっています。

段ボールは、軽くて丈夫で断熱性が高く、使用後の処分も簡単で、リサイクルシステムも確立されていることから、包装資材として幅広く使われています。

特に日本のEコマース(ネット通販)市場は毎年2ケタに迫る高い成長を遂げており、今後も包装資材としての段ボールの需要は右肩上がりになっていくことは確実と見られています。

また、紙・パルプセクターで現在注目されている次世代素材が、セルロースナノファイバーです。

セルロースナノファイバーとは、パルプをナノレベルに微細化加工したバイオマス素材のことです。植物繊維を使った「カーボンナノチューブ」とイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。

セルロースナノファイバーは、重量は鉄の5分の1でありながら、鉄の5倍の強度を持つため、自動車部品や建材など多くの分野で鉄の代替材料として使われることが期待されています。

ただ、セルロースナノファイバーは量産体制が確立されていないことからコストが未だに高く、安全性や耐久性に関する基礎データも十分に集まっていないなど、多くの課題を抱えています。

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★注目ポイント1
 情報化・電子化による紙離れを背景に、紙・パルプ業界は苦境が続いている。成長する海外市場の取り込みや成長セクターである段ボール、次世代素材のセルロースナノファイバーに注目が集まる。

2.紙・パルプ関連銘柄の推移

  紙・パルプ関連銘柄の動向を見ていきましょう。

2-1.段ボールのリーディングカンパニー:レンゴー

 板紙・段ボール最大手の【3941】レンゴーは、紙・パルプ関連銘柄の中でも最注目の銘柄の一つです。

同社は、板紙から段ボールまで一貫した生産体制を確立しており、海外にも積極的な進出を図っていることで知られます。

同社の株価は、2017年8月には603円を付けていましたが、この1年一貫して上昇し続けており、2018年8月には1,078円まで上昇しています。

この1年で最大+78%の上昇となりました。ただ、2018年8月に高値を付けてからは利益確定の売りが入って下げており、900円前後まで値を下げています。

ネット通販市場が今後も拡大することは間違いないと見られています。段ボールのトップメーカーである同社の動向には引き続き注目していきましょう。

 
 

2-2.電解コンデンサ用セパレートの世界的企業であるニッポン高度紙工業

 電気絶縁用紙を手掛ける【3891】ニッポン高度紙工業は、紙・パルプ関連銘柄の中でもやや異端とも言える銘柄です。

同社は、電化製品に使われる電解コンデンサ用セパレートに強みを持ち、国内シェア95%、海外シェア60%と圧倒的なシェアを誇っています。

同社の株価は、2017年8月初めには1,402円を付けていましたが、上昇していき、2018年1月には3,675円まで上昇しました。

この1年で最大2.6倍まで上昇し、2018年8月現在も3,000円前後で推移しています。

紙・パルプ関連銘柄は、段ボール大手のレンゴーと電解コンデンサ用セパレートを手掛けるニッポン高度紙工業がこの1年で大きく上昇しています。

しかし、紙離れは株式市場にも大きな影響を及ぼしており、一般的な製紙メーカーの多くは、この1年で下落~横ばいとなっています。

 
★注目ポイント2
 紙・パルプ関連銘柄としては、段ボール大手のレンゴーと電解コンデンサ用セパレート大手のニッポン高度紙工業は大きく上昇したが、製紙メーカー各社は下落~横ばいが目立つ。

3.主要紙・パルプ関連銘柄チェックリスト

 紙・パルプ関連銘柄より厳選した注目株をチェックしておきましょう。

銘柄株価主なサービス
 【3512】日本フエルト504円  抄紙用フェルト
 【3513】イチカワ(低位株★)351円  抄紙用フェルト
 【3708】特種東海製紙4,440円  特殊紙、段ボール原紙
 【3861】王子ホールディングス723円  大手製紙メーカー
 【3863】日本製紙1969円  大手製紙メーカー
 【3864】三菱製紙591円  コート紙
 【3865】北越コーポレーション620円  総合製紙
 【3877】中越パルプ工業1,495円  総合製紙
 【3880】大王製紙1,498円  総合製紙
 【3891】ニッポン高度紙工業2,803円  電気絶縁用紙
 【3941】レンゴー892円  段ボール大手
 【4410】ハリマ化成グループ871円  製紙用薬品
 【4963】星光PMC1,029円  製紙用薬品
 【4968】荒川化学工業1,644円  製紙用薬品
 【9274】国際紙パルプ商事(低位株★)371円  紙・パルプの専門商社

※株価は2018年8月20日終値で算出

★注目ポイント3
 紙・パルプ関連銘柄を抽出してみると、製紙メーカーや段ボールメーカーの他に、製紙用薬品や抄紙(=紙を製造する機械)用フェルトを手掛けている銘柄などが挙がってくる。

4.紙・パルプ関連銘柄の上昇率ランキングTOP3!

 過去1年間の安値から高値までを算出し、最も上昇率の高かった紙・パルプ関連より上位3銘柄を発表致します。

※2017年8月21日~2018年8月21日の1年で算出

 

4-1.第1位【3891】ニッポン高度紙工業

チャート画像
上昇率 1.84倍(安値:1,997円 → 高値:3,675円)
市場 ジャスダック
RSI 36.5(売られている)
 

4-2.第2位【3941】レンゴー

チャート画像
上昇率 1.76倍(安値:610円 → 高値:1,078円)
市場 東証一部
RSI 30.27(売られている)
 

4-3.第3位【3861】王子ホールディングス

チャート画像
上昇率 1.43倍(安値:556円 → 高値:796円)
市場 東証一部
RSI 61.05(やや買われている)

※RSIは2018年8月21日終値より算出

★注目ポイント4
 2017年8月21日から1年間の上昇率ではこの結果だが、【3891】ニッポン高度紙工業は8月の安値から見ると、2.6倍!2017年1月の安値から見ると上昇率は4.28倍にも及ぶ。

5.まとめ

 紙・パルプ関連銘柄は、この1年で多くの銘柄が下落~横ばいとなっており、株価を通しても紙離れによる業界の苦境が見えてきます

ただ、成長セクターである段ボール大手のレンゴーや、多くの電化製品に使われる電解コンデンサ用セパレートを手掛けているニッポン高度紙工業は大きく上昇しています。

紙・パルプ関連銘柄を物色する際は、この2社のように成長セクターを取り込める事業を手掛けている銘柄を中心に物色することがよさそうです。

 

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