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2022年4月から使い捨てプラスチックの削減が義務化されるなど、世界的にプラスチックを削減する動きが相次いでいます。
自然界で水と二酸化炭素に分解されるグリーンプラ(生分解性プラスチック)は、プラスチックの代替品として注目を集めています。
グリーンプラ関連銘柄は、繊維メーカーと化学メーカーの2セクターの銘柄が中心となるテーマ株となっており、ローリスク・ローリターンで配当利回りが高い銘柄が多いため投資初心者にもおすすめです。
グリーンプラ関連銘柄に注目していきましょう!
1.グリーンプラ関連銘柄とは?
2022年4月から使い捨てプラスチックの削減が義務付けられることを受けて、グリーンプラ関連銘柄に注目が集まるかもしれません。
1-1.グリーンプラ(生分解性プラスチック)とは?
通常のプラスチックは、自然界に放置されたとしても分解されることはないため、ゴミとして溜まってしまいます。
グリーンプラなら、仮に自然界に放置されたとしても、自然界の微生物が水と二酸化炭素に分解してくれるため、ゴミとなることはありません。
また、プラスチックの製造には化石燃料が使用されますが、天然資源由来のグリーンプラこと「バイオマスプラスチック」は化石燃料を使わずに製造することが可能です。
グリーンプラは土に還るプラスチックが一般的ですが、近年はプラスチックによる海洋汚染が世界的な問題となっています。
海に投棄されても自然界に還る「海洋生分解性プラスチック」の開発が進められており、経済産業省は2019年に海洋生分解性プラスチックの開発や導入普及を促進するためのロードマップを策定しました。
海中は陸上と比べると微生物の数が少ないため、グリーンプラであっても分解には時間が掛かります。
ペットボトルやレジ袋、コンビニ弁当など、海洋に流れ出る可能性が高いプラスチックをグリーンプラに置き換えることで、プラスチックごみが海に流出しても数ヶ月で分解されます。
これで海洋生物の生態系を守る効果が期待されているのです。
今回注目していくグリーンプラ関連銘柄は、グリーンプラを製造している化学メーカーと繊維メーカーの2セクターが中心となるテーマ株です。
1-2.2022年4月から使い捨てプラスチックの削減が義務化される
2022年4月から「プラスチック資源循環促進法」が施行されることを受けて、スプーンやストローなど使い捨てプラスチックの削減が企業に義務化されます。
政府は2022年1月14日、「プラスチック資源循環促進法」に基づいて、事業者に対策を義務付ける使い捨て製品12品目を閣議決定しました。
対象となるのは、コンビニやスーパーを対象とした「フォーク」「スプーン」「ナイフ」「マドラー」「ストロー」、ホテルなどを対象とした「ヘアブラシ」「くし」「カミソリ」「シャワー用キャップ」「歯ブラシ」、クリーニング店を対象とした「ハンガー」「衣類用のカバー」の12品目です。
これらのプラスチック製品は、有料化や辞退者へのポイント付与、代替素材への転換といった削減義務が企業に課されることとなります。
プラスチックに関する社会の取り組みとしては、2020年7月から始まったレジ袋の有料化が大きな話題となりましたが、今回も大きな話題となりそうです。
マーケットでも、グリーンプラ関連銘柄が社会的なテーマ性も考慮されて物色されることになるかもしれません。
★注目ポイント1 |
・グリーンプラ(生分解性プラスチック)とは、自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるプラスチック。 ・グリーンプラ関連銘柄は、化学メーカーと繊維メーカーの2セクターが中心となる。 ・2022年4月から使い捨てプラスチックの削減が義務化される流れで、グリーンプラ関連銘柄が物色される可能性がある。 |
2.グリーンプラ関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2020年から2022年に掛けてのグリーンプラ関連銘柄の動向を見ていきましょう。
2-1.繊維メーカー最大手!【3402】東レ
炭素繊維に強い繊維メーカー最大手の【3402】東レは、代表的なグリーンプラ関連銘柄です。
同社は、植物由来のひまし油から生産されたセバシン酸を約60%原料とするバイオベースナイロン「ナイロン610樹脂 アミラン CM2000シリーズ」を手掛けていることで知られています。
同社の株価は、2020年1月には732円を付けており、コロナショックでは397.4円まで下落。
その後は2年間掛けて戻してきており、2022年1月31日時点では725.1円となっています。
ただ、同社の株価は繊維メーカーの中では健闘しており、【3401】帝人、【3101】東洋紡、【3105】日清紡ホールディングスは、いずれも新型コロナ前の株価を回復できていません。
2-2.グリーンプラ素材に強い!【4023】クレハ
化学メーカーの【4023】クレハは、生分解性プラスチック「クレダックス」を手掛けているグリーンプラ関連銘柄です。
同社の株価は、2020年1月時点では6,450円を付けていましたが、2022年1月31日時点では8,480円を付けており、新型コロナ前の水準を大きく上回っています。
化学メーカーは新型コロナ相場では堅調となっており、【4188】三菱ケミカルホールディングス、【4183】三井化学、【4182】三菱ガス化学も、新型コロナ前の株価を大きく上回っています。
2020年3月以降の新型コロナ相場においては、繊維メーカーは苦戦していますが、化学メーカーは堅調です。
ただ化学メーカーの株価が堅調であるとはいっても、グリーンプラ関連銘柄がテーマ株として注目されている痕跡は特に見当たりません。
★注目ポイント2 |
・2020年以降の新型コロナ相場においては、繊維メーカーは苦戦しているが、化学メーカーは堅調。 ・グリーンプラ関連銘柄がテーマ株として注目されているとは言えない。 |
3.グリーンプラ関連銘柄リスト
グリーンプラ関連銘柄より厳選した注目株をチェックしておきましょう。
銘柄 | 主なサービス |
【3101】東洋紡 | 繊維大手、バイオマス原料FDCA(フランジカルボン酸) |
【3105】日清紡ホールディングス | 繊維メーカー、海洋生分解性素材「フラビカファイン®SILKYタイプ」 |
【3401】帝人 | 繊維大手、非晶性バイオプラスチック「PLANEXT」 |
【3402】東レ | 繊維最大手、バイオベースナイロン「ナイロン610樹脂 アミラン CM2000シリーズ」 |
【4023】クレハ | 化学メーカー、生分解性プラスチック「クレダックス」 |
【4118】カネカ | 化学メーカー、生分解性プラスチック「カネカ生分解性ポリマーGreen Planet」 |
【4182】三菱ガス化学 | 化学メーカー、バイオプラスチック「BIOMUP」 |
【4183】三井化学 | 化学大手、バイオマスナフサによるバイオマスプラスチック製造 |
【4188】三菱ケミカルホールディングス | 化学最大手、生分解性プラスチック「生分解性樹脂BioPBS」 |
【4202】ダイセル | 化学メーカー、多数の酢酸セルロース製品で生分解性プラスチック認証を取得 |
4.オススメのグリーンプラ関連銘柄3選!
繊維・化学セクターでオススメのグリーンプラ関連銘柄について押さえておきましょう。
【3402】東レ
市場 | 東証一部(プライム市場) |
企業概要 | 炭素繊維で高い世界シェアを誇る合繊最大手。 |
東レは、繊維メーカー最大手です。
バイオベースナイロン「ナイロン610樹脂 アミラン CM2000シリーズ」などを手掛けていることから、グリーンプラ関連銘柄にも位置付けられます。
同社に代表される繊維株の特徴としては、いずれもローリスク・ローリターンのディフェンシブ銘柄となっており、配当利回りは2~3%の銘柄が多くなっています。
【4188】三菱ケミカルホールディングス
市場 | 東証一部(プライム市場) |
企業概要 | エチレンに強い化学最大手。傘下に田辺三菱製薬や太陽日酸。 |
三菱ケミカルホールディングスは、化学最大手メーカーです。
生分解性プラスチック「生分解性樹脂BioPBS」を手掛けており、代表的なグリーンプラ関連銘柄です。
化学セクターの銘柄は、安定した値動きで、配当利回りが3%を超えている高配当株が多いことが特徴です。
同社の配当利回りも2022年1月31日時点で3.35%となっています。
【4023】クレハ
市場 | 東証一部(プライム市場) |
企業概要 | 化学中堅。機能製品・化学製品・樹脂製品を手掛ける。 |
クレハは、中堅化学メーカーです。
生分解性プラスチック「クレダックス」を手掛けており、グリーンプラ関連銘柄にも位置付けられます。
化学メーカーの中では株価が大きく上昇しており、2022年1月時点で上場来高値更新の手前まで来ていることから、今後の値上がりが期待できそうな銘柄です。
5.まとめ
グリーンプラ関連銘柄は、繊維メーカーと化学メーカーの2セクターが中心となっているテーマ株です。
2020年以降の新型コロナ相場では、繊維メーカーは苦戦していますが、化学メーカーは堅調です。
ただ、グリーンプラ関連銘柄は、テーマ株としては2020年以降にそこまで注目されているとは言えません。
とはいえ、繊維・化学の両セクターは、ローリスク・ローリターンで配当利回りも高い銘柄が多いため、初心者にもおすすめのテーマ株と言えます。
政府の脱プラスチックの取り組みに関するニュースにはアンテナを張っておき、グリーンプラ関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
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