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次世代バイオマス素材として、鉄より軽く鉄より強い、そして環境に優しいセルロースナノファイバーが大きな注目を集めています。
コストが未だに高いなどといった課題も多く残るセルロースナノファイバーですが、量産化でコストが安くなれば、より多くの分野で実用化が進むことが期待されます。
「未来の紙」として期待されるセルロースナノファイバー関連銘柄に注目していきましょう!
1.次世代バイオマス素材のセルロースナノファイバー
鉄より軽く鉄より硬いセルロースナノファイバーが、次世代バイオマス素材として注目されています。
1-1.セルロースナノファイバーとは?
今回は、次世代のバイオマス素材として期待されるセルロースナノファイバーに関連した銘柄に注目していきます。
セルロースナノファイバー(CNF)とは
木材などの植物中から得られるパルプをナノレベルに微細化加工したバイオマス素材です
多くの用途に使える“未来の紙”として大きな注目を集めています。
イメージとしては、植物繊維を使った「カーボンナノチューブ」と考えると分かりやすいと思います。
セルロースナノファイバーの特徴として挙げられるのは、重量は鉄の5分の1と軽量でありながら、鉄の5倍の強度を持つことにあります。
このため、自動車部品や航空機部品、建材など多くの分野で鉄の代替材料として使われることが期待されています。
食品や医薬品、化粧品など多くの日用品においても使われることが期待されており、インクや紙オムツなどでは既に実用化され、製品としても発売されています。
また、セルロースナノファイバーの原料であるセルロースは、あらゆる木材や植物から抽出可能で、地球上に最も多く存在する原料であるため、資源枯渇の心配もありません。
資源が少ない日本でも、間伐材などの森林資源を有効活用することが可能であり、衰退する林業の活性化に繋がることも期待されます。
似たような新素材としてはカーボンナノチューブ(CNT)も注目されていますが、再生産可能なバイオマス素材である点においてセルロースナノファイバーに利点があります。
1-2.セルロースナノファイバーの開発状況は?
セルロースナノファイバーは、ゲルインクや抗菌・消臭シートなど一部の日用品では既に実用化・商品化されていますが、本命として期待される工業素材においてはまだ多くの課題が残っています。
最大の課題は、コストが未だに高いことが挙げられます。
また、現段階では安全性や耐久性に関する基礎データが十分に集まっていないというのが現状のようです。
今後、量産体制が確立されて製造コストが劇的に下がれば、工業素材での実用化の可能性が大きく広がってくるものと期待されます。
工業素材での実用化に成功すれば大きなインパクトになることは間違いなく、現在、世界中の企業でセルロースナノファイバーの研究が進められています。
実用化が期待される自動車部品や航空機部品は、日本のお家芸とも言える分野であるため、政府はナノセルロースフォーラムを設置するなど、オールジャパンで支援する姿勢を打ち出しています。
セルロースナノファイバーに関するニュースには、今後も目が離せません。
★注目ポイント1 |
セルロースナノファイバーとは、未来の紙として期待される次世代バイオマス素材。一部の日用品では実用化・製品化されているが、工業素材としてはまだ多くの課題が残っている。 |
2.セルロースナノファイバー関連銘柄この1年の値動きは?
セルロースナノファイバー関連銘柄の、この1年の値動きを見ていきましょう。
2-1.国内製紙トップメーカーの王子ホールディングス
国内製紙トップメーカーの【3861】王子ホールディングスは、セルロースナノファイバーの開発や生産に力を入れていることでも知られます。
同社はセルロースナノファイバーのリーディングカンパニーの一つで、数多くの関連技術を開発しており、徳島県阿南市では年間40トンの生産設備を稼働しています。
同社の株価は、2017年6月には580円を付けていましたが、この1年で上昇していき、2018年1月には796円まで上昇しました。
この期間に約1.4倍の上昇となり、2018年6月現在も760円の高値圏で推移しています。
セルロースナノファイバー関連銘柄を代表する同社の株価は確かに上昇しましたが、【3863】日本製紙や【3880】大王製紙といった他の関連銘柄は横ばい~下落となっています。
製紙・パルプ業界を取り巻く環境は厳しく、未来技術であるセルロースナノファイバーに大きな期待が掛けられています。
2-2.CNFを原料とした増粘剤「レオクリスタ」を手掛ける第一工業製薬
工業用薬剤大手の【4461】第一工業製薬も、セルロースナノファイバー関連銘柄として注目されます。
同社は、セルロースナノファイバーを原料とした増粘剤「レオクリスタ」を開発していることで知られます。
同社の株価は、2017年6月には498円を付けていましたが、この1年大きく上昇していき、2018年2月には一時1,058円まで上昇しました。
この期間に2倍の上昇となり、2018年6月現在は800円前後で推移しています。
同社の株価上昇に大きく寄与したと考えられるのは、IT・電子向け材料が好調だったことを背景にした良好な決算と、リチウムイオン電池や電気自動車関連銘柄として買われたことが大きいです。
セルロースナノファイバー関連銘柄は、一時的に物色されることはありますが、残念ながら長期的に買われるテーマ株にはなっていないというのが現状です。
ただ、セルロースナノファイバーに対する潜在的な期待は高いことから、今後の技術革新のニュースが期待されます。
★注目ポイント2 |
セルロースナノファイバー関連銘柄は一部の関連銘柄がこの1年で上昇したものの、長期的に買われる強いテーマ株にはなっていないのが現状。 |
3.主要セルロースナノファイバー関連銘柄チェックリスト
セルロースナノファイバー関連銘柄より厳選した注目株をチェックしておきましょう。
銘柄 | 株価 | 主なサービス |
【2502】アサヒホールディングス | 5,585円 | キチンナノファイバーを配合した敏感肌用化粧品「素肌しずく」 |
【3861】王子ホールディングス | 760円 | CNFの生産 |
【3863】日本製紙 | 1,832円 | CNFの生産、CNFを使った大人用紙オムツ「アクティ」 |
【3865】北陸紀州製紙 | 595円 | CNFの開発 |
【3877】中越パルプ工業 | 1,820円 | CNFの開発 |
【3880】大王製紙 | 1,552円 | CNFの開発 |
【3896】阿波製紙 | 650円 | CNFの開発 |
【4188】三菱ケミカルホールディングス | 1,000.5円 | CNFの研究プロジェクト参加 |
【4461】第一工業製薬 | 804円 | CNFを原料とした増粘剤「レオクリスタ」 |
【4631】DIC | 3,670円 | CNFの研究プロジェクト参加 |
【4963】星光PMC | 1,138円 | CNF複合材料の商業生産 |
【6378】木村化工機(低位株★) | 452円 | CNFの研究 |
【6628】オンキヨー(低位株★) | 121円 | CNFを使った高級スピーカー「Scepter」 |
【7911】凸版印刷 | 937円 | 食品の酸化劣化を防ぐ紙器「CNFバリア紙カップ」 |
【7976】三菱鉛筆 | 2,291円 | CNFを使ったゲルインクボールペン「ユニボール シグノ 307」 |
※株価は2018年6月11日終値で算出
★注目ポイント3 |
セルロースナノファイバー関連銘柄を抽出してみると、やはり製紙メーカーが多い。それ以外のセクターも多く、多くの企業が製品化していることが分かる。 |
4.セルロースナノファイバー関連銘柄の上昇率ランキングTOP3!
過去1年間の安値から高値までを算出し、最も上昇率の高かったセルロースナノファイバー関連より上位3銘柄を発表致します。
※2017年6月12日~2018年6月12日の1年で算出
4-1.第1位【5631】日本製鋼所
上昇率 | 2.3倍(安値:1,696円 → 高値:3,910円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 34.57(やや売られている) |
4-2.第2位【4461】第一工業製薬
上昇率 | 2.1倍(安値:486円 → 高値:1,058円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 55.85(売り買い均衡) |
4-3.第3位【6378】木村化工機
上昇率 | 1.9倍(安値:355円 → 高値:670円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 36(やや売られている) |
※RSIは2018年6月12日終値より算出
★注目ポイント4 |
上昇率2位には、セルロースの研究65年以上の実績を持つ第一工業製薬がランクイン。セルロースナノファイバーに関する好材料が出るようなことがあれば、どの銘柄にもチャンスはある。 |
5.まとめ
セルロースナノファイバー関連銘柄は、まだ長期的に買われ続ける強いテーマ株とは言えません。
しかし、ニュースが出たら一時的にでも注目されて買われるということは、投資家の潜在的な期待は大きいものと推測されます。
製造コストが下がれば、大きなインパクトになることは間違いなく、工業素材実用化の可能性が広がります。
自動車部品や航空機部品、建材といった工業素材への実用化が本格化してくれば、長期的に買われる強いテーマ株になる可能性は十分にあります。
セルロースナノファイバーに関するニュースには目を張っておきましょう。
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