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そこで、環境に優しい次世代プラスチックとしてバイオマスプラスチックに注目です。
バイオマスプラスチックは植物から持続的に作ることができ、二酸化炭素の排出も抑えられることから、地球温暖化対策に繋がる新素材として期待されています。
また、バイオエコノコミーは2030年には180兆円規模にまで成長すると予測されていることもあり、注目度は高いとされます。
そんな世界的に注目のバイオマスプラスチックについて、見ていきましょう!
1.バイオマスプラスチック関連銘柄に期待
地球環境に優しいバイオマスプラスチックに注目です。
1-1.バイオマスプラスチックとは?
今回は、2030年には180兆円規模になるとも言われるバイオエコノミーの中でも、バイオマスプラスチックに関連した銘柄に注目していきます。
バイオマスプラスチックは、環境に優しく、地球温暖化対策に繋がる新素材として注目を集めています。
従来のプラスチック素材は石油などの枯渇が懸念される資源から作られていましたが、バイオマスプラスチックは植物などの有機資源から持続的に作れることが特徴です。
また、バイオマスプラスチックの原料に使われる植物は光合成によって二酸化炭素を消費して成長するため、バイオマスプラスチックを燃焼廃棄して二酸化炭素を排出しても収支はゼロになります。
バイオマスプラスチックの原料は、デンプンや糖の含有量が多いトウモロコシやサトウキビから製造されます。
2018年7月9日に、米スターバックスは「全世界の店舗でプラスチック製使い捨てストローを廃止する」と発表
10日には、米アメリカン航空が「ラウンジや機内で使われるプラスチック製使い捨てストローなどの廃止を予定している」と発表しました。
これらのように、世界的な地球環境保護強化の流れからバイオマスプラスチックは更に需要が急増する可能性が上がりました。
1-2.関連銘柄にはどのような銘柄があるか?
アメリカの調査会社Big Market Researchによると、バイオマスプラスチック市場は急成長市場となっており、2015年から2020年までの年平均成長率が17.5%になると予測されています。
では、急成長市場として期待されるバイオマスプラスチック関連銘柄には、どのような銘柄があるかを見ていきましょう。
まず、バイオマスプラスチックは化学素材ということもあり、バイオマスプラスチックの研究開発を手掛けている化学メーカーは筆頭に挙げられます。
次に、繊維メーカーも、化学メーカーと並んでバイオマスプラスチック関連銘柄の本命です。
また、プラスチック素材ということで、一部の電機メーカーや自動車メーカーも研究開発を手掛けていることから注目されます。
ただ、バイオマスプラスチックの研究開発はまだ途上で、ニュースになることは少なく、大きな注目を集めるのはこれからだと期待される状態に留まっているのが現状です。
★注目ポイント1 |
バイオマスプラスチックとは、トウモロコシやサトウキビを原料とした再生可能なプラスチックのこと。昨今の原油高や地球温暖化対策に繋がる新素材として期待されている。 |
2.バイオマスプラスチック関連銘柄の推移
2-1.繊維メーカー大手の帝人
その為、バイオマスプラスチックの研究開発を手掛けている化学・繊維メーカーを中心に関連銘柄の動向を見ていきましょう。
繊維メーカー大手の【3401】帝人は、バイオマスプラスチックの研究開発に力を入れていることで知られます。
同社は、2018年2月14日に、耐ガソリン性と成形性を両立した自動車用ドアロック(スマートエントリーシステム)に対応したバイオプラスチックフィルムを開発したと発表しています。
同社の株価は、2017年7月初めには2,165円を付けており、2018年1月には一時2,603円まで上昇しました。
しかし、その後は下落し、2018年7月現在は2,000円前後で推移しています。
この1年では下落~横ばいとなっており、芳しくない値動きとなっています。また、上述のバイオプラスチックフィルムを開発したとのニュースでも、投資家は全く反応しませんでした。
2-2.総合化学メーカーの三菱ケミカルホールディングス
繊維メーカーに続いて、化学メーカーの動向を見ていきましょう。
総合化学メーカーの【4188】三菱ケミカルホールディングスは、バイオマスプラスチックの研究に力を入れています。
同社は、植物由来のイソソルバイドを主原料としたバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO」を開発していることで知られます。
「DURABIO」は、耐久性に優れており、光学・エネルギー関連部材や高機能ガラスの代替部材、電子機器・自動車の筐体など、幅広い分野への展開が期待されています。
同社の株価は、2017年7月には929円を付けており、2018年1月には1,319.5円まで上昇しました。しかし、その後は値を下げており、2018年7月現在は950円前後で推移しています。
これらのようにバイオマスプラスチック関連銘柄は、まだ、投資家から大きく注目されるテーマ株にはなっていないというのが現状といえます。
また、バイオマスプラスチックの開発を手掛ける繊維メーカーや化学メーカーは大手の会社が多く、バイオマスプラスチックが業績や株価に与える影響も限定されると見られます。
その為今後の注目ポイントとしては、バイオマスプラスチックに何らかのイノベーションが起こることでしょう。
★注目ポイント2 |
バイオマスプラスチック関連銘柄は、投資家から注目されるテーマ株にはなっていないが、好材料などで短期急騰する可能性は十分ある。 |
3.主要バイオマスプラスチック関連銘柄チェックリスト
バイオマスプラスチック関連銘柄より厳選した注目株をチェックしておきましょう。
銘柄 | 株価 | 主なサービス |
【3101】東洋紡 | 1,800円 | 100%バイオマス由来のポリエチレンフラノエート |
【3103】ユニチカ | 610円 | バイオマスプラスチック「テラマック」 |
【3116】トヨタ紡織 | 1,999円 | 「バイオプラスチックアロイ」 |
【3401】帝人 | 2,023円 | 耐ガソリン性・成形性を持つバイオプラスチックフィルム |
【3402】東レ | 862.2円 | バイオマス由来のポリマー素材 |
【3405】クラレ | 1,504円 | バイオマスプラスチックを使用した素材「PLANTIC」 |
【3407】旭化成 | 1,409円 | バイオマス生分解性プラスチック冷飲料専用コップ「グリーンプロマックス」 |
【3861】王子ホールディングス | 675円 | バイオケミカル素材の開発 |
【4183】三井化学 | 2,920円 | バイオプラスチック |
【4188】三菱ケミカルホールディングス | 934.5円 | バイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO」 |
【4202】ダイセル | 1,198円 | 非可食性バイオマスプラスチック「セルブレンECシリーズ」 |
【4901】富士フィルムホールディングス | 4,292円 | 傘下の富士ゼロックスがバイオベースプラスチック材料技術 |
【6701】NEC | 2,985円 | 高級漆器調バイオプラスチック |
【7261】マツダ | 1,328円 | バイオエンジニアリングプラスチック |
【7752】リコー | 1,027円 | バイオマスプラスチック材料技術 |
※株価は2018年7月9日終値で算出
★注目ポイント3 |
バイオマスプラスチック関連銘柄を抽出してみると、化学・繊維メーカーを中心に、製紙・電機・自動車など幅広い業種に渡る。化学・繊維は特に注目しておきたいセクター。 |
4.バイオマスプラスチック関連銘柄の上昇率ランキングTOP3!
過去1年間の安値から高値までを算出し、最も上昇率の高かったバイオマスプラスチック関連より上位3銘柄を発表致します。
※2017年7月9日~2018年7月9日の1年で算出
4-1.第1位【4004】昭和電工
上昇率 | 2倍(安値:2,670円 → 高値:5,480円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 64.02(やや買われている) |
4-2.第2位【4021】日産化学
上昇率 | 1.49倍(安値:3,570円 → 高値:5,350円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 56.32(やや買われている) |
4-3.第3位【3861】王子ホールディングス
上昇率 | 1.44倍(安値:552円 → 高値:796円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 46.71(売り買い均衡) |
※RSIは2018年7月9日終値より算出
★注目ポイント4 |
バイオマスプラスチック関連とされている銘柄の上昇率を見ると、トップは黒鉛電極関連として注目を集めた【4004】昭和電工。10数年ぶりに高値更新するかその動きには注目したいところ。 |
5.まとめ
バイオマスプラスチックは、昨今の原油高や地球温暖化対策として、従来のプラスチック容器から自動車部 材に至るまで幅広い領域での実用化が期待されています。
しかしながらバイオマスプラスチック関連銘柄は、まだ投資家から大きく注目を集めるテーマ株となってはいないのが現状です。
今後、何らかのイノベーションが起こり、なくてはならない素材として注目を集めることに期待したいところです。
バイオマスプラスチックの環境に優しい特徴に期待し、好材料やニュース、関連銘柄の動向を合わせてチェックしておきましょう。
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