必読必須の厳選3記事
天候不順による野菜価格の高騰を受けて、LEDなどの人工的な光で植物を生産する植物工場が注目を集めています。
植物工場は気象変動の影響を受けることなく、安定的に生産できることがメリットである反面、導入コストや維持コストが高いことがネックとなっています。
しかし近年はLED価格の低下によるコスト面の課題は緩和されてきています。
植物工場は、農業の人手不足を解消するソリューションにもなることから、日本では急成長を遂げつつあることにも期待です。
植物工場関連銘柄に注目していきましょう!
1.植物(プラント)工場関連銘柄とは?
天候不順による野菜価格の高騰を受けて、気候状況に左右されない植物工場が注目を集めています。
1-1.植物工場とは?
植物工場では、ICT技術を使ったデータを生かすことによって、日光や水を調整することで、安定的に作物を供給することが可能です。
植物工場には、太陽光は一切使わず全ての光をLEDなどの人工的な光でまかなう「完全制御型の植物工場」と、ある程度の太陽光を取り入れる「太陽光利用型の植物工場」の2種類があります。
植物工場のメリットは、冷夏や暖冬、台風被害といった気象変動の影響を受けることがなく、害虫リスクもないため、安定的に生産できることが挙げられます。
さらに、病原菌や害虫リスクがないことから農薬散布が不要になるため無農薬栽培ができること、連作障害を起こさずに連作が可能になること、栽培方法がマニュアル化されることによって未経験者でも作業できることなどもメリットです。
一方植物工場のデメリットとしては、高額な設備投資が必要になることが挙げられます。また光熱費などの電力コスト、空調費といった維持費用も高額となることもネックです。
植物工場で採算が取れる栽培品目は、リーフレタスなどの葉菜類や一部のハーブ類に限られているというのが現状となっています。
1-2.植物工場関連銘柄は天候不順による野菜価格の高騰を受けて注目される!?
国内の植物工場市場は小規模ながらも急激な成長を続けています。
矢野経済研究所が2020年9月に発表した完全人工光型植物工場の運営市場規模は、2019年には前年比+42.8%の84.9億円となっており、2020年は前年比+52.5%の129.2億円と予測されています。
特に日本では人口減少による人手不足が本格化していくことも、植物工場が注目されているポイントです。
そして2021年には、世界的に天候不順が相次いだことから野菜価格が高騰しており、これを受けてコスト面がネックとなっていた植物工場により大きな注目が集まる流れができてきました。
2021年9月にはレタスやキュウリは例年の倍以上の価格となる地域も出てきており、キャベツやホウレンソウ、ダイコンなど、ほぼ全ての野菜が高騰している状況です。
気象変動の影響を受けにくいという植物工場のメリットが大きな注目点となるとともに、課題であった高コストも、安価なLEDの開発などで低下しています。
さらに植物工場で栽培できる野菜の品質の良さや、「SDGs(持続可能な開発目標)」に代表される環境意識の高まりも追い風となりそうです。
★注目ポイント1 |
・植物工場とは、屋内の人工的な環境下で、植物を計画的に生産するシステム。 ・植物工場は、気象変動の影響を受けることがなく安定生産できることがメリット。高コストが課題となっているが、安価なLEDの開発などが追い風に。 ・植物工場は人手不足の日本で高成長を遂げており、2021年には天候不順による野菜価格の高騰を受けて注目が集まっている。 |
2.植物工場関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2021年の植物工場関連銘柄の株価動向について見ていきましょう。
2-1.完全人工光型の植物工場を手掛ける!【1979】大氣社
ビルや工場などの空調設備工事を手掛ける【1979】大氣社は、植物工場関連銘柄として注目されそうな銘柄です。
同社は完全子会社のベジファクトリー社が完全人工光型・水耕栽培植物工場を手掛けていることで知られています。
同社の株価は、2020年9月初めには2,892円を付けており、2020年12月には2,653円まで下げましたが、2021年9月7日には3,640円まで上昇。
この1年で安値から最大+37%の上昇率となりました。
確かに同社の株価は上がっていますが、植物工場関連銘柄として物色されて上がっているとしても、上昇率は控え目であると言わざるを得ません。
2-2.植物工場ビジネスを手掛ける!【3156】レスターホールディングス
半導体商社の【3156】レスターホールディングスは、子会社が植物工場ビジネスを手掛けていることから植物工場関連銘柄に位置付けられます。
同社の傘下であるバイテックベジタブルファクトリー社は、植物工場野菜の販売と植物工場フランチャイズの展開を手掛けていることで知られています。
同社の株価は、2020年9月初めには1,950円を付けており、2021年1月13日には2,367円まで上昇しましたが、2021年9月時点では1,900円で推移しており、この1年間は横ばいです。
植物工場関連銘柄は、まだマーケットで注目されるテーマ株になっているとは言えない状況です。
★注目ポイント2 |
・植物工場関連銘柄は、まだマーケットで注目されるテーマ株になっているとは言えない。 |
3.植物工場関連銘柄リスト
植物工場関連銘柄より厳選した注目株をチェックしておきましょう。
銘柄 | 主なサービス |
【4182】三菱ガス化学 | 福島県白河市に国内最大規模の完全人工光型植物工場 |
【1979】大氣社 | 完全子会社のベジファクトリー社が完全人工光型・水耕栽培植物工場を手掛ける |
【3156】レスター | 傘下のバイテックベジタブルファクトリー社が植物工場野菜の販売、植物工場フランチャイズ |
【2004】昭和産業 | 鹿島第二工場内で人工光型植物工場施設を稼働 |
【4188】三菱ケミカル | 太陽光利用型植物工場システム |
【6507】シンフォニア テクノロジー | 完全人工光型植物工場システム |
【6652】IDEC | 太陽光併用型植物工場栽培システム |
【6752】パナソニック | 人工光型植物工場システム |
【1925】大和ハウス工業 | 植物工場システム「agri-cube ID」を三協立山と共同開発 |
【5932】三協立山 | 植物工場システム「agri-cube ID」を大和ハウス工業と共同開発 |
4.オススメの植物工場関連銘柄3選!
長期投資にオススメの植物工場関連銘柄について見ていきましょう。
【4182】三菱ガス化学
市場 | 東証一部 |
企業概要 | メタノールなどの天然ガス系化学品や過酸化水素などの機能化学品に強い化学大手。 |
三菱ガス化学は、福島県白河市で国内最大規模の完全人工光型植物工場を稼働していることから、植物工場関連銘柄に位置付けられます。
大手企業で植物工場を手掛けている銘柄はいくつかありますが、同社は特に一押しの銘柄です。ディフェンシブ銘柄でありながら、配当利回りも3.48%(2021年9月22日時点)の高配当銘柄であることもおすすめポイントです。
【1979】大氣社
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 自動車塗装設備工事に強い空調工事大手。 |
大氣社は、完全子会社のベジファクトリー社が完全人工光型・水耕栽培植物工場を手掛けている植物工場関連銘柄です。
空調大手ということもあり、植物工場関連銘柄が注目される展開となった場合、真っ先に物色されそうな銘柄候補だと思われます。
【3156】レスターホールディングス
市場 | 東証一部 |
企業概要 | UKCホールディングスとバイテックホールディングズが経営統合した半導体商社。 |
レスターホールディングスは、傘下のバイテックベジタブルファクトリーが秋田県、石川県、鹿児島県の3県で5つの植物工場を稼働していることで知られています。
今後マーケットで植物工場関連銘柄が注目される展開になった際には物色されそうな銘柄です。
また同社の配当利回りは4.43%(2021年9月22日時点)となっており、高配当の半導体株としても長期投資におすすめの銘柄となっています。
5.まとめ
植物工場は、天候不順による野菜価格の高騰を受けて、多くのニュースメディアでも特集が組まれるなど注目が集まっています。
ただマーケットでは、植物工場関連銘柄に注目が集まっているとは言えません。関連ニュースで一時的に買われることもほとんどない状態です。
とはいえ、植物工場のネックとなっているコスト高はLED価格の低下により緩和されつつあり、日本では農業の人手不足が進んでいることも追い風となりそうです。
今後、植物工場関連銘柄が農業関連で注目のテーマ株になる余地は十分にあるものと思われます。
野菜価格や植物工場に関するニュースにはアンテナを張っておき、植物工場関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
厳選テンバガー狙いの3銘柄を無料で!
分析者が精査済みの短期急騰期待が出来る低リスク3銘柄情報を先行配信しております。
サポート体制には自信があり、銘柄相談も無料にて承っておりますので是非ご活用下さい。厳選3銘柄も先行配信しております。