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【8031】三井物産は+70%!【5713】住友金属鉱山は+77%!【1605】INPEXは+102%!【1518】三井松島ホールディングスは+152%!
原油や金属、レアメタル、レアアースといった資源価格の高騰が相次いでいることを受けて、資源開発関連銘柄の株価も上昇しています。
資源価格の上昇は世界経済リスクとなり、アフターコロナの日本経済にも悪影響が懸念されますが、資源開発関連銘柄をリスクヘッジに保有しておくのも悪くないかもしれません。
資源開発関連銘柄に注目していきましょう!
1.資源開発関連銘柄とは?
原油やレアメタル、レアアースといった資源価格の高騰を受けて、資源開発関連銘柄に注目が集まっています。
1-1.資源開発関連銘柄について
資源開発関連銘柄は、原油やメタンハイドレートなどのエネルギー資源開発を手掛ける銘柄、レアメタルやレアアースなどの鉱物資源開発を手掛ける銘柄、資源に強い商社株の3種類に大別されます。
日本は資源に乏しく、原油やLNG、石炭などの化石燃料のほぼ全てを輸入によって賄っています。
資源エネルギー庁の「総合エネルギー総計」によると、原油は99.7%、LNG(液化天然ガス)は97.5%、石炭は99.3%を海外に依存している状況です。
※出典:資源エネルギー庁
またEV(電気自動車)などに使われているリチウムイオン電池には、リチウムやコバルト、ニッケルなどのレアメタルが使用されていますが、この3種のレアメタルはいずれも輸入依存度100%となっています。
さらにスマホやEVなどの製造に欠かせないレアアースについても、中国への依存度が約6割となっており、かつて中国依存度が9割だったときに比べれば下がったものの、依然として中国リスクが高い状況に変わりありません。
日本にとっては、資源の安定供給に向けた取り組みは国家安全保障上においても欠かせないものとなっており、官民一体となって資源開発が進められています。
また日本近海にはメタンハイドレートやレアメタル、レアアースが眠っていることが確認されており、海底資源開発技術の発展にも期待が集まります。
1-2.世界的な資源価格の高騰を受けて、資源開発関連銘柄に投資資金が集まる!
2021年は世界経済の回復を受けて、半導体や木材、金属などありとあらゆる資源の価格が高騰していますが、原油やレアメタル、レアアースといった日本にとって重要な資源も例外ではありません。
特に、原油価格の上昇は顕著な形となっています。
最も代表的な原油先物価格として知られる「WTI原油先物価格」は、2020年4月には一時17ドル/バレルを下回っていましたが、2021年10月12日時点では80ドル/バレルを上回る水準まで上昇。
※出典:ブルームバーグ
皮肉なことに、原油価格は世界中で脱炭素やEVシフトが吹き荒れた2020年秋以降から上げ足を強めており、この1年間では約2倍の上昇となっています。
資源価格の上昇は世界中でインフレ要因となっており、物価が大きく上昇している欧米ではアフターコロナ明けの景気回復に水を差すことが懸念されている状況です。
日本でも資源価格の上昇は景気のネガティブ要因となることが懸念されており、インフレと景気悪化のスタグフレーションが懸念される声も一部の経済学者から出てきています。
一方、資源開発関連銘柄は、原油などの資源高を買い材料として上昇しており、岸田政権が誕生してから日経平均株価が大きく下げる局面となった中でも強さが目立っています。
★注目ポイント1 |
・資源開発関連銘柄は、原油やレアメタル、レアアースなどの資源開発を手掛けるテーマ株。エネルギー資源開発を手掛ける銘柄、鉱物資源開発を手掛ける銘柄、資源に強い商社株の3種類に大別される。 ・原油高などの資源価格の高騰は世界経済リスクとなる一方で、資源開発関連銘柄は買われている。 |
2.資源開発関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2021年に上がっている資源開発関連銘柄を見ていきましょう。
2-1.代表的な資源開発関連銘柄!【1605】INPEX(旧・国際石油開発帝石)
世界各地で原油・天然ガス開発生産を手掛ける【1605】INPEXは、代表的な資源開発関連銘柄です。なお、同社は2021年4月1日付けで、国際石油開発帝石株式会社から株式会社INPEXに社名を変更しました。
同社の株価は、2020年3月のコロナショック以降は低迷しており、2020年10月には489円まで下落。この1年は反発が続いており、2021年10月12日には991円まで回復しています。
この1年の上昇率は最大+102%となっており、日経平均が大きく下げた2021年9月から10月に掛けても、資源価格の高騰を材料に上昇しました。
原油開発を手掛ける銘柄としては、石油元売り大手の【5019】出光興産も、この1年で最大+51%となっています。
これらの原油開発を手掛ける資源開発関連銘柄は、原油高が株価にプラスとなる「原油高メリット関連銘柄」としても押さえておくようにしましょう。
2-2.日本株を代表する鉱山株!【5713】住友金属鉱山
世界各地で鉱山開発・製錬を行っている総合非鉄金属メーカーの【5713】住友金属鉱山は、レアアースやレアメタル開発でも注目される資源開発関連銘柄です。
同社は鉱物資源開発においては日本株を代表する銘柄であり、日本株で「鉱山株」と言えば同社を指すことが一般的です。
同社の株価は、2020年10月には一時3,149円を付けていましたが、2021年2月22日には5,584円まで上昇。金や銀、プラチナ価格と連動した形となりました。
この期間には最大+77%の上昇率となっています。
ただ、高値を付けてからは金銀プラチナ価格が落ち着いたことで下落しており、2021年10月時点では4,300円前後で推移しています。
資源開発関連銘柄では、資源に強い商社株も堅調な値動きとなっており、総合商社の中でも資源に強い【8031】三井物産は+70%、石炭商社の【1518】三井松島ホールディングスは+152%などとなっています。
※上昇率は2020年10月以降の安値から2021年10月12日までの高値の値。
資源開発関連銘柄は、アフターコロナの資源高を背景に、原油資源開発を手掛ける銘柄、鉱物資源開発を手掛ける銘柄、資源に強い商社株のいずれも上昇が目立つ状況です。
★注目ポイント2 |
・資源開発関連銘柄は、アフターコロナの資源高を反映して、原油資源開発を手掛ける銘柄、鉱物資源開発を手掛ける銘柄、資源に強い商社株のいずれも上昇している銘柄が目立つ。 |
3.資源開発関連銘柄リスト
銘柄 | 主なサービス |
【1605】INPEX(旧・国際石油開発帝石) | 原油・天然ガス開発大手 |
【1662】石油資源開発 | 原油・天然ガス開発 |
【5019】出光興産 | 石油精製元売り大手 |
【5020】ENEOS | 石油元売り最大手 |
【5713】住友金属鉱山 | 海外鉱山開発 |
【6297】鉱研工業 | 地下資源工事用掘削機械大手 |
【1518】三井松島HD | 石炭商社 |
【2768】双日 | 資源に強い総合商社 |
【8031】三井物産 | 資源に強い総合商社 |
【8058】三菱商事 | 資源に強い総合商社 |
4.オススメの資源開発関連銘柄3選!
資源価格高騰のリスクヘッジとしてもオススメの資源開発関連銘柄を見ていきましょう。
【5020】ENEOSホールディングス
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 石油元売り最大手。石油・天然ガス・金属開発も手掛ける。 |
ENEOSホールディングスは、石油元売り最大手として知られていますが、世界中で石油・天然ガス・金属開発も手掛けている資源開発関連銘柄でもあります。
原油高に強い代表的な銘柄ですが、配当利回りが4.74%(2021年10月12日時点)と、高配当銘柄としてもおすすめです。
【5713】住友金属鉱山
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 非鉄金属と電子材料に強み。世界中で鉱山開発を手掛ける。 |
住友金属鉱山は、国内最大の金鉱山である菱刈鉱山を運営するほか、世界各地で鉱山開発に取り組んでいることで知られる資源開発関連銘柄です。
金銀プラチナやレアアース、レアメタルといった鉱物資源開発に強い最有力銘柄となります。配当利回りも3.11%(2021年10月12日時点)と高配当銘柄となっています。
【8058】三菱商事
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 資源・エネルギーや機械、化学などに強い総合商社大手。 |
資源に強い総合商社としては、【8058】三菱商事、【8031】三井物産、【2768】双日の3社がマーケットで物色されやすい傾向があります。
いずれも配当利回り3%を超える高配当銘柄となっており、資源開発関連銘柄であることを抜きにしても長期投資におすすめの銘柄です。
5.まとめ
2021年の資源開発関連銘柄は、世界的な資源価格高騰を背景に上昇している銘柄が目立ちます。
原油などのエネルギー資源開発を手掛ける銘柄、レアメタルやレアアースなどの鉱物資源開発を手掛ける銘柄、資源に強い商社株のいずれも上昇しています。
特に岸田政権が誕生した2021年9月後半以降は、日経平均株価が大きく下げた一方で、資源開発関連銘柄は相場をけん引するセクターとなりました。
資源価格の高騰は、実体経済や株式市場にも悪影響を及ぼすことが懸念されていますが、資源開発関連銘柄にとっては追い風であり、リスクヘッジの投資資金が流入してくることも期待されます。
原油価格を始めとする資源価格にはアンテナを張っておき、資源開発関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
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