2022年の株式市場は、米国利上げによる世界株安の影響で全体相場は下げたものの、【4393】バンク・オブ・イノベーションと【7901】マツモトの2銘柄がテンバガー達成となりました。
2023年は、日銀の金融政策見直しによる金利上昇や原発再稼働など、2022年から引き続いて注目されるテーマを押さえておくことが重要になってきそうです。
低位株や注目テーマといった観点から、2023年の注目銘柄やテンバガー状況に注目していきましょう!
1.テンバガー(株価10倍)の魅力
個人投資家に夢を与0えるテンバガー(株価10倍)銘柄について見ていきましょう。
1-1.毎年テンバガー銘柄は誕生している
1年で株価が10倍に大化けすれば、仮に10分の1の資金で分散投資していたとしても資金は1年で2倍になることを意味します。
テンバガー銘柄はほぼ毎年誕生していますが、今回はアベノミクスが始まった2013年から2017年に掛けての代表的なテンバガー銘柄を見ていきましょう。
2012年12月から2013年5月に掛けてのアベノミクス相場においては、人気スマホゲーム「パズル&ドラゴンズ」を手掛ける【3765】ガンホーは非常に有名なテンバガー銘柄です。
2012年5月から2013年5月に掛けての最大上昇率は約114倍と、テンバガーどころか100倍以上の暴騰となり、多くの個人投資家に第二のガンホーの夢を与えることになりました。
ここまで大きな銘柄でなくとも、株価10倍を達成する銘柄は毎年のように排出されます。
2019年からの直近までのテンバガー銘柄を見てみましょう。
1-2.2022年のテンバガー状況
2022年にテンバガーになった銘柄は、【4393】バンク・オブ・イノベーションと【7901】マツモトの2銘柄です。
【4393】バンク・オブ・イノベーションは1,450円→16,300円と11.24倍(+1,024%)のテンバガーとなり、【7901】マツモトは1,772円→21,450円と12.10倍(+1,110%)のテンバガーとなりました。
【4393】バンク・オブ・イノベーションはソーシャルゲーム関連銘柄という鉄板のテーマ株ですが、【7901】マツモトは学校アルバム・記念アルバム大手と予想できないテーマからのテンバガー達成です。
テーマ株投資という観点で見ると、2022年はウクライナ情勢による資源株全般に加えて、原発再稼働による原子力発電関連銘柄、防衛費倍増による防衛関連銘柄などが注目されましたが、これらの注目テーマ株からはテンバガーは輩出されませんでした。
あとわずかでテンバガー達成となりそうだった2022年銘柄としては、次の銘柄が挙げられます。
・【4575】キャンバス:162円→1,599円(9.87倍)
・【6338】タカトリ:1,012円→9,760円(9.64倍)
・【8139】ナガホリ:190円→1,781円(9.37倍)
・【7692】アースインフィニティ:283円→2,400円(8.48倍)
【4575】キャンバスはバイオベンチャー、【6338】タカトリは半導体・パワー半導体、【8139】ナガホリは宝飾品(インバウンド)、アースインフィニティは太陽光発電や蓄電池と注目テーマ株が並んでいます。
2. 2022年にテンバガーを達成した銘柄
2022年にテンバガーを達成した2銘柄について見ていきましょう。
2-1.ソーシャルゲーム関連銘柄!【4393】バンク・オブ・イノベーション
ロールプレイングゲームに強いスマホゲーム開発会社の【4393】バンク・オブ・イノベーションは、2022年にテンバガー達成となりました。
同社の株価は、2022年1月には一時1,450円を付けていましたが、4月に掛けて4,550円まで上昇し、その後半年間は停滞していましたが、10月18日から5日連続ストップ高を含む高騰となり、11月1日に16,300円まで上昇、11.24倍(+1,024%)のテンバガー達成となっています。

10月18日~11月1日の急騰の背景には、同社がリリースした新作ゲーム「メメントモリ」がAppStoreセールスランキングで3位に浮上したことが材料視されました。
ただ、テンバガー達成後は大暴落となっており、12月26日には高値から3分の1以下となる5,040円まで下げています。
ソーシャルゲーム関連銘柄は、1年間で100倍となった2012年のガンホーバブル以降テンバガーを多く輩出する鉄板テーマ株となっていますが、ガンホーバブルから10年目にもテンバガーが輩出されることになりました。
2-2.スクールアルバム事業を手掛ける!【7901】マツモト
卒業アルバムなどのスクールアルバム事業を軸とする【7901】マツモトは、2022年にテンバガーとなりました。
同社の株価は、2022年3月には一時1,772円を付けていましたが、5月から徐々に上昇していき、黒字決算を発表した6月8日以降に上げ足を強め、6月28日には21,450円まで急騰。
12.10倍(+1,110%)のテンバガー達成となりました。
材料としては黒字転換の決算発表ですが、出来高の推移を合わせて見ると、仕手株としてテンバガー達成となったものと見られます。
決算発表前から不自然に出来高が増えており、何者かが買い集めていた痕跡が見てとれます。

テンバガー達成後は、10,000円~20,000円の間でレンジ推移となっていましたが、10月以降は力尽き、11月には一時5,000円台にまで暴落しました。
過去のテンバガー株としては、2018年の【2164】地域新聞社や2019年の【6195】ホープ、2021年の【6335】東京機械製作所など、衰退産業でテーマ的にはとてもテンバガー予測ができない銘柄がテンバガー達成となったものと同様のケースと言えるでしょう。
3.テンバガー銘柄の特徴
テンバガーになる銘柄の特徴を見ていきましょう。
3-1.テンバガー銘柄の特徴とは?
過去のテンバガー銘柄から、その特徴を見ていきましょう。
まず、2016年の【3647】ジースリーホールディングスや2018年の【2164】地域新聞社のように、低位株からテンバガー銘柄になる銘柄は少なくありません。
テンバガー銘柄になる材料としては、決算が予想外に良好であることや事業提携の思惑、新商品の発表など様々です。
2013年の【3765】ガンホーは当時最強のテーマであったソーシャルゲーム関連、2018年の【3906】ALBERT、【4382】HEROZはAI関連銘柄であるなど、そのときマーケットで最も注目されているテーマ株がテンバガーになりやすい傾向もあると言えます。
市場については、東証マザーズ・ジャスダックといった新興銘柄でテンバガーが発生しやすい傾向が見られますが、2017年の【2930】北の達人のように東証1部銘柄からテンバガーが誕生することもあります。
チャートの動きで見ると、月足で見て停滞していた銘柄が一気に注目されてテンバガーになりやすいと言えます。
逆に言えば、既に注目されて上昇している銘柄からはテンバガーは現れにくいと言えます。
3-2.テンバガー銘柄のデメリット
低位株はほとんど動かない銘柄が少なくありません。無数に存在する低位株からテンバガー銘柄を探すのは難しいというのが実態です。
テンバガー銘柄に繋がる良好な決算や新商品の発表によって上昇する銘柄は多数ありますが、その中から見分けるのは難しいと言えます。
テーマ株から探すとしても、候補となる銘柄は多数に及びます。最強のテーマ株があるにしても、候補となる銘柄は少なくとも数十銘柄以上には及ぶでしょう。
それらの事から、テンバガー銘柄投資は分散投資するのが基本となるでしょう。
例えば20銘柄に分散投資するとなると、多額の資金が必要となるだけでなく、仮にテンバガーを探し当てて10倍で決済したとしても、総資金に与える影響は年率+50%に留まります。
ある1銘柄に投資して、その銘柄がテンバガーになれば資金が10倍になるという可能性はあります。
ただテンバガー銘柄を探し当てた場合でも、3倍や5倍になった所でその後の暴落が恐くなって、精神的に10倍まで持っていられないという点もありますので、心理戦にも強くなる必要があるでしょう。
3-3.2022年のテンバガーの動向と特徴について
2022年のテンバガー2銘柄について、市場別に分けると次のようになっています。
東証プライム市場 | 0銘柄 |
東証スタンダード市場 | 1銘柄(【7901】マツモト) |
東証グロース市場 | 1銘柄(【4393】バンク・オブ・イノベーション) |
2022年4月4日より東証は再編され、東証一部→東証プライム市場、東証二部・ジャスダック→東証スタンダード市場、東証マザーズ市場→東証グロース市場に振り分けられました。
テンバガーが出やすい東証グロース市場(旧・東証マザーズ市場)からは【4393】バンク・オブ・イノベーションが、次いでテンバガーが出やすい東証スタンダード市場(旧・ジャスダック)から【7901】マツモトがテンバガーとなったことになります。
続いて、価格帯で見てみると、次のようになっています。
100円未満のボロ株 | 0銘柄 |
500円未満の低位株 | 0銘柄 |
その他 | 2銘柄 |
テンバガーはボロ株・低位株から出やすい傾向がありますが、2022年のテンバガー2銘柄はいずれも1,000円以上の価格帯からテンバガーとなりました。
続いて、テーマ株で見てみると、【4393】バンク・オブ・イノベーションはソーシャルゲーム関連銘柄という鉄板テーマ株ですが、【7901】マツモトは印刷会社でテーマ株としては衰退セクターです。
2022年にテンバガーとなった2銘柄は、【4393】バンク・オブ・イノベーションは東証グロース市場のソーシャルゲーム関連銘柄という鉄板株であった一方、【7901】マツモトはほぼ予測不可能だったと言えます。
★注目ポイント2 |
テンバガー銘柄の特徴としては、低位株が少なくない、決算や新商品の発表などの注目ニュースが出る、その当時の最強のテーマ株であることなどが挙げられる。 |
4.2023年テンバガー銘柄予想
低位株と注目テーマ株から2019年のテンバガー候補銘柄を見ていきましょう。
4-1.低位株からテンバガー銘柄予想
銘柄 | 株価 | 主なサービス |
【6731】ピクセラ | 7円 | デジタルテレビキャプチャーやチューナーを手掛けるボロ株 |
【2743】ピクセルカンパニーズ | 45円 | カジノ向けゲーム機を手掛けるボロ株 |
【3782】DDS | 66円 | 指紋認証ソフトの開発を手掛けるボロ株 |
【4563】アンジェス | 122円 | 遺伝子治療薬を手掛けるバイオベンチャー低位株 |
【3053】ペッパーフードサービス | 153円 | 外食チェーン「いきなりステーキ」を展開する低位株 |
【6444】サンデン | 190円 | カーエアコン用コンプレッサー世界大手の低位株 |
4-2.注目テーマからテンバガー銘柄予想
銘柄 | 株価 | テーマ | 主なサービス |
【8562】福島銀行 | 257円 | 金利上昇メリット | 福島県の地方銀行、SBIと提携 |
【7760】IMV | 499円 | 原子力発電 | 振動試験・計測装置メーカー |
【6378】木村化工機 | 749円 | 原子力発電 | 原発容器に強みを持つ化学プラントメーカー |
【6572】RPAホールディングス | 263円 | AI、RPA | RPAを軸とするAI系ベンチャー |
【6548】旅工房 | 350円 | 旅行、インバウンド | ネット専業旅行会社 |
【3664】モブキャスト | 92円 | ソーシャルゲーム | スマホゲーム「mobcast」運営 |
【4175】coly | 1,097円 | ソーシャルゲーム、2021年のIPO | スマホゲームの企画・開発 |
【4198】テンダ | 1690円 | ソーシャルゲーム、2021年のIPO | ソーシャルゲームの開発・運用 |
4-3.2023年は日銀の利上げや原発再稼働などに注目が集まりそう
2022年は、米国利上げとウクライナ情勢がマーケットで重要なテーマとなりましたが、2023年も引き続き重要トレンドになるものと思われます。
米国は物価(CPI)が収まりつつあることでFRBの利上げも一服傾向にある一方で注目が集まるのが、日銀の金融政策です。
2023年4月に黒田総裁が任期満了を迎えることに合わせて、日銀が長期金利を抑えるYCC(イールド・カーブ・コントロール)の撤廃や利上げを行うかどうかが焦点となります。
2022年末にも銀行株や保険株が金利上昇メリット関連銘柄として物色されています。
メガバンクやメガ地銀のような大型株がテンバガーになることはあり得ませんが、大きく売られて低位株となっている地方銀行株は可能性があるかもしれません。
また日本で注目される政策としては、原発再稼働が挙げられます。
原子力発電関連銘柄としては、東電や助川電気工業などが2022年に買われるなど注目テーマ株となりましたが、2023年はさらに加速する可能性も考えられます。
ただ、日銀の利上げや原発再稼働などはマーケット全体で注目されるテーマですが、その影響を大きく受けるのは東証プライム市場の銘柄が中心です。
テンバガー投資という観点では、東証グロース市場のソーシャルゲーム株やバイオベンチャー、AIベンチャー、低位株やボロ株といった銘柄の可能性が高いという点では変わらないでしょう。
注目ポイント |
2023年の注目ニュースとしては日銀の利上げや原発再稼働などがあるが、テンバガー投資においては東証グロース市場のソシャゲ株やバイオ・AIベンチャー、低位株・ボロ株の可能性が高い。 |
5.おすすめのテンバガー候補銘柄3選
【7760】IMV
市場 | 東証スタンダード市場 |
企業概要 | 振動試験・計測装置メーカー。 |
IMVは、振動試験・計測装置メーカーです。過去に原子力発電所向けの案件があったことから原子力発電関連銘柄に位置付けられています。2023年は、原発再稼働に加えて、小型原子炉(SMR)などの次世代原発についても注目が集まってくるかもしれません。1月10日に「日米が次世代型の原子力発電の輸出で協力すると合意した」と日経新聞電子版版で報じられたことで、同社はストップ高となりました。
【8562】福島銀行
市場 | 東証スタンダード市場 |
企業概要 | 福島県の地方銀行。SBIグループと資本業務提携。 |
銀行株がテンバガー達成となることは考えにくいですが、2023年は日銀の金融政策見直しが否応なく注目されるであろうことから、金利上昇メリットを受ける銀行・保険株に注目が集まってもおかしくありません。特に、福島銀行は、大きく売られている地方銀行株であり、地銀再編で注目されるSBIグループと提携を結んでいることから物色される可能性は高いと考えられます。
【3664】モブキャストホールディングス
市場東証 | 東証グロース市場 |
企業概要 | スマホゲーム「mobcast」を運営する。 |
モブキャストホールディングスは、東証グロース市場、ボロ株、ソーシャルゲーム関連銘柄と、テンバガーになりやすい3条件を満たしています。株価は2022年2月に付けた上場来安値の49円を底値に横ばいとなっており、黒字決算の発表などで大反発すればテンバガーも夢ではないかもしれません。
6.まとめ
2022年には、【4393】バンク・オブ・イノベーションと【7901】マツモトの2銘柄がテンバガー達成となりました。
2022年の株式市場は、米国利上げによる世界株安の影響で売りが目立つ展開となり、そこまで大きく注目されるテーマ株はなかったと言えます。
資源株や原発株、軍事株などは買われたものの、2020年のデジタルトランスフォーメーションや新型コロナワクチン関連、2021年の半導体株や海運株などに比べるとインパクトは小さかったと言えます。
2023年には、金利上昇や原発再稼働といった2022年から引き続いて注目されるテーマを押さえておくと同時に、新しいテーマ株の出現に備えておくことも重要です。
テンバガー投資という観点からすると、「東証グロース市場」「低位株・ボロ株」「注目テーマ株」の3点を押さえておくべきという点は変わりません。
2023年も、低位株や注目テーマ株を中心にテンバガー候補銘柄を押さえておくようにしましょう。
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