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今回は、モビリティ革命の本命であるMaaS(Mobility as a Service)関連銘柄について見ていきます。
自動車は「所有するモノ」から「利用するサービス」(あらゆる交通手段がパッケージ化され、定額で提供されるサービス)へと変わりつつあります。
2018年には、トヨタとソフトバンクグループがMaaSの共同出資会社「MONETテクノロジーズ」を設立したことが大きな話題を呼びました。
今後、国内のMaaS市場は2030年には現在の70倍以上となる6兆3,600億円規模にまで成長すると予測されていますので、関連銘柄の動向も見逃せません。
そんなMaaSについて、基本や注目の関連銘柄をチェックしておきましょう!
1.MaaS(Mobility as a Service)
新しい移動の概念であるMaaSに注目していきましょう。
1-1.MaaSとは?
例えば、目的地まで電車やバスを乗り継いで移動するルートは、乗り換えサイトなどを使えば簡単に検索可能ですが、予約や運賃の支払いは移動事業者ごとに個別に行う必要があります。
このような複数の移動方法を一つのサービスとして捉えて、スマートフォンなどから検索・予約・支払いを一度に行えるようにするというのがMaaSの考え方です。
MaaSが実現すれば、バス、電車、レンタカー、タクシー、飛行機などあらゆる交通手段がニーズに合わせてパッケージ化され、定額で提供されるようになると考えられます。
今までは交通手段一つ一つに対して運賃の支払いを行っていたものが、MaaSでは移動先に応じて最適化された移動方法に対してお金を支払うようになります。
MaaSが実現するメリットとしては、移動が効率化されることによって都市部での渋滞が緩和される、自家用車利用が減って二酸化炭素排出量が減る、個人の移動に費やす支出が減ることなどが挙げられます。
一方、MaaSのデメリットとして懸念されるのが、移動が効率化されて安価なパッケージとして提供されることによって、自家用車の販売台数が減少することです。
1-2.2018年までのMaaSの動向
MaaSを実現するにはライドシェアの普及が欠かせませんが、日本ではライドシェアは規制されており、世界最大手のUberも日本ではハイヤーの配車をするに留まっています。
しかし、世界的なライドシェア普及の流れから、自動車は「所有するモノ」から「利用するサービス」へと変わりつつあります。
ライドシェアが普及していない日本でも、都市部を中心に自動車を持たない若者は増加しており、この流れは止まりそうにありません。
2018年10月4日には、【7203】トヨタ自動車と【9984】ソフトバンクグループが新しい移動サービスの構築に向けて提携し、共同出資会社「MONETテクノロジーズ」を設立するという衝撃的なニュースが発表されました。
ソフトバンクグループは、Uberやグラブ、ANIテクノロジーズなど、世界中のライドシェア企業の株式を多数保有していることで知られています。
【9984】ソフトバンクグループの株価は、「MONETテクノロジーズ」の設立発表前の2018年10月初めには11,500円の高値を付けていましたが、この発表後に株価は下落し、2018年12月には6,803円にまで暴落しました。タイミング的には、トヨタとの事業提携が悪材料とされたような感じに見えますが、これは米中貿易摩擦による世界株安が影響してのものだと考えるべきです。
ソフトバンクグループの株価は、2019年3月現在は11,000円手前まで回復してきています。
★注目ポイント1 |
MaaSとは、個々人の移動を複数の交通手段を活用することによって最適化する移動の概念。2018年には、トヨタとソフトバンクグループがMaaSで提携したことが大きなニュースになった。 |
2.MaaS関連2019
2019年に注目のMaaS関連ニュースについて抑えておきましょう。
2-1.MaaSの最新動向
矢野経済研究所が2019年2月に発表した国内MaaS市場調査によると、2018年の国内MaaSサービスの市場規模は845億円となり、2020年には1,940億円、2025年には2兆1,042億円、2030年には6兆3,600億円に達すると予測しています。
2016年から2030年の平均成長率は44.1%という驚異的な数値であり、現時点からすると信じられないような予測です。しかし、自動車を購入することに使われているお金が、自動車を利用するMaaS市場に移ると考えれば、あり得ないことではありません。
2019年のMaaS関連の注目ニュースとしては、トヨタとソフトバンクグループの共同出資会社「MONETテクノロジーズ」の動向には引き続き注目が集まります。
また、鉄道大手のJR東日本も、2020年東京オリンピックまでにMaaSの提供を始め、2022年までにMaaSサービス提供の基盤「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」の構築を構想しています。
JR東日本が日立製作所と共同開発したアプリ「Ringo Pass(リンゴパス)」は、シェアバイクやタクシーと提携しており、アプリ上で予約や決済を行えるものです。
国内最強の電子マネーである「Suica」を抑えているJR東日本は、「Suica」一つであらゆる移動の予約・決済ができるMaasサービスの実現に最も近い企業であると言えます。
2-2.MaaSに力を入れている企業を数社ピックアップ!
MaaSに力を入れている企業を見ていきましょう。
【7203】トヨタ自動車と【9984】ソフトバンクグループの共同出資会社である「MONETテクノロジーズ」は、2019年3月6日、次世代モビリティサービスに関する業務連携協定を豊田市と締結したと発表しています。
また、ソフトバンクは2019年3月4日、次世代モビリティサービスに向けたMaaS推進などの複数の分野で神奈川県鎌倉市と包括協定を締結したと発表しています。
カーシェアリングサービス「タイムズカープラス」で断トツのシェアを誇る【4666】パーク24にも、MaaS関連で注目が集まります。
パーク24は、2018年12月12日、小田急電鉄が目指す「小田急MaaS」の実現に向けて小田急電鉄、ヴァル研究所、ドコモ・バイクシェア、WHILLの4社と連携を結んだことを発表しています。
IT企業大手の【2432】ディー・エヌ・エーもMaaS事業に力を入れていることで知られており、タクシー配車アプリ「タクベル」や個人間カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」などを提供しています。
乗換案内サービス大手の【3710】ジョルダンは、MaaS事業への本格参入への意向を示しており、2018年7月にMaaS事業のための子会社「J MaaS」を設立しています。
★注目ポイント2 |
トヨタとソフトバンクの共同出資会社「MONETテクノロジーズ」、「Suica」を手中に収める鉄道大手のJR東日本、カーシェアトップのパーク24など、国内MaaS市場の動向はそれぞれの移動分野での覇者に注目が集まる。 |
3.MaaS関連銘柄リスト
2019年に注目のMaaS関連銘柄リストを見ていきましょう。
3-1.注目のMaaS銘柄紹介
銘柄 | 株価 | 主なサービス |
【2432】ディー・エヌ・エー | 1,707円 | タクシー配車アプリ「タクベル」、個人間カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」など |
【3710】ジョルダン | 995円 | MaaS事業のための子会社「J MaaS」を設立 |
【3987】エコモット | 1,650円 | デンソーのCaaS/MaaS基盤開発に技術協力 |
【4666】パーク24 | 2,564円 | カーシェアリングサービス「タイムズカープラス」、 |
【6902】デンソー | 4,420円 | MaaS向け車載コンピュータープラットフォーム「Mobility IoT Core」 |
【7203】トヨタ自動車 | 6,615円 | ソフトバンクグループと共同出資会社「MONETテクノロジーズ」 |
【9005】東京急行電鉄 | 1,942円 | JR東日本と共同で伊豆市で「観光型MaaS」の実証実験 |
【9007】小田急電鉄 | 2,662円 | 「小田急MaaS」の実現に向けてパーク24など4社と連携 |
【9020】JR東日本 | 10,730円 | SuicaによるMaaSの実現を目指す「モビリティ変革コンソーシアム」 |
【9984】ソフトバンクグループ | 10,840円 | トヨタと共同出資会社「MONETテクノロジーズ」、世界中のライドシェア企業に出資 |
※株価は2019年3月15日終値で算出
★注目ポイント3 |
MaaS関連銘柄は、自動車メーカーや鉄道会社、IT企業が中心となる。 |
4.まとめ
国内MaaS市場は、2030年には現在の70倍以上となる6兆3,600億円規模にまで成長すると予測されています。
また、世界のユニコーン企業(推定評価額10億ドル以上の未上場企業)の推定時価総額ランキングでは、アメリカのライドシェア大手Uberが世界2位、中国のライドシェア大手である滴滴出行(ディディチューシン)が世界3位となっています。
日本ではライドシェアが規制されていることもあり、東証ではMaaS関連銘柄への関心はあまり高くないのが現状ですが、トヨタとソフトバンク、JR東日本を始めとする大手企業が動き出していることから注目テーマになる可能性は高いと見られます。
MaaSに関するニュースにはアンテナを張り、2019年の関連銘柄はチェックです。
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