必読必須の厳選3記事
今回は、基礎知識としてETF(上場投資信託)についてスポットを当て、解説していきます。
ETFは通常の投資信託に比べて手数料が圧倒的に安く、いつでも売買できるなど多くのメリットがあるため、投資初心者にもおすすめと言えます。
また、株式投資をする上で日銀のETF買い入れや金融緩和、出口戦略については必ず抑えておくことが重要です。
そんなETFや日銀の金融緩和について理解していきましょう。
1.ETF(Exchange Traded Funds)とは?
「日銀がETFを買い増しした」というようなニュースを聞いたことがあるでしょう。
1-1.ETFとは上場投資信託のこと
日経平均株価やTOPIXのような株価指数に連動する金融商品と理解しておくといいでしょう。
日経平均株価やTOPIXはあくまで株価指数であるため、具体的な銘柄としては存在していません。
つまり、「日経平均がこれから上がる!」と予測したとしても、日経平均という銘柄は存在していない以上、買うことはできません。
それを疑似的に可能にしているのが、日経平均やTOPIXに連動するETF。
ETFと通常の投資信託の違いとしては、ETFは上場しているが、通常の投資信託は非上場である点が挙げられます。
また、ETFの取引手数料は、投資信託の手数料と比べると圧倒的に安いです。
通常の投資信託は1日に1回しか売買できませんが、ETFは何回でも売買ができるなど、ETFは投資信託に比べるとメリットしかないと言えます。
ETFの歴史を紐解くと、1995年の日経300型上場投資信託が始まりだったが、当時は売買がほとんどされず流動性がない不人気の金融商品でした。
1-2.ETFの特徴
ETFの最大の特徴であり利点と言えるのが、個別銘柄の投資では不可能な分散投資を可能にしていることです。
例えば、225銘柄から構成される日経平均と連動するポートフォリオを組むとしたら、日経平均を構成する225銘柄を全て100株ずつ保有しなければいけません。
このポートフォリオを実現するために必要な金額は数十億円規模にのぼります。
機関投資家なら可能ですが、個人投資家にはまず不可能です。
仮に保有できたとしても、225銘柄を管理するには莫大な手間が掛かります。
しかし、日経平均と連動するETFを買えば、それだけで日経平均と連動したポートフォリオを組むことと同じことになります。
例えば【1570】日経平均レバレッジ上場投信なら、200万円程度で買うことができるのです。
またETFには、日経平均やTOPIXに連動するETFだけでなく、マザーズ指数など他の株価指数に連動するETFから、アメリカの株価指数であるダウやS&P500に連動する海外の株価指数ETFもあります。
通貨や商品、不動産投信(REIT)に関するETFまで多くの種類がありますが、基本的には日経平均とTOPIXに連動するETFがあると認識しておくだけで十分でしょう。
もしも他のETFに手を出すときは、そのETFに流動性があるかどうかをしっかりと確認しておくことが大事です。流動性がないと、いざというときに売り逃げできなくなります。
★注目ポイント1 |
ETFとは日経平均やTOPIXなどに連動する上場投資信託で、投資信託と比べて手数料が圧倒的に安いなどメリットが多い。 |
2.日銀はなぜETFを買い入れるのか
次は、株式投資をする上では欠かせない日銀とETFの関係について確認しておきましょう。
2-1.そもそも日銀は何をする組織なのか
株式投資をするにあたって、日銀(日本銀行)の動向や役割は抑えておくべきです。
日銀は、日本銀行法に基づく認可法人であり、日本の中央銀行です。現在の総裁は黒田東彦氏で、2023年4月8日までの任期となっています。
ちなみに、日銀はジャスダックに上場しています(証券コード:8301)
これは、日銀が日本政府から独立した法人である独立性を維持するためのものです。流動性も値動きも全くない銘柄であるため、手を出さないように注意しましょう。
また、日銀の役割は3つあります。学生時代のおさらいになりますが、
1つ目は、日本銀行券(紙幣)の発行・管理を行う「発券銀行」としての役割。
2つ目は、国の資金を管理し、国債の発行や外国為替の決算処理を行う「政府の銀行」としての役割。
3つ目は、市中銀行の資金を管理し、貸し出すなどの「銀行の銀行」としての役割。
2-2.日銀がETFを買い入れる目的とは?
「日銀はどうしてETFを買い入れしているんだろうか?」と疑問に思ったことがあると思います。
日銀は2013年4月から、デフレ脱却のために2%のインフレ目標を設定して、異次元金融緩和を開始しました。
日銀の狙いとしては、ETFを大量に購入することによって市場に多額の資金を流入させて、インフレ目標2%を達成しようというものです。
2013年4月時点では年間1兆円だったETF買い入れ額は、2014年10月には年間3兆円となり、2016年7月には年間6兆円にまで拡大。
日銀が異次元金融緩和を始めてからの5年間で株価は大きく上昇しました。だが、日銀が目標としている2%のインフレ目標は未だに達成できていないのが現状です。
2-3.現在の買い入れ状況
日銀の直近3ヶ月のETF買い入れ状況を表で見ていきましょう。
2018年10月 | 2018年11月 | 2018年12月 | |
ETF | 8,436億円 | 4,921億円 | 7,733億円 |
設備支援ETF | 264億円 | 252億円 | 228億円 |
J-REIT | 36億円 | 12億円 | 72億円 |
日銀が2018年に買い入れしたETFの総額は6兆2,100億円となっている。
日銀のETF買い入れについて更に詳しく知りたい場合は、日銀がETF及びREITの買い入れ状況を公表しているページを参照下さい。
★注目ポイント2 |
日銀は2%のインフレ目標を達成するためにETFを買い入れし続けていますがインフレ目標は達成できていない。2018年6月時点で日銀はETFを20兆円以上保有している。 |
3.ETF買い入れと同時によく聞く「出口戦略」とは?
では、今度は日銀の金融緩和の出口戦略について説明していきます。
3-1.「出口戦略」とは金融緩和政策の終わらせ方
経済ニュースなどでもよく聞く出口戦略とは、金融緩和政策の終わらせ方のことを意味します。
経済学的には、金融緩和政策は1990年代前半のバブル崩壊や2000年代後半のリーマンショックのように景気(需要)が落ち込んだ際に行うのが一般的です。
経済学の用語を使うと、金融緩和政策は、不況期の不況ギャップ(需給ギャップ)を埋めるために、利子率を引き下げて総需要を増やす目的で実施されます。
日銀が行っているデフレから脱却するための金融緩和政策というのは、経済学的には邪道であるとも言えます。
既に金融緩和をしている日本は、もしもリーマンショックのような経済危機が起きたら、景気対策の金融緩和ができないという非常にリスクのある状況に置かれているのです。
いつまでも異次元金融緩和を続けているわけにはいきませんが、2013年から異次元緩和でETFを買い増し続けている日銀が保有しているETFは、2018年6月時点で20兆円を突破しており、更に増額し続けています。
国債の場合は償還時期を待てばいいのですが、ETFは通常の株と同じように売り抜ける必要があります。
日銀が金融緩和を終わらせる出口戦略を始めるとなると、20兆円以上にも及ぶ売り玉が株式市場に降り注ぐことになるということ。
現時点では、黒田総裁の口からは出口戦略についてはほとんど語られていませんが、いずれは出口戦略に直面することになるはずです。
3-2.出口戦略の問題
ここまで金融緩和が長引いてしまい、20兆円以上ものETFを日銀が保有することになったのは、いつまで経ってもインフレ目標2%が達成できずにズルズルと延期し続けてきたことが原因です。
仮に、現時点から20兆円分のETFを年2兆円ずつ市場で売り抜けていくことにしても、出口戦略が完了するまで10年は掛かる計算になります。
日本経済は2020年東京オリンピックまでは好景気が続くものと考えられますが、オリンピック後の好景気の終わりに出口戦略が重なることは何としてでも避けたいものです。
ただ、政府・日銀は2020東京オリンピックまでの好景気に水を差したくないと思われますので、少なくとも2020年までは出口戦略はないと思われます。
2019年10月には消費税増税も控えていることからも、少なくともオリンピックが終わる2020年8月までは、政府としては出口戦略はできないでしょう。
だが、東京オリンピック後に、少なくともあと3年以内には発表しなければいけないであろう出口戦略は、日本の株式市場や日本経済に甚大な影響を与えることは避けては通れないでしょう。
3-3.金融政策会合には注目しておくべき
日銀の金融政策の運営について審議・決定される金融政策会合は必ずチェックおくことを推奨します。
金融政策会合は、年8回・2日間開催される。詳しい開催日程は、日銀のサイトを参照。
日銀の金融政策会合は昼休み中に終わることが多く、ここで決定されたことは株式市場にも大きな影響を与える場合があります。
例えば、2016年1月29日にはマイナス金利が決定されて銀行株が軒並み暴落しました。
2014年10月31日には追加の金融緩和が発表され多くの銘柄が暴騰(「ハロウィン緩和」と呼ばれています)。
金融政策会合では、毎回株式市場に大きな影響を与える決定がされるわけではありませんが、必ずチェックしておくことを推奨します。
★注目ポイント3 |
出口戦略では日銀が保有するETFが株式市場に多大な影響を与えることは避けられない。ただ、出口戦略は少なくとも2020年の東京オリンピックまではないものと考えられます。 |
まとめ
今回はETFについてまとめて見ましたが、ETFには、投資信託などと比べ手数料が安いなどメリットがあります。
上場企業は3,500以上ありますが、それら企業のことを詳しくなくても投資ができるのも、投資初心者にはおすすめと言えます。
また、日銀のETF買い入れや出口戦略の問題は引き続き注視すべきで、特に、2020年の東京オリンピック以降の動向はチェックです。
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