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安全志向の高まりや、技術の進化などを背景に「自動ブレーキ」を含む安全支援システムの普及が各社加速しています。
2019年2月12日には、日本とヨーロッパを中心とする世界およそ40ヶ国が、自動ブレーキの導入を義務付ける規制案に合意。
日本とEUで自動ブレーキの導入が義務付けられることを受け、株式市場でも自動ブレーキ関連銘柄に大きな資金が流入してきてもおかしくない流れになっています。
今回は、そんな注目が集まる自動ブレーキ関連銘柄について見ていきます。
2019年注目の自動ブレーキ関連銘柄リストも紹介!
1.自動ブレーキとは?
自動運転とも関わりがある自動ブレーキについて抑えておきましょう。
1-1.自動ブレーキについて
※自動車公正取引協議会は、消費者の誤認を招いてしまうと懸念し2019年1月より広告やCMなどで「自動ブレーキ」のフレーズ使用を禁止。「自動(被害軽減)ブレーキ」に変更する施策を行っています。
日本では、自動ブレーキは1991年から先進安全自動車(ASV)として研究されてきており、2003年6月に発売されたホンダのインスパイアが史上初めて自動ブレーキが搭載された商用車となっています。
自動ブレーキの仕組みとしては主に、自動車に搭載されているセンサーが周辺の情報を取得し、その情報を車載コンピューターが障害物の有無を判断して警告やブレーキを自動で制御する仕組みとなっています。
自動ブレーキに必要なものとしては、ハード部分のセンサーとソフト部分のAIに分かれ、センサーとしては、GPSやミリ波レーダー、ビデオカメラ、レーダーなどが使われます。
そんな自動ブレーキシステムで元祖とも言えるのは、SUBARU車に搭載されている「アイサイト」。
「アイサイト」を搭載した自動車は事故率が61%軽減したとのデータも公表されており、安全面の高さから人気に。各自動車メーカーも開発を進め自動ブレーキは急速に普及し始めています。
各社の自動ブレーキシステム
- トヨタ・レクサス:「セーフティセンス」
- 日産:「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」
- ホンダ:「Honda SENSING」
- マツダ:「アドバンストSCBS」
- スバル:「EyeSight」
- 三菱自動車:「衝突被害軽減ブレーキシステム」
- スズキ:「デュアルカメラブレーキサポート」
自動ブレーキは、現在注目されているADAS(先進運転支援システム)や自動運転にはなくてはならないものであり、マーケットでも自動運転関連銘柄の一環として注目のテーマ株であると言えます。
ただ、現行の自動ブレーキはあくまで運転の補助を目的としたもので、衝突を回避、被害を軽減する装置ということを忘れてはいけません。
1-2.自動ブレーキの導入を義務づけ
自動車事故をなくす取り組みは全世界共通のテーマとなっており、事故率の軽減に大きく寄与する自動ブレーキの搭載義務化は世界的な流れとなっています。
2019年2月12日には、国連の欧州経済委員会で日本とヨーロッパを中心とする世界およそ40ヶ国が、自動ブレーキの導入を義務付ける規制案に合意したことが発表されました。
この規制案では、新車の乗用車や軽自動車、小型商用車に「AEBS」と呼ばれる自動ブレーキが搭載されることが義務付けられます。
日本では年間400万台以上、EUでは年間1,500万台以上に自動ブレーキが搭載されることになります。
欧州委員会の推定によると、自動ブレーキを搭載することで交通事故は38%軽減され、EU内では毎年1,000人以上の命を救うことに繋がる効果があるものと見込まれています。
同規制案は2019年6月に正式採択され、2020年初頭に発行される見通しとなっています。
今後、必然的に需要が増大すると見られる自動ブレーキ市場ですが、自動ブレーキで必要とされるのが、自動運転の目であるセンサーやレーダーと、自動運転の脳である自動ブレーキシステムです。
今回注目する自動ブレーキ関連銘柄は、自動ブレーキのハード部分であるセンサーやレーダーを開発している銘柄と、ソフト部分の自動ブレーキシステムを開発している銘柄に分かれます。
前者は自動車部品メーカーが多く、後者は自動車メーカーが中心となります。
★注目ポイント1 |
自動ブレーキとは、自動車がセンサーで障害物を感知して、衝突前に自動でブレーキを掛けるシステム。日本とEUを含む世界40ヶ国で自動ブレーキの導入が義務付けられる見通しとなっている。 |
2.自動ブレーキ関連銘柄の動向
2018年の自動ブレーキ関連銘柄の株価動向を見ていきましょう。
2-1.運転支援システム「アイサイト」に定評があるSUBARU
まずは、自動ブレーキシステムを手掛ける自動車メーカーを見ていきましょう。
中堅自動車メーカーの【7270】SUBARUは、自動ブレーキ関連銘柄を代表する銘柄です。
SUBARUは運転支援システム「アイサイト」に定評があり、同社の主要車種「インプレッサ」は安全性能評価で高い評価を得ていることでも知られます。
「アイサイト」が搭載されている自動車は非搭載車に比べて事故率が61%軽減しているというデータも公表されています。気になるSUBARUの株価は、2018年2月初めには3,857円を付けていましたが、この1年間は大きく値を下げており、2019年2月現在は2,800円付近で推移しています。
2-2.ミリ波レーダーで国内トップのデンソー
続いて、自動ブレーキのハード面であるセンサーを手掛けている銘柄を見ていきましょう。
特に自動ブレーキで注目されるのが、ミリ波レーダーを手掛けている銘柄です。
ミリ波レーダーは、雨や霧といった耐環境性に優れており、短距離での情報感知能力に優れていることから、自動ブレーキ用のレーダーとしての活用が期待されています。
ミリ波レーダーで強みを持つのが、自動車部品メーカー大手の【6902】デンソーです。
デンソーはトヨタ・プリウス向けのミリ波レーダーを開発する他、2017年10月にはミリ波レーダーで国内2位の特許を持っていた富士通テンを子会社化しています。デンソーの株価を見てみると、2018年2月初めには7,218円を付けていましたが、この1年は下落しており、2019年2月現在は4,700円前後で推移しています。
2018年はハイテク株が軒並み下落しており、自動ブレーキ関連銘柄はセンサーを手掛ける部品メーカー、自動ブレーキシステムを手掛ける自動車メーカーともに大きく下落しています。
★注目ポイント2 |
2018年はハイテク株が大きく売られた余波を受け、自動ブレーキ関連銘柄は軒並み大きな値下がりとなっている。 |
3.自動ブレーキ関連銘柄チェックリスト
今後注目したい自動ブレーキ関連銘柄をピックアップしました。
銘柄 | 株価 | 主なサービス |
【3105】日清紡ホールディングス | 942円 | 自動車用ブレーキ摩擦材世界トップ。 |
【6471】日本精工 | 1,043円 | 電動ブレーキブースター向けボールネジ |
【6472】NTN(低位株★) | 344円 | 電動ブレーキ用アクチュエータ。 |
【6594】日本電産 | 13,175円 | ミリ波レーダー。 |
【6902】デンソー | 4,748円 | ミリ波レーダー国内特許数トップ。 |
【6958】日本CMK | 700円 | 自動車向けプリント配線板。 |
【7201】日産自動車 | 935円 | 大手自動車メーカー。自動ブレーキシステム「エマージェンシーブレーキ」。 |
【7203】トヨタ自動車 | 6,605円 | 大手自動車メーカー。自動ブレーキシステム「Toyota Safety Sense」。 |
【7215】ファルテック | 857円 | ミリ波レーダーカバー |
【7238】曙ブレーキ工業(低位株★) | 169円 | 自動車用ブレーキ大手。経営悪化により事業再生ADR申請。 |
【7259】アイシン精機 | 4,255円 | 自動ブレーキシステム。 |
【7261】マツダ | 1,272.5円 | 自動車メーカー。安全システム「アドバンストスマートシティブレーキサポート(SCBS)」。 |
【7267】ホンダ | 2,972.5円 | 大手自動車メーカー。安全運転支援パッケージ「ホンダセンシング」。 |
【7269】スズキ | 5,629円 | 自動車メーカー。予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」。 |
【7270】SUBARU | 2,793.5円 | 自動車メーカー。運転支援システム「アイサイト」。 |
※株価は2019年2月15日終値で算出
★注目ポイント3 |
自動ブレーキ関連銘柄としては、自動ブレーキの目の部分であるミリ波レーダーなどを手掛ける銘柄と、自動ブレーキシステムを手掛ける自動車メーカーが挙がってくる。 |
4.まとめ
自動ブレーキのハード面であるセンサーを手掛ける銘柄、自動ブレーキシステムを手掛ける自動車メーカー株のいずれも、2018年には大きく下落しました。
しかし、日本とEUで2020年から自動ブレーキの搭載が義務付けられることから、自動ブレーキ関連の需要は手堅く、2019年は反発する可能性が大いに考えられます。
また、自動ブレーキは、2020年以降巨大市場になることが注目される自動運転になくてはならない技術であるため、今後も長い期間に渡って注目が集まるテーマになると思われます。
それらのことからも、自動ブレーキ関連銘柄の動向はチェックしておきたいところです。
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