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ハイテク機器に必ず使用される「レアアース」は世界的に需要があります。
そんな中、2018年4月10日小笠原諸島・南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)の海底に、世界需要数百年分のレアアースが埋蔵されていると、英科学誌サイエンティフィック・リポーツが発表しました。
現在はレアアースの大半を中国からの輸入に頼っている日本にとって、21世紀の先端産業には欠かせないレアアースを自国で調達出来るようになれば、経済的インパクトは計り知れません。
また大統領選に伴い中国がレアアースの輸出管理を厳しくする法律も施行されています。
レアアースの関連ニュースとともに銘柄の動向に注目していきましょう。
1.レアアースは現代社会に欠かせない
小笠原諸島・南鳥島の海底に数百年分のレアアースが発見されたことから、レアアース関連銘柄が大きく注目されるテーマ株になるかもしれません。
1-1.レアアースとは?
埋蔵量が少なかったり、採掘・精錬コストが高いなどの理由で流通量・使用量が少ない非鉄金属を「レアメタル」と呼びます。
周期表で言うと、スカンジウム・イットリウムの2元素と、ランタンからルテチウムまでの15元素の計17元素がレアアースに分類されます。
レアアースは、モーターに使われる超強力磁石の磁性体や、DVDやBDなどの光ディスクの記録層など現代社会を支える幅広い製品に使われています。 希少元素でありながら、その用途は幅広いため、レアアースの安定確保は経済活動をする上で重要な課題になっています。 現代社会を営む上において欠かせないレアアースですが、世界のレアアース生産量の90%以上は中国で生産されています。
そのため、日本はレアアースの大半を中国からの輸出に依存しており、2010年10月に中国がレアアースの対日輸出規制を取ったときは大きな話題になりました。
1-2.日本のEEZで数百年分のレアアースを発見
現代社会には欠かせないレアアースですが、日本にとって幸運とも言えるビッグニュースが飛び込んできました。
2018年4月10日に、東京大学や海洋研究開発機構などの研究グループが、小笠原諸島・南鳥島の海底に1600万トンを超えるレアアースが存在すると発表しました。
1600万トンとなれば、世界需要の数百年分に相当する埋蔵量であり、日本国内で使用されるレアアース消費量を簡単にまかなえます。また、日本がレアアース輸出国となることも夢ではないかもしれません。
レアアースは、再生可能エネルギーや医療技術分野などの最先端産業にも必須となる材料であるため、自国で調達出来るようになればその経済的インパクトは計り知れません。
今後、海底にあるレアアースを効率的に回収する技術が確立されることになれば、レアアース関連銘柄が重要テーマになっていくことも十分に考えられます。
中国で輸出管理法が施行され、レアアースの国際相場が急騰中
中国でレアアースを含む戦略物資の輸出管理を厳しくする「輸出管理法」が2020年12月1日に施行されました。
中国は大統領選の混乱が続くアメリカの隙を突いて同法律を施行した形となっており、米中摩擦の一環と見られます。
中国の狙いはアメリカへの対抗にあるため、日本が輸出規制の対象国となる可能性は低いと指摘されていますが、多くの日本企業が中国からレアアースを調達しているため対応に追われています。
さらに、2020年秋に世界で相次いだ「EVシフト」の影響もあり、レアアースの国際相場は急騰中です。特に、EVのモーター磁石に使われるネオジムの価格は2017年以来3年ぶりの高値になりました。
中国リスクとEV需要の増加という2つの要因から、日本政府もレアアースの確保に向けて動いており、家電からレアアースを再生する「都市鉱山」や、「海洋探査」によってレアアースを得る動きなどが強まりそうです。
レアアース関連銘柄は、長い間に渡って注目されないテーマ株となっていましたが、2020年後半になって大きな注目を集める可能性が出てきています。
★注目ポイント1 |
レアアースは幅広い用途に使われるレアメタルの一種。2018年4月に小笠原諸島・南鳥島の海底に数百年分のレアアースがあることが発表された。 |
2.レアアース関連銘柄の動向
レアアース関連銘柄の株価動向を見ていきましょう。
2-1.貴金属リサイクル株!【7456】松田産業
貴金属リサイクル事業を柱とする【7456】松田産業は、2020年に買われているレアアース関連銘柄の一つです。
同社は、産業界から排出される貴金属をリサイクルし、電子材料にする事業を手掛けています。
同社の株価は、2020年1月初めには1,613円を付けており、コロナショックでは3月23日に1,105円まで下落しました。金(ゴールド)価格が上昇したことを背景に、7月にはコロナ前の株価まで回復。
その後は金(ゴールド)価格の下落とともに株価下落となりましたが、EVシフトを受けてレアアースのネオジムの価格が高騰した2020年11月から再び上昇。12月7日には1,979円を付けています。
2020年の最大上昇率は+79%です。
貴金属リサイクルを手掛ける銘柄としては、【5724】アサカ理研も2020年に最大+187%の上昇率となっています。
2-2.インドでレアアースを調達!【8015】豊田通商
トヨタ系の総合商社【8015】豊田通商は、インドでレアアースの調達を行っていることで知られるレアアース関連銘柄です。
同社は2015年にインドの国営企業Indian Rare Earth社とレアアース原料売買契約を締結するなど、インドでのレアアース事業に積極的です。
同社の株価は、2020年1月初めには3,800円を付けており、コロナショックで3月19日には2,046円まで下落。世界的に自動車販売が不振だったこともあり、その後の反発も限定されました。
ただ、中国の「輸出管理法」と世界的なEVシフトによってネオジム価格が高騰したことにより2020年11月には大きな上昇に。12月3日には3,915円を付け、コロナショック前の株価を回復しています。
3.主要レアアース関連銘柄チェックリスト
レアアース関連銘柄より厳選した注目株をチェックしておきましょう。
銘柄 | 主なサービス |
【1606】日本海洋掘削 | レアアース採掘 |
【1662】石油資源開発 | レアアース採掘 |
【2768】双日 | 商社 |
【3036】アルコニックス | 商社(レアメタルに強い) |
【5711】三菱マテリアル | レアアースリサイクル |
【5714】DOWA | レアアースリサイクル |
【5724】アサカ理研 | レアアースリサイクル |
【6269】三井海洋開発 | レアアース採掘 |
【6297】鉱研工業 | レアアース採掘 |
【8002】丸紅 | 商社 |
【8015】豊田通商 | 商社 |
【8031】三井物産 | 商社 |
【8053】住友商事 | 商社 |
【8058】三菱商事 | 商社 |
【8090】昭光通商 | 商社 |
★注目ポイント3 |
レアアース関連銘柄を抽出してみると、レアアースを採掘・リサイクルして活用・レアアースを扱う商社に分かれる。特に注目なのはレアアースを採掘する銘柄。 |
4.おすすめのレアアース関連銘柄3選
おすすめのレアアース関連銘柄について解説していきます。
【5857】アサヒホールディングス
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 貴金属リサイクルと廃棄物処理を手掛ける。 |
アサヒホールディングスは、都市鉱山からの貴金属リサイクルを手掛けているレアアース関連銘柄です。
特に、配当利回りが5%弱ある高配当銘柄であることが最大の特徴となっています。都市鉱山関連では必ず抑えておきましょう。
【6269】三井海洋開発
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 浮体式石油・ガス生産設備の設計・建造を手掛ける。 |
三井海洋開発は、レアアースの海洋探査で注目される銘柄です。
今後、中国リスクやEV需要の増大によってレアアース価格が急騰した場合には、海洋探査によってレアアースを得るインセンティブが高まることも期待されます。
【8015】豊田通商
市場 | 東証一部 |
企業概要 | トヨタ系総合商社。金属や自動車部品、自動車を手掛ける。 |
豊田通商は、EVシフトをにらんだ場合に注目のレアアース関連銘柄です。同社は、インドでレアアースを調達しており、EVのモーター用磁石に使われるネオジムも含みます。
トヨタのEV事業においても注目の銘柄になるでしょう。また、商社株であり、配当利回りが3%弱と高いこともメリットです。
5.まとめ
海底資源に関するテーマ株としては、日本近海に埋まっているメタンハイドレートに関連する銘柄が度々注目されてきました。
しかし、レアアースの発見によりその注目は大きく変化しました。
レアアースは21世紀の先端産業に欠かせない材料であることから、息の長いテーマとしても注目されることが期待されます。
日本がレアアース輸出国となることも考えられることから、2018年以降の関連銘柄動向は要注目です。
小笠原諸島・南鳥島のレアアース埋蔵に関するニュースにはアンテナを張っておき、関連する銘柄の動向は見逃さないようにしましょう。
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