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2018年に入り、東京都知事当選後の小池人気と共に失速していた「電線地中化関連銘柄」が再び注目を集め、じわじわと値を上げてきました。
電線地中化は2017年位まではマーケットでも注目テーマの一つとなっていましたが、2018年から2019年に掛けては、やや影をひそめてしまったテーマ株だったと言えます。
インフラ整備関連では、次世代通信規格5Gの基地局整備に関連する銘柄が投資家から注目を集めるようになったことが一つの原因と見られます。
しかし2019年9月に発生した台風15号によって、風向きが変わってきたかもしれません。
台風15号によって、千葉県では強風で電柱が多数倒れ、大規模停電からの復旧に長期間を要することになりました。
もし電線地中化がされていれば、台風15号による大規模停電は避けられたと見られることから、マーケットでは再び電線地中化に熱い視線が注がれ始めています。
特にかねてから電線地中化を推進している東京都の小池百合子都知事は、2019年9月13日の会見で「無電柱化の取り組みを加速させること」に言及。
政府や地方自治体が本格的に電線地中化を推進することになれば、電線地中化は非常に息の長いテーマ株になると期待できます。
1.電線地中化(無電柱化)が遂に本格始動!
政府が電柱や電線の地中化に向け制度整備に着手するということで、2018年に入り「電線地中化関連銘柄」が息を吹き返しています。
1-1.海外に後れを取る電線地中化って何?
電線地中化は無電柱化とも呼ばれ、電柱や電線・通信線とそれらの関連施設を地上から撤去し、道路の地下空間を利用して埋設することを言います。
国土交通省の主導のもと、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに主要駅を重点的に「国策」として整備計画が進められているのです。
日本で初めての実施は1928年、兵庫県芦屋市の高級住宅街で知られる六麓荘町にて、景観を良くする狙いで電線地中化を導入。
その後も全国各地に広がりを見せましたが、それでも東京23区の電線地中化率は10%にも満たないと言います。
※国土交通省HPより
ロンドンやパリ、香港はすでに100%の導入、その他の世界主要都市でも電線地中化の普及は進んでおり、日本は後れを取っている状況です。
また、国土交通省によると電線地中化は1kmあたり、なんと5億3,000万円もの巨額費用が発生すると言います。
その恩恵を受ける不動産や建設・土木以外にも地下空間に作られる溝や、マンホールなどの蓋、コンクリートなど幅広い電線地中化関連銘柄が挙げられます。
これらのことからも、電線地中化関連銘柄は非常に伸びしろのある成長市場であることがわかります。
1-2.電線地中化によるメリット・デメリット
電線地中化への関心の高まりは、2016年7月に行われた都知事選挙で当選した小池知事が推進すると掲げていたことがきっかけでしょう。
日本の伝統的な街並みを保全し、景観を改善できるという電線地中化計画は、ほかにも多くのメリットが存在します。
- 二次災害の防止
震災など大規模な災害時には電柱が倒れ道路が塞がれたり、電線断裂で火災が発生したりの、二次災害によるリスクを軽減することができます。
- 通行空間の確保
電柱が無くなることで歩道が広くなり、ベビーカーや車椅子利用者、視覚障がい者の安全確保に繋がります。
- 土地価格の上昇
上記のメリットにより多くの人が電線地中化のまちに魅力を感じるため、必然的に地価が上昇すると考えられます。
これらのメリットに対して考えられるたった1つのデメリット
- 膨大な費用がかかるという点
前述したように、電線地中化するにあたり道路1kmで5億3,000万円もの費用が発生し、現在3,500万本ある日本の電柱を地中化するには2000年以上もかかると言われています。
しかしこれは、電線地中化関連銘柄の業績に大きくプラスの影響を与えるため、投資家にとってはメリットと捉えることができます。
国策の巨大プロジェクトとして、これから息の長いテーマとなることが期待できるのです。
★注目ポイント1 |
2020年の東京オリンピックに向け急ピッチで進む電線地中化計画には膨大な予算が組まれることから、関連銘柄の業績へは今後大きく寄与すると考えられる。 |
2.国策となった電線地中化関連銘柄の推移
2019年9月の台風15号を受けて大きく上昇した電線地中化関連銘柄を見ていきましょう。
2-1.電線地中化関連銘柄の最右翼!【5287】イトーヨーギョー
コンクリート製品を手掛ける【5287】イトーヨーギョーは、電線地中化関連銘柄として注目されている銘柄です。
同社は、無電柱化を実現する製品「D.D.BOX」「S.D.BOX」を手掛けていることで知られています。
ただ、電線地中化は、この2年程度はあまり注目されないテーマ株となっていたことから株価は低迷。2018年2月に1,360円を付けていた同社の株価は、2018年12月には一時611円まで下げていました。
2019年に入ってからも低迷は続き、2019年9月初めには710円を付けていましたが、台風15号の被害拡大を受けて投資家の資金が殺到。わずか1ヶ月で1,367円まで急騰しています。
わずか1ヶ月で+92%という驚異的な上昇率となっており、この2年間で下げた分をわずか1ヶ月で回復してしまいました。
そして2019年10月11日の台風19号でさらに急騰!
2500円近くまで上がり、2019年で株価約4倍まで上がりました。
2-2.電線地中化技術を持つ!【5290】ベルテクスコーポレーション
コンクリート二次製品を手掛ける【5290】ベルテクスコーポレーションも、電線地中化関連銘柄を代表する銘柄です。
なお、同社は電線地中化関連銘柄として知られていた【5289】ゼニス羽田ホールディングス(現在は上場廃止)とホクコンが経営統合して誕生した企業です。
同社は、電線地中化に欠かせない電線共同溝(C・C・BOX)技術を所有していることから注目されています。
同社の株価は、2019年9月初めには1,351円を付けていましたが、台風15号の被害で電線地中化が注目されたことによって急伸。
2019年10月8日には1,779円の高値を付けており、1ヶ月で+31%の上昇となっています。
今回の台風15号では電線地中化が再び注目されることになりましたが、イトーヨーギョーとベルテクスコーポレーション(ゼニス羽田)という代表的な2銘柄が順当に買われる結果になりました。
★注目ポイント2 |
今回の報道により電線地中化関連銘柄への注目度の高さが再認識させられたため、小池知事の発言には今後も注視したい。 |
3.主要電線地中化関連銘柄チェックリスト
電線地中化関連銘柄より厳選した注目株をチェックしていきましょう。
銘柄 | 主なサービス |
【1721】コムシスホールディングス | 電機通信工事大手 |
【1844】大盛工業(★低位株) | 上下水道工事技術に強み |
【1942】関電工 | 東京電力系の電気設備工事最大手 |
【1944】きんでん | 地中送電線や配電線、通信インフラ設備の構築 |
【1951】協和エクシオ | 電機通信工事最大手、地下鉄工事やwifi関連も受注 |
【4231】タイガースポリマー | 地中埋設用ケーブル防護管の販売 |
【5262】日本ヒューム | 下水道向けヒューム管最大手 |
【5269】日本コンクリート工業(★低位株) | 基礎事業およびコンクリート二次製品事業を展開 |
【5287】イトーヨーギョー | 電線の共同溝やマンホール、パイプ製品を扱う |
【5289】ゼニス羽田ホールディングス(★低位株) | 防護柵やマンホール、コンクリート二次製品を扱う |
【5603】虹技 | 上下水道関連部材、電線類共同溝用鉄蓋など |
【5801】古河電気工業 | 地中埋設用ケーブル保護管の販売 |
【5802】住友電気工業 | 電線最大手 |
【5805】昭和電線ホールディングス | 電線線材、電力システム、巻線事業など展開 |
【5807】東京特殊電線 | 電線開発、情報・通信ケーブル、電子部品など扱う |
★注目ポイント3 |
電線地中化関連銘柄は東証一部の大型株が多いなか、大盛工業やゼニス羽田など中小型の低位株は短期目線でリターンを狙いやすい。 |
4.おすすめの電線地中化関連銘柄3選
おすすめの電線地中化関連銘柄を見ていきましょう。
【5262】日本ヒューム
市場 | 東証一部 |
企業概要 | ヒューム管などのコンクリート製品を手掛ける |
日本ヒュームは、イトーヨーギョー・ベルテクスコーポレーションと同じくコンクリート製品を手掛けており、台風15号後に買われています。
同社が手掛けるヒューム管は、上下水道に主に使われていますが、地中に電線等のケーブルを通すための管としても利用されます。
安全な東証一部の銘柄であるため、長期投資におすすめの電線地中化関連銘柄です。
【1721】コムシスホールディングス
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 電気通信工事最大手。5G基地局の整備で注目。 |
電線地中化が本格化するとなると、コムシスホールディングスを始めとする電気通信工事を手掛ける銘柄にも注目が集まると考えられます。
また電気通信工事を手掛ける銘柄は、次世代通信規格5G基地局の整備でも好業績が期待されることから買い安心感があります。
業界首位のコムシスホールディングスはもちろん、業界2位の【1951】協和エクシオなども抑えておきましょう。
【5803】フジクラ
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 電線御三家の一角。光融着接続機やフレキシブルプリント基板などは世界トップクラス |
電線地中化となると、電線を手掛けている銘柄も抑えておく必要があります。
電線3強の一角であるフジクラは500円未満の低位株であるため、個人投資家にも買いやすくおすすめです。電線3強であるフジクラ、【5802】住友電気工業、【5801】古河電気工業は必ず抑えておきましょう。
4.まとめ
2018年1月14日の報道により再燃の兆しが見えた電線地中化関連銘柄、今後の動向には国民の多くが注目しています。
さらに台風の影響による停電で注目度は増しました。
国策としていよいよ動き出した巨大プロジェクトは、息の長いテーマにもなっているので、電線地中化関連銘柄を投資対象に検討してみてはいかがでしょうか。
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