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世界的な脱炭素の動きを背景に、日本ガイシが開発した「NAS電池」が注目を集めるかもしれません。
脱炭素では再生可能エネルギーの積極推進が進む一方で、資源価格の高騰を背景にした電気料金上昇が進んでいます。
NAS電池は、電気料金の低減と再生可能エネルギーの安定化において活用が期待されていることから、脱炭素株の一角としてNAS電池関連銘柄が注目される可能性があります。
NAS電池関連銘柄に注目していきましょう!
1.NAS電池関連銘柄とは?
日本ガイシが開発したNAS電池が、脱炭素による再エネ促進や電力価格高騰を背景に注目を集めるかもしれません。
1-1.NAS電池とは?
そもそも「NAS電池」は日本ガイシの登録商標であり、「ナトリウム(NA)・硫黄(S)電池」のことです。
NAS電池は、負極にナトリウム(Na)、正極に硫黄(S)、両電極を隔てる電解質にファインセラミックスを用いて、硫黄とナトリウムイオンの化学反応で充放電を繰り返す構造となっています。
NAS電池は、大容量・高エネルギー密度・長寿命を特徴とし、鉛蓄電池の約3分の1のコンパクトサイズで、長期に渡って安定した電力供給が可能であることがメリットです。
NAS電池は、電力負荷平準によるピークカット、非常用電源システム、再生可能エネルギーの安定化といった用途で使われることが期待されています。
NAS電池を導入することによって、ピークカット(最も使用電力の多いピーク時の使用電力を削減し、電力の使用量そのものを低減させること)が可能となることから、電気料金の低減に繋がります。
また、太陽光や風力発電といった再生可能エネルギーは、気候条件によって発電量が左右されることが課題となっていますが、出力の変動をNAS電池の充放電で吸収させることによって、電力供給を安定化させる効果が期待できます。
1-2.NAS電池は脱炭素を背景とした再エネ促進・電力価格高で注目される!?
NAS電池は、電気料金の低減と再生可能エネルギーの安定化という2つのポイントにおいて、マーケットで注目される可能性があります。
2020年秋には、世界的な脱炭素(カーボンニュートラル)の動きが強まり、EVシフトや再生可能エネルギーの活用などが、マーケットで一大トレンドとなりました。
2021年にも世界的な脱炭素の流れは強まっており、12月14日には、トヨタ自動車が2030年までにEV販売台数を350万台まで引き上げるという産業界に激震を与えるニュースを発表。
ただ脱炭素が進む一方で、石油や石炭、LNG(液化天然ガス)といった化石燃料価格の上昇が止まりません。
脱炭素によって、石油資源への投資が弱まり供給不足になると予測されていることが背景にあり、脱炭素のコストは決して安くないという事実が明らかになりつつあります。
資源高を背景に電気料金も上昇しており、2022年1月の電気・ガス料金は5ヶ月連続の値上げです。
原発が止まっている日本では、LNG・石炭による火力発電比率が高いため資源高=電気・ガス料金高に繋がることは仕方ありません。
NAS電池関連銘柄は、マーケットではまだ注目されていないテーマ株ですが、脱炭素を背景とした再エネ促進や電力価格高が続けば、注目されるようになるかもしれません。
★注目ポイント1 |
・NAS電池は、日本ガイシが世界に先駆けて実用化した電力貯蔵システム。 ・NAS電池は、電気料金の低減と再生可能エネルギーの安定化において注目される。 ・脱炭素を背景に再エネ促進と電力価格上昇が進んでおり、NAS電池関連銘柄が注目される可能性がある。 |
2.NAS電池関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2021年のNAS電池関連銘柄の株価動向を見ていきましょう。
2-1.NAS電池関連銘柄の本命株!【5333】日本ガイシ
セラミックスメーカー大手の【5333】日本ガイシは、NAS電池を開発したことで知られる、NAS電池関連銘柄の本丸とも言える銘柄です。
日本ガイシは日経平均(日経225)構成銘柄であり、ガラス・土石セクターにおいては主力銘柄となっています。
また、同社の配当利回りは3%を超える高配当銘柄です。
ただ、日本ガイシの株価は、長期的には下落傾向にあり、2015年6月に付けていた3,345円から、2020年3月コロナショック時には1,168円まで下落しています。
2021年は1月初めに1,611円を付けていましたが、3月23日には2,153円まで上昇。以降は横ばいとなっており、2021年12月時点では1,950円前後で推移しています。
日本ガイシの株価からすると、少なくとも2021年にはNAS電池関連銘柄はマーケットで注目されたとは言えません。
2-2.NAS電池を共同開発!【9501】東京電力ホールディングス
電力最大手の【9501】東京電力ホールディングスは、日本ガイシと共同でNAS電池を開発したことから、NAS電池関連銘柄の本命銘柄となります。
東電の株価は、2020年3月のコロナショック以降も下げ止まらず、2020年12月には一時261円まで下落しました。
2021年1月初めには275円を付けていましたが、原発再稼働が期待されたこともあり、1月29日には444円まで上昇。
ただ2021年2月以降は下落し続けており、12月時点では300円前後まで値を落としています。
特に石炭やLNGなどの化石燃料価格の高騰は電力会社にとっては逆風となることから、売りが続いている状況です。
福島第一原発事故から10年、東電の株価は厳しい状況から抜け出せないままです。
★注目ポイント2 |
・NAS電池関連銘柄と言えるのは【5333】日本ガイシと【9501】東京電力ホールディングスの2銘柄。ただ、いずれも2021年に大きく買われているとは言えない。 |
3.NAS電池関連銘柄リスト
リチウムイオン電池関連銘柄は、正極材、負極材、セパレータ、導電助剤などの材料の製造・開発メーカー、リチウムイオン電池会社に出資した会社など多岐に渡ります。
銘柄 | 主なサービス |
【5333】日本ガイシ:NAS電池を開発 | |
【9501】東京電力ホールディングス | 日本ガイシと共同でNAS電池を開発 |
【3433】トーカロ | NAS電池の単電池ケースで表面改質技術が使われる |
【6674】ジーエス・ユアサ コーポレーション | 蓄電池メーカー大手 |
【6752】パナソニック | リチウムイオン電池で世界的 |
【6996】ニチコン | 家庭用蓄電システム |
【6937】古河電池 | 蓄電池メーカー |
【6955】FDK | 電池メーカー |
【9519】レノバ | 再生可能エネルギー企業 |
【1407】ウエストホールディングス | 太陽光発電関連銘柄 |
4.オススメのNAS電池関連銘柄3選!
脱炭素を背景に注目される可能性があるNAS電池関連銘柄を見ていきましょう。
【5333】日本ガイシ
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 電力用碍子(がいし)・セラミックスを主力とする。 |
日本ガイシは、NAS電池を開発した、NAS電池関連銘柄の本命銘柄です。
株価は直近5年間で下落したものの、2020年3月のコロナショックで底を打っています。
配当利回り3%を超える高配当銘柄でもあるため、NAS電池関連銘柄であることを抜きにしても、長期投資に悪くない銘柄です。
【9501】東京電力ホールディングス
市場 | 東証ジャスダック |
企業概要 | 首都圏を中心とする電力会社。福島原発事故の賠償・廃炉負担が重い。 |
東京電力ホールディングスは、日本ガイシと共同でNAS電池を研究開発したことから、NAS電池関連銘柄の本命銘柄となります。
福島第一原発事故からの10年間は、投機による乱高下が繰り返されてきました。
NAS電池よりも、脱炭素による電気料金値上げによって、原発再稼働の動きが高まるかどうかに注目が集まります。
【6996】ニチコン
市場 | 東証ジャスダック |
企業概要 | アルミ電解コンデンサ大手。EVや家庭用蓄電システムに注力。 |
NAS電池に関わるテーマとしては、蓄電池があります。
世界的コンデンサメーカーのニチコンは、EV(電気自動車)を家庭用蓄電池として使えるようにする「EVパワーステーション」など蓄電池に注力していることで知られており、EV関連でも注目される銘柄となっています。
5.まとめ
NAS電池関連銘柄としては、【5333】日本ガイシと【9501】東京電力ホールディングスの2銘柄が挙げられますが、両銘柄とも2021年に大きく買われているとは言えません。
NAS電池関連銘柄は、マーケットではまだ大きく注目されるテーマ株にはなっていませんが、脱炭素を背景とした再エネ促進・電力価格高で注目される可能性は十分あります。
また、原発廃炉負担が重い東電はともかく、【5333】日本ガイシは高配当銘柄でもあり、ガラス・土石セクターの主力銘柄として長期投資することも悪くありません。
NAS電池に関するニュースにはアンテナを張っておき、NAS電池関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
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