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テンバガー特集Part7
今回は、テンバガー(10倍)を達成した銘柄の急騰パターンを見ていきます。
特に、ボロ株(低位株)からテンバガーへと急騰した銘柄をピックアップしました。
すると、ボロ株からテンバガーを達成する銘柄は、
・好材料が出て急騰するパターン
・倒産寸前から復活するパターン
・仕手筋の介入によって急騰するパターン
と大きく分けて3つが挙げられます。
特に、投資初心者はこれらの急騰パターンを覚えておいた方がいいでしょう。
いずれもテンバガー達成となればリターンは大きいですが、リスクも大きくなるため注意が必要なんです。
1.好材料により急騰するパターン
まずは、好材料が出てボロ株からテンバガーを達成した銘柄を見ていきましょう。
1-1.【3825】リミックスポイント
仮想通貨取引所「ビットポイント」を運営する【3825】リミックスポイントは、2017年の初めには144円の超低位株でしたが、2017年6月には1,820円まで上昇し、上昇率12.4倍のテンバガーを達成しました。リミックスポイントがテンバガーを達成した背景には、2017年には仮想通貨がバブルになったことが挙げられます。
同社は、仮想通貨関連のニュースを発表するたびに大きく買われました。
2017年1月には、子会社のビットポイントジャパンが、中国最大のSNSメディア「微博(weibo)」を手掛ける新浪日本総合ネットワークグループと提携して仮想通貨サービスの強化を発表したことでストップ高に。
5月には、ビットコイン価格の急騰につられて他の仮想通貨関連銘柄とともに急騰。仮想通貨「イーサリアム」の取り扱いを開始するというニュースでも好感されて物色されました。
また、6月には株主優待でビットコインを配布すると発表したことも好感されて大きく買われました。
同社の株価は2017年6月19日に1,820円の高値を付けましたが、仮想通貨が更なるバブルとなっていった2017年後半には暴落し、2017年12月には618円まで下落。
バブル発生からバブル崩壊まで、仮想通貨バブルを先取りしたテンバガー銘柄となりました。
1-2.【3647】ジースリーホールディングス
ボロ株や超低位株というと200円以下の銘柄を指すことが多いですが、20円以下の超ボロ株からテンバガーを達成した銘柄が、【3647】ジースリーホールディングスです。
同社は、イベントプロデュース事業や環境関連事業を手掛けていることで知られています。同社の株価は、2015年12月には一時19円を付けていましたが、2016年に入ると急騰し、2016年8月には206円まで上昇。この期間に上昇率10.8倍のテンバガー達成となりました。
同社に大きな注目が集まった背景には、2016年7月27日に太陽電池を手掛けるソーラーフロンティアとの協業を発表したことがあります。
この発表前には49円とまだボロ株だった株価は、8月16日には206円まで上昇。ニュース発表から約3週間で4倍以上の暴騰となりました。
しかし、その後は再生可能エネルギーの固定買い取り価格の下落によって太陽光バブルが弾けつつあることから再び下落しており、2019年1月現在は60円前後と、再び超ボロ株に逆戻りしています。
★注目ポイント1 |
2017年のリミックスポイントは仮想通貨関連、2016年のジースリーホールディングスは太陽光関連のニュースが出たことがきっかけとなり、ボロ株からテンバガー達成となった。 |
2.倒産寸前から復活する急騰パターン
では、今度は倒産寸前から復活してテンバガーを達成した銘柄です。
2-1.倒産しかけたアイフルの復活
消費者金融業大手の【8515】アイフルは、倒産寸前となった所から復活のテンバガーを遂げた銘柄です。同社の株価は、2006年1月には1万円を超えていました。しかし、2005年頃から強引な営業活動や悪質な取り立てが社会問題となっており、2006年4月14日には財務省近畿財務局長がアイフルの全店舗に業務停止命令を出すに至ります。
アイフルの業績は一気に悪化し、2010年決算では3,000億円を超える赤字に。
かつては1万円を超えていた株価は、2010年10月には41円にまで暴落……。4年間で-99%以上の大暴落となってしまいました。
しかし、さすがに売られ過ぎたことから2011年から2012年に掛けては株価は回復していきました。
そして、2012年10月からは大きな上昇を遂げ、またアベノミクス相場で金融株に大きな注目が集まったことで、金融セクターで最も注目される最強の銘柄に。2012年10月初めに138円を付けていた株価は、2013年5月には1,658円まで上昇し、この期間の上昇率は12.0倍でテンバガーを達成。東証一部銘柄ではアベノミクス相場で最も上昇した銘柄になりました。
株価が戻ったからといってアイフルの業績が厳しいのは変わりませんでしたが、2015年8月には金融機関から受けていた融資527億円を完済するまでに再建しています。
2-2.ホンハイの傘下で復活を遂げたシャープ
倒産寸前となった銘柄がテンバガーを達成した例はアイフル以外には見当たりませんが、テンバガーとまでは行かなくても倒産寸前の所から復活して大きな上昇を遂げた銘柄としては【6753】シャープが挙げられます。
同社は、業績の悪化から、一時は産業再生機構入りも検討されましたが、2016年2月25日に台湾のEMS企業大手、鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されるに至りました。
株価は2016年8月には87円にまで低迷……。5月12日には東証一部から東証二部に降格となってしまいます。
しかし、ホンハイのテリー・ゴウ会長率いるリーダーシップ経営により、シャープは劇的な復活を果たしました。業績が急回復するとともに、株価も急上昇。2016年8月には87円まで落ちた株価は、2017年4月には504円まで回復。テンバガーとは行きませんが、この期間に5.7倍の大きな上昇となりました。
そして、2017年12月7日には、東証二部から東証一部へとスピード復帰を果たすに至っています。
★注目ポイント2 |
アイフルは倒産寸前の超低位株になった所からテンバガーを達成した。また、シャープもテンバガーとはならなかったがドン底から復活して大きな上昇を遂げた。 |
3.仕手筋介入?とても怖い急騰パターン
特に材料がなかったにも関わらず暴騰し、仕手筋が介入したと思われるテンバガー銘柄を見ていきましょう。
3-1.【9307】杉村倉庫
この1年間で最も多くの個人投資家を退場に追い込んだと思われるテンバガー銘柄が【9307】杉村倉庫です。
同社は倉庫業を手掛けており、大阪に土地を持つことから、大阪万博関連銘柄やカジノ関連銘柄として物色されることが多い銘柄となっています。同社の株価は、2017年2月には304円を付けていましたが、2017年7月から急騰していき、2018年1月には3,680円まで上昇。この期間に12.1倍のテンバガー達成となりました。
とはいえ、この期間には同社に関するニュースは特に出ていません。大阪万博、カジノ関連で買われたと見ることもできますが、それにしては余りにも不自然なほど大きな急騰だと言わざるを得ません。
同社は仕手筋が介入してテンバガー達成となった可能性が非常に高いです。
特に、2018年1月の値動きは仕手筋が介入したとしか思えない動きとなっています。
同社の株価は、2018年1月初めには1,489円を付けていましたが、1月22日に3,680円まで大暴騰してからは急降下し、1月終わりには1,497円に逆戻りしています。
同社の株を高値掴みしてしまい、マーケットから退場していった個人投資家は少なくありません。
このように、仕手筋による急激な値動きをした銘柄は非常にリスクがあります。下手に手を出すのはやめておくのが賢明です。
3-2.【9820】エムティジェネックス
2018年に上昇率22.4倍となりテンバガーを達成した【9820】エムティジェネックスも、仕手筋が介入したものと思われます。
エムティジェネックスはビルのリニューアル事業などを手掛けている企業ですが、光通信の買い思惑が入ったというニュースによって謎の暴騰を遂げました。2018年7月初めには2,318円を付けていた株価は、わずか2ヶ月で45,950円に。2ヶ月で約20倍の暴騰となりました。一時的な上昇率で言えば、2018年のテンバガー銘柄ではトップとなっています。
光通信の買い思惑というニュース以外には何のニュースも出ておらず、またテーマ性がある銘柄でもないにも関わらずこれだけの急騰は不自然であると言わざるを得ません。
案の定、その後は大暴落となり、高値を付けてからの1ヶ月で一時1万円を割れる展開になっています。
2019年1月時点でも株価は1万円前後で低迷しており、売買代金も1日1億円未満と、高値掴みしてしまった個人投資家にとってはどうしようもない状況になってしまっています。
★注目ポイント3 |
2017年の杉村倉庫、2018年のエムティジェネックスは、仕手筋の介入によってテンバガーを達成したと見られる。このパターンのテンバガー銘柄は非常に危険であるため要注意。 |
4.まとめ
今回は、ボロ株(低位株)からテンバガーを達成した銘柄の急騰パターンを見てきました。
市場別に見ると、ボロ株からテンバガーを達成する銘柄は、東証二部銘柄に多いことが特徴として挙げられます。
しかし、ボロ株は今回見てきたような銘柄のように急騰する可能性があって魅力的に思えるかもしれませんが、チャートにもあるように、急騰後は急落も待ちうけています。
つまり、リスクも相応に大きいということに注意が必要です。
特に、仕手筋の介入によって急騰しているような材料不明の銘柄には、手を出すべきではないと言えます。
急騰銘柄を手掛ける際には、十分なリスク管理を心掛けていくようにしましょう。
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