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今回は、ディフェンシブ関連銘柄について詳しく見ていきます。
株式情報サイトなどで「ディフェンシブ銘柄」という言葉を耳にすることが多い一方で、「ディフェンシブ銘柄とは何なのか?」という具体的な理解は曖昧になっていることが少なくないかと思います。
ディフェンシブ銘柄は、高配当株投資と相性が良いことや、市場の下落局面などにリスクヘッジとしても活用することができますので、覚えておきたいところ。
ただ、関連セクターに属する全ての銘柄がディフェンシブ銘柄ではないため注意する点もあります。
この機会に、ディフェンシブ銘柄について理解を深めておきましょう!
1.「ディフェンシブ」関連銘柄
ディフェンシブ銘柄の基本を一から抑えておきましょう。
1-1.「ディフェンシブ」関連銘柄とは
具体的な業種としては、食品や医薬品、電力、鉄道などが挙げられますが、これらの業種に属する全ての銘柄がディフェンシブ銘柄ではないため注意が必要です。
上記に挙げた景気の変動を受けにくい業種・セクターの中でも、特に業績が安定すると見込まれる銘柄がディフェンシブ銘柄と呼ばれます。
例えば、医薬品セクターでは、大手製薬銘柄はディフェンシブ銘柄となりますが、バイオベンチャー株はディフェンシブ銘柄とは対極に位置するハイリスク銘柄となります。
また、ディフェンシブ銘柄は、値動きリスクが小さいことが特徴として挙げられます。
上昇局面においても大きく上がることはない一方で、下落局面においても大きく下げにくいローリスク・ローリターンの値動きをすることが多くなります。
業績が景気変動の影響を受けにくいため、景気後退局面入りが懸念される状況において機関投資家からの買いが入りやすく、大きく下げにくいことが背景にあります。
それらのことから、ディフェンシブ銘柄は値動きリスクが小さいため、配当利回りが高いディフェンシブ銘柄へ投資する高配当株投資と非常に相性のいいテーマ株となっています。
1-2.具体的なディフェンシブ関連セクターとは
具体的なディフェンシブ関連セクターを見ていきましょう。
まず、生活必需品である食品セクターは、代表的なディフェンシブセクターです。大不況になったとしても食品の需要がなくなることはないため、一定の業績が見込めます。
医薬品セクターも、景気に左右されずに一定の業績が期待できます。また、医薬品セクターはディフェンシブ銘柄でありながら、高齢社会の到来によって成長セクターとしても期待されます。
JRや私鉄を始めとした鉄道関係も、一定の需要が発生するディフェンシブ銘柄です。
同じく、電力会社やガス会社も社会に欠かせないインフラとなります。鉄板のディフェンシブ銘柄だった電力セクターは、福島第一原発事故をきっかけに大暴落することになりましたが、現在は再び安定した値動きに戻っています。
ドコモ・au・ソフトバンクの3大通信キャリアも、安定した業績が見込まれるディフェンシブ銘柄です。
また、日本のたばこ産業を独占する【2914】JTも、社会的に禁煙が叫ばれるようになってはいるものの安定した業績が見込まれる銘柄となっています。
★注目ポイント1 |
ディフェンシブ銘柄とは、経済の好不況の影響を受けにくく、安定した業績が見込まれる銘柄。食品や医薬品、電力、通信などの業種の中でも大手企業の銘柄が当てはまる。 |
2.「ディフェンシブ」関連銘柄の2018年
2018年のディフェンシブ銘柄の動向を見ていきましょう。
2-1.2018年のディフェンシブ銘柄の動向
2018年は、米中貿易摩擦への懸念から日経平均が7年ぶりに前年比割れとなるなど、大荒れの相場展開となりました。
主要ディフェンシブ銘柄の値動きを見てみると、上昇した銘柄も目立つ中で、特別大きく下げた銘柄はなく、多くの銘柄がディフェンシブ銘柄としての役割をいかんなく発揮したと言えます。
特に、電力セクターは【9501】東京電力ホールディングスが年間+44%の上昇となったことを始め、多くの銘柄が上昇しました。
451円(2018/01/05初値)→653円(2018/12/28終値)2018年内の安値378円と高値767円で見ると、上昇率は約2倍を達成。
また、ディフェンシブ銘柄の一角である通信キャリアには大きなニュースが相次ぎました。
2018年10月には、菅官房長官が携帯料金の4割値下げに言及したことから、【9437】NTTドコモと【9433】KDDIの株価が大暴落する事態に。
ただ、このニュースだけ聞くと大きく下げた印象を持ちますが、NTTドコモは年間では-8.4%(2,700円→2,472.5円)の下落に留まっており、日経平均が大荒れとなった中でもディフェンシブ銘柄としての役割を発揮したと言えます。
2018年12月には、携帯キャリアの一角である【9434】ソフトバンクが新規上場し、ソフトバンググループとは別会社になりました。今後、ドコモ・KDDIとともにディフェンシブ銘柄の一角になる可能性が高いと見られます。
ディフェンシブ銘柄の中でも2018年に大きく下げたのは、医薬品大手の【4502】武田薬品工業です。年間では-43%(6,500円→3,705円)という大暴落となってしまいました。この背景には、武田がアイルランドの製薬大手シャイアーを買収することが挙げられます。日本企業としては最大となる7兆円規模のM&Aは、多くの投資家からはリスクと判断されました。
2-2.「ディフェンシブ」関連銘柄をピックアップ!
ディフェンシブ関連銘柄は高配当株投資に向いているということで、各ディフェンシブセクターから代表的な高配当銘柄をピックアップしていきましょう。
まず、ディフェンシブ銘柄でありながら高配当株としても注目されるのがたばこ大手の【2914】JTです。JTの配当利回りは5.40%となっており、日本株を代表する鉄板の高配当株として知られます。
通信キャリア大手の【9437】NTTドコモもディフェンシブ銘柄でありながら配当利回りは4.28%となっており、同じく【9433】KDDIも配当利回りは3.74%と高配当株となっています。
この3銘柄は、高配当株投資を手掛ける際にも必ず抑えておかなければいけないディフェンシブ銘柄として知られています。
電力会社では【9503】関西電力の配当利回りが3.16%と、主要電力株の中では最も高くなっています。
医薬品大手の【4502】武田薬品工業も、2018年の大暴落で配当利回りは4%台にまで上昇。下落リスクはまだ考えられますが、2018年に材料出尽くしとなっていれば大きなチャンスかもしれません。
※配当利回りは2019年2月6日終値時点で算出
★注目ポイント2 |
2018年には株式市場が大荒れとなった中で、電力株が大きく上昇した他、多くのディフェンシブ銘柄が小幅な下落に留まった。大型買収がリスクとして嫌気された武田薬品工業は大きく下げた。 |
3.「ディフェンシブ」関連銘柄の2019年
2019年のディフェンシブ関連銘柄の注目ポイントを抑えておきましょう。
3-1.2019年の「ディフェンシブ」関連銘柄注目ポイント!
2019年は、米中貿易摩擦を背景に世界経済への減速懸念が高まります。
一部では景気のリセッション(景気後退)入りも囁かれており、株式市場に逆風が吹く展開も考えられます。日本では、東京オリンピックの建設需要がピークを迎えることも懸念されます。
このような局面においては、ディフェンシブ銘柄に資金が逃避することが考えられます。
また、2019年のゴールデンウィークは10連休となる他、外国人観光客も増加の一途を遂げていることから、ディフェンシブ銘柄の中でも鉄道セクターには注目が集まるかもしれません。
個別銘柄では、【4502】武田薬品工業のシャイアー買収の動向には引き続き注目です。2018年12月に新規上場した【9434】ソフトバンクも、値動きが落ち着けばディフェンシブ銘柄入りが考えられます。
3-2.注目の「ディフェンシブ」関連銘柄
今後も注目しておきたいディフェンシブ関連銘柄を、数銘柄ピックアップしました。
銘柄 | 株価 | 主なサービス |
【2282】日本ハム | 4,325円 | 食肉総合メーカー |
【4502】武田薬品工業 | 4,422円 | 製薬会社。シャイアーのM&Aで注目。高配当銘柄 |
【9020】JR東日本 | 10,300円 | 鉄道会社。電子マネー「Suica」も |
【9437】NTTドコモ | 2,567.5円 | 携帯キャリア。高配当銘柄 |
【9501】東京電力ホールディングス | 670円 | 電力会社 |
※株価は2019年2月6日終値で算出
★注目ポイント3 |
2019年は世界経済の減速懸念を背景に、ディフェンシブ銘柄への関心が高まる!? |
4.まとめ
今回は、ディフェンシブ銘柄について見てきました。
ディフェンシブ銘柄は、配当金目的の高配当株投資と相性が良い他、株式市場が下落局面となっているときのリスクヘッジとしても活用することができます。
ただ、原発事故直後の電力セクターや大型M&A案件を進める武田薬品工業のように、リスクが発生するとディフェンシブ銘柄としての役割を果たさなくなることもあるため注意が必要です。
2019年は、景気減速懸念からディフェンシブ銘柄の重要性が増すことが考えられますので、関連銘柄の動向はチェックしておきましょう。
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