水晶振動子関連銘柄は5G需要で成長を続けるニッチ市場！中小株を中心に押さえておこう。

水晶の結晶に圧力を加えると、電気が発生します。これはフランスの物理学者キューリー兄弟が1880年に発見した「圧電現象」と呼ばれるものです。

水晶振動子は、圧電体である水晶の特性を生かした材料となっており、機械的共振から一定の周波数を生み出す素子として広く使われています。

特に時計が「クォーツ」（水晶の英名）と呼ばれることが多いのは、水晶振動子を利用したクォーツ時計が最も多いことに由来しています。

水晶振動子はクォーツ時計を始め、無線通信や衛星通信、コンピューター、自動車など、現代のエレクトロニクスには欠かせない材料です。

水晶振動子は日本企業が高い世界シェアを持つ素材としても知られています。

日本水晶デバイス工業会の「2017年水晶デバイス世界シェア推定」によると、日本企業は1,573億円(48.8％)となっており、台湾企業(24.3％)、中国企業(10.1％)を大きく上回っています。

今回注目していく水晶振動子関連銘柄は、外国人投資家にも人気のある部品・素材セクターの銘柄が中心です。

株式会社グローバルインフォメーションの市場調査レポートによると、水晶発振器の市場規模は、2020年の28億ドルから年成長率2.1％で成長し、2025年には31億ドルに達するとの予測です。

多くの家電がインターネットに繋がるIoT化による需要の高まりや5Gネットワークの発展などが、水晶振動子の成長を後押しすると期待されています。

2021年秋には、水晶振動子関連銘柄のポジティブ決算が相次いでおり、株価にもポジティブな影響を与えています。

小型音叉型水晶振動子を手掛ける【6666】リバーエレテックは、2021年10月に発表した決算で営業利益を8.46億円から10.90億円に上方修正。スマートフォンや無線モジュール向けの水晶製品需要が寄与したとのことです。

水晶デバイス大手の【6962】大真空も、2021年11月発表の決算で営業利益を30億円から48億円へ上方修正しました。

水晶製品大手の【6779】日本電波工業も、5Gスマホや5G基地局向け水晶発振器の好調を背景に、2021年11月9日発表の決算で営業利益を29億円から49億円に上方修正しています。

音叉型水晶振動子などに強い水晶デバイス大手の【6962】大真空は、東証を代表する水晶振動子関連銘柄です。

同社の株価は、2020年11月には480.3円を付けていましたが、この1年上昇を続けており、2021年11月19日には1,725円まで上昇しています。

特に2021年11月には営業利益を30億円から48億円へ上方修正した決算が好感されて一段高となりました。

この1年で最大+259％の上昇率です。

また、同社は5G関連銘柄としても注目されており、2018年12月に付けていた192円から見ると、約3年間で10倍近い上昇となっています。

水晶振動子を始めとする水晶専業企業の【6779】日本電波工業も、日本株を代表する水晶振動子関連銘柄です。

同社の株価は、2020年11月には394円を付けていましたが、2021年11月19日には1,947円まで上げています。2021年11月には、決算が好感されて一段高となりました。

この1年で最大+394％の上昇率となっています。

上記2銘柄に加えて、【6666】リバーエレテックも水晶振動子関連銘柄として注目されていますが、こちらは2020年3月の236円から2020年11月に1,907円まで急騰したものの、2021年は高値圏で横ばいとなっています。

水晶振動子関連銘柄は、5G需要を背景に新型コロナ相場でも注目されているテーマ株と見て間違いないでしょう。

【6666】リバーエレテック

リバーエレテックは、水晶振動子に強みを持つ水晶振動子関連銘柄です。

同社は2020年に大きな上昇となりましたが、2021年は高値圏で横ばいとなっています。高値圏のレンジを突破して、一段高となってもおかしくありません。

同社を含め、【6779】日本電波工業、【6962】大真空の3銘柄が水晶振動子関連銘柄の中心銘柄となっています。

【6384】昭和真空

昭和真空は、水晶デバイス製造装置に強みを持つことから水晶振動子関連銘柄に位置付けられています。

ただ、水晶振動子関連銘柄として物色されてもおかしくない銘柄ですが、約4年以上に渡って横ばいとなっています。

今後、水晶振動子関連銘柄として大きく買われても不思議ではありません。

【6981】村田製作所

村田製作所は、水晶振動子も手掛けている大手電子部品メーカーです。

マーケットで水晶振動子関連銘柄として物色されているのは中小株ですが、同社のような大型株という選択肢もあります。

同様に【6724】エプソンや【6971】京セラも、水晶振動子を手掛ける大型株としてアリです。

水晶振動子関連銘柄は、【6962】大真空、【6779】日本電波工業、【6666】リバーエレテックの3銘柄が2020～2021年に大きな上昇となっています。

水晶振動子は世界市場で見ても3,000億円程度というニッチ市場であることから、上記3銘柄のような中小株が中心となっているテーマ株です。

水晶振動子関連銘柄は、2021年10～11月に掛けて好決算を相次いで発表したことで一段高となっており、今後も5G需要を中心に成長が続くことが期待されます。

5G需要や決算など水晶振動子に関するニュースにはアンテナを張っておき、水晶振動子関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。