親子上場関連銘柄は東証ガバナンス改革で加速!子会社のTOB後の値動きを押さえておこう。

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東証は、世界に開かれた市場を目指すガバナンス改革の一環として、親子上場解消の動きを加速させています。

2023年12月には、【9749】富士ソフトが上場子会社4社のTOBを発表し、【2412】ベネフィット・ワンを巡ってエムスリーと第一生命でTOB争奪戦となるなど、親子上場解消ラッシュとなりました。

親子上場解消のTOBが発表されると、子会社の株価がTOB価格までストップ高となり張り付くため、親子上場関連銘柄としては、今後親会社にTOBされる可能性がある子会社を要チェックです。

親子上場関連銘柄に注目していきましょう!

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1.親子上場関連銘柄とは?

東証では、ガバナンス改革の一環として親子上場を解消する動きが広がっており、親子上場関連銘柄にも注目が集まります。

1-1.親子上場とは?

親子上場とは
親会社と子会社が、ともに株式を上場していることです。

例えば、【9984】ソフトバンクグループは、携帯キャリアの【9434】ソフトバンク(孫会社)や、Yahoo!やLINE、PayPayなどの事業を行う【4689】LINEヤフー(曾孫会社)を中心に、9社が親子上場の関係です。

【8267】イオンも親子上場が多く、ドラッグストア大手の【3141】ウエルシアホールディングス、100円ショップ大手の【2698】キャンドゥなど、16社が親子上場となっています。

ソフトバンクグループやイオンに限らず、日本で親子上場をする企業が多い理由としては、子会社の知名度が上がる、求人や資金調達をしやすくなるなど、メリットが多いためです。

ただ、親子上場は、子会社の配当金が親会社以外の株主に流出してグループ全体の収益力の低下につながる、子会社が迅速な意思決定ができなくなるなど、デメリットも少なくありません。

特に、親会社の株主と子会社の株主の利益が相反した場合のガバナンスが問題となっており、この点で訴訟リスクがあるため欧米では親子上場はありません。

東証は、ガバナンス改革の一環として親子上場の解消を進めており、親子上場解消のためのTOB(株式公開買い付け)を行う企業も増加しています。

2023年12月には、【9749】富士ソフトが上場子会社4社(【4312】サイバネットシステム、【3852】サイバーコム、【3784】ヴィンクス、【6188】富士ソフトサービスビューロ)を完全子会社化するためのTOBを発表するなど、「親子上場解消ラッシュ」となっています。

1-2.親子上場がTOBで解消されると子会社の株価はTOB価格まで張り付く

親子上場関連銘柄へのテーマ株投資をする上では、親子上場解消が発表された際の株価動向について押さえておきましょう。

親子上場を解消する際には、親会社が子会社の株式をTOB(株式公開買い付け)によって買取り、完全子会社化することが多くなっています。

親会社によるTOB価格は、子会社の現在株価よりも高く設定されるため、TOBが発表されると、子会社の株価はTOB価格まで急上昇していき、上場廃止までTOB価格に張り付く形となります。

TOBが成立して、子会社の上場廃止が決まると「監理銘柄」に指定され、その後に上場廃止となります(「整理銘柄」とは違って、1ヶ月後に必ず上場廃止となるわけではありません)。

子会社のTOBが決まると、子会社の株価はストップ高となって、TOB価格に張り付くまで上昇するという動きを押さえておきましょう。

つまり、親子上場関連銘柄で注目すべきは、親子上場解消のためにTOBされる可能性がある子会社となります。

親子上場解消で親会社の株価が上がるケースもありますが、TOB価格までストップ高で張り付く子会社の株価に比べるとインパクトは大きくありません。

★注目ポイント1

・親子上場とは、親会社と子会社が株式上場していること。【9984】ソフトバンクグループと【9434】ソフトバンク・【4689】LINEヤフー、【8267】イオンと【3141】ウエルシアホールディングスなど。
・東証はガバナンス改革の一環として親子上場解消の動きを強めており、親子上場解消する上場企業は年々増加している。
・親子上場がTOBで解消されると、子会社の株価はTOB価格までストップ高となり、TOB価格に張り付く。

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2.親子上場関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄

 

2023年12月には親子上場解消のTOBが相次ぎましたが、どのような値動きになったのかを見ていきましょう。

2-1.富士ソフトが子会社4社のTOBを発表!【4312】サイバネットシステムなど

2023年11月8日には、【9749】富士ソフトが上場子会社4社(【4312】サイバネットシステム、【3852】サイバーコム、【3784】ヴィンクス、【6188】富士ソフトサービスビューロ)を、TOBによって完全子会社化し、親子上場を解消すると発表しました。

この発表を受けて、子会社4社の株価は次のようになっています。
・【4312】サイバネットシステム:797円→1,092円
・【3852】サイバーコム:1,094円→2,014円
・【3784】ヴィンクス:1,219円→1,903円
・【6188】富士ソフトサービスビューロ:418円→613円
※株価は2023年11月7日終値→2023年12月18日終値

いずれの銘柄も、3日連続ストップ高となり、TOB価格に張り付いた形となっています。

親子上場解消のためのTOBが発表されると、子会社の株価はストップ高でTOB価格まで張り付いてしまうため、発表後には手の出しようがありません。

2-2.エムスリーと第一生命HDでTOB争奪戦!【2412】ベネフィット・ワン

パソナグループ系の福利厚生代行サービス会社【2412】ベネフィット・ワンは、2023年11月からエムスリーと第一生命ホールディングスによるTOB争奪戦で話題となっています。

【2412】ベネフィット・ワンの時価総額は、親会社の【2168】パソナグループより大きく、親子逆転状態にありました。

2023年11月14日、パソナグループは、1株1,600円で【2413】エムスリーにTOBを通じて売却することを発表。

これを受けて、ベネフィット・ワンの株価は1,143円から、TOB価格1,600円に向けて上昇となりました。

しかし、12月7日には、第一生命ホールディングスが、1株1,800円での対抗TOBを発表。

これを受けて、ベネフィット・ワンの株価は1,800円を超えて、12月18日時点では2,009円まで上昇しています。

投資家は、TOB争奪戦が激化して、さらなる高値でのTOBになるものと踏んでいるものと見られます。

★注目ポイント1

・親子上場解消のためのTOBが発表されると、子会社の株価はTOB価格まで上昇する。
・親子上場解消の動きは加速しているため、今後も親子上場の関係にある子会社に注目しておこう。

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3.親子上場関連銘柄リスト

銘柄主なサービス
【2148】アイティメディア【9984】ソフトバンクグループの孫会社
【2412】ベネフィット・ワン【2168】パソナグループの子会社、【2413】エムスリーと【8750】第一生命HDでTOB争奪戦
【2651】ローソン【8058】三菱商事の子会社
【2698】キャンドゥ【8267】イオンの子会社
【3769】GMOペイメントゲートウェイ【9449】GMOインターネットグループの子会社
【4091】日本酸素ホールディングス【4188】三菱ケミカルグループの子会社
【4215】タキロンシーアイ【8001】伊藤忠商事の子会社
【4326】インテージホールディングス【9432】NTTの孫会社
【4816】東映アニメーション【9605】東映の子会社
【6185】SMN【6185】ソニーグループの曾孫会社

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4.オススメの親子上場関連銘柄3選!

親子上場解消でTOBになる可能性がある、オススメの親子上場関連銘柄を見ていきましょう。

【2698】キャンドゥ

市場東証スタンダード市場
企業概要イオン系列の100円ショップ大手。

キャンドゥは、イオン系列の100円均一大手です。

イオンの上場子会社は16社となっており、“イオン”と名の付く6社以外にも、ドラッグストア大手の【3141】ウエルシアホールディングス、コンビニの【9946】ミニストップなどがあります。

【2651】ローソン

市場東証プライム市場
企業概要コンビニ大手「ローソン」や高級スーパー「成城石井」を展開。三菱商事系。

ローソンは、三菱商事傘下のコンビニ大手です。

ファミリーマートが2020年11月12日に伊藤忠商事の完全子会社となったように、三菱商事傘下のローソンがTOBで完全子会社化される可能性も考えられます。

【3769】GMOペイメントゲートウェイ

市場東証プライム市場
企業概要GMO系のカード決済代行会社。

【9449】GMOインターネットグループの子会社も9社が上場しています。

特に、【3769】GMOペイメントゲートウェイは時価総額が親会社の約3倍となっている状況です。GMO系列では、クラウド事業を手掛ける【3788】GMOグローバルサイン・ホールディングス、GMOクリック証券で知られる【7177】GMOフィナンシャルホールディングスなどもあります。

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5.まとめ

親子上場解消のTOBが発表されると、子会社の株価がTOB価格までストップ高となり張り付く動きとなります。

つまり、親子上場関連銘柄としては、親会社にTOBされる可能性がある子会社を要チェックしておきましょう。

子会社が多いソフトバンクグループやイオングループ、GMOインターネットグループに関連する銘柄は一通り押さえておくとよいかもしれません。

かつて日立グループは、親子上場が多い企業として知られていましたが、親子上場解消を徹底し、2022年1月には日立建機の株の過半数を売却し、全ての親子上場を完全に解消しました。

東証が市場方針としてガバナンス改革を掲げている以上は、今後も親子上場解消の動きは加速していくものと見られます。

子会社を中心に、親子上場関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。

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