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全固体電池は、EV(電気自動車)で出遅れている日本の自動車会社の切り札として、世界中の投資家から注目されています。
トヨタ自動車は、2030年までにEVの世界販売台数を350万台とするとともに、EV向けの全固体電池を2027年までに実用化する方針です。
全固体電池関連銘柄は、トヨタの全固体電池ニュースを受けて急騰する傾向がありますが、2024年には特に大きな動きはありませんでした。
全固体電池関連銘柄に注目していきましょう!
1.全固体電池関連銘柄とは?
トヨタをはじめとする日本車のEV戦略の切り札として、全固体電池への期待はより高まっています。
1-1.全固体電池とは?
現行のリチウムイオン電池は、「正極板」と「負極板」の間に、ショート防止のための「セパレーター」があり、全体に「電解液」が充填された構造が一般的です。
全固体電池は、電解液の代わりに固体電解質を使うため、液漏れの心配がなく、セパレーターが不要となります。
全固体電池では、電解液では使えなかった高性能電極材料を使えるようになるため、大容量かつ高出力が実現でき、高耐熱や高速充電、長寿命化、低コスト化などもメリットです。
特に、全固体電池は、現行のEV(電気自動車)の弱点である、航続距離の短さや充電時間の長さを解決できると期待されています。
日本車は世界の自動車市場で強いものの、EVでは出遅れています。
経済産業省によると、2023年の企業別のEVシェアは中国系が43%、米国系が29%、欧州系が19%の一方で、日系は3%です。
日本の自動車会社は、テスラモーターズやBYDといった世界的EV企業に比べて遅れているものの、トヨタは全固体電池の特許数で世界トップを誇ります。
全固体電池関連銘柄は、東証で長らく注目されているテーマ株となっており、全固体電池の材料を手掛ける銘柄を中心に、EV関連の文脈で連想される展開が大半です。
ただ、全固体電池は未完成の技術であるため、中小株については期待感先行で急騰・暴落しやすいテーマ株であることには注意しておきましょう。
1-2.全固体電池関連銘柄は2025年以降のトヨタの動向に注目!
全固体電池は、トヨタ自動車の動向に注目が集まります。
トヨタは2021年末に、2030年までにEVの世界販売台数を350万台にする目標を発表しました。
2023年6月には、EV向けの全固体電池を2027年までに実用化する方針を明らかにしました。
トヨタの全固体電池は、10分以下でフル充電でき、航続距離は従来のEVの約2倍となる1,000キロ程度を目指しているとのことです。
トヨタの全固体電池でカギを握るのは、固体電解質が開発できるかどうかです。
2024年には、トヨタは全固体電池に関して、特に目新しい情報は発表していません。
トヨタ以外の自動車会社も全固体電池の開発を進めています。
日産自動車は2024年4月、横浜工場に敷設するパイロットラインを公開しました。
ホンダは2024年11月、全固体電池の量産化に向けて独自に研究開発を進めているパイロットラインを初公開しました。
ただ、2024年には全固体電池に関する大きな情報は特になく、全固体電池関連銘柄は盛り上がりに欠けたと言わざるを得ません。
全固体電池への投資家の期待は高いため、2025年以降、全固体電池のニュースに注目しておきましょう。
★注目ポイント |
・全固体電池は、EV(電気自動車)のバッテリーとしても注目される次世代電池。 ・全固体電池関連銘柄は、材料メーカーを中心に注目されるテーマ株となっているが、期待感先行のテーマ株であることには注意が必要。 ・2024年には、全固体電池に関する大きなニュースはなく、全固体電池関連銘柄は盛り上がりに欠けた。2025年以降は、トヨタの動向に引き続き注目! |
2.全固体電池関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2024年の全固体電池関連銘柄の動向を見ていきましょう。
2-1.全固体電池の動向を握る!【7203】トヨタ自動車
まずは、全固体電池の動向を握る【7203】トヨタ自動車の2024年の株価動向を見ていきましょう。
トヨタの株価は、2024年1月初値は2,605円を付けており、3月27日には3,891円まで上昇して、上場来高値を更新しました。
ただ、その後は下落となり、日銀利上げの急激な円高による8月の日本株暴落の際には、一時2,183円まで下落。

2024年12月12日終値時点でも2,718.5円となっており、2024年高値から見ると-30%程度下げたままです。
とはいえ、2024年始値よりは高く、2023年以前から投資している投資家は全員が利益になっている水準ではあります。
トヨタは全固体電池に関する大きな発表は特にしておらず、2024年の全固体電池関連銘柄は無風状態だったと言えます。
2-2.全固体電池ベンチャーに出資!【7220】武蔵精密工業
2024年には、全固体電池関連銘柄で上昇している銘柄は特に見当たらない1年となりました。
唯一、全固体電池関連銘柄の中で大きく上げたと言える銘柄が、【7220】武蔵精密工業です。
武蔵精密工業は、シャフトやギアを主力に手掛けるホンダ系の4輪・2輪部品メーカーです。
同社は、電池ではなくシャフトやギアを手掛けている自動車部品企業のため、直接的には全固体電池を手掛けていません。

ただ、同社は、米国シリコンバレーのベンチャー企業で、独自の3Dプリント技術を活用した全固体電池の開発を手掛けるKeraCel社に出資していることから、全固体電池関連銘柄に位置付けられます。
武蔵精密工業の株価は、2024年1月には1,501円を付けていました。
11月7日発表の決算が下方修正となったものの急伸し、12月5日には4,355円まで上昇しました。
年間上昇率2.90倍となっており、全固体電池関連銘柄の中では最も高くなっています。
ただ、全固体電池を材料にした上昇とは言えません。
2023年6月に、トヨタが2027年までに全固体電池を実用化する方針を発表した際には、トヨタを含めた全固体電池関連銘柄はほぼ全面高となりましたが、2024年にはこのようなニュースはありませんでした。
★注目ポイント |
2024年は、全固体電池に関する大きなニュースはなく、全固体電池関連銘柄は無風状態だった。 |
3.全固体電池関連銘柄リスト

銘柄 | 主なサービス |
【7203】トヨタ自動車 | 全固体電池の特許数世界トップ、2027年までにEV向け全固体電池の実用化を目指す |
【7267】ホンダ | 全固体電池に力を入れる大手自動車メーカー |
【6752】パナソニック ホールディングス | 全固体電池の特許数世界2位 |
【6981】村田製作所 | 全固体電池の特許数世界5位 |
【5218】オハラ | 酸化物系の固体電解質材料 |
【5706】三井金属鉱業 | 全固体電池向けの固体電解質 |
【6292】カワタ | 全固体電池の量産化でNEDOから評価 |
【6584】三櫻工業 | 米国の全固体電池企業ソリッド・パワー社に出資 |
【6674】ジーエス・ユアサ コーポレーション | 全固体電池の開発 |
【6810】マクセル | 硫化物系全固体電池、硫化物系コイン型全固体電池 |
【6955】FDK | SMD対応小型全固体電池「SoLiCell」 |
【7004】日立造船 | 宇宙分野向けに全固体電池を開発 |
4.オススメの全固体電池関連銘柄3選!

EV関連株としても注目・オススメの全固体電池関連銘柄を押さえておきましょう。
【7203】トヨタ自動車
市場 | 東証プライム市場 |
企業概要 | 世界的自動車企業。全固体電池などのEV戦略に注目が集まる。 |
トヨタ自動車は、全固体電池のカギを握る全固体電池関連銘柄の最有力銘柄です。
トヨタ株に投資しなくても、全固体電池関連銘柄の動向を探る上では必ずチェックしておきましょう。
2024年は高値からの下落が目立ちましたが、それでも2023年以前の全ての年よりも高い株価水準となっています。
全固体電池関連銘柄であることを抜きにしても、日本株を代表する銘柄として長期投資におすすめです。
配当利回りも3.31%(2024年12月12日終値時点)の高配当銘柄です。
【6981】村田製作所
市場 | 東証プライム市場 |
企業概要 | 積層セラミックコンデンサなどに強い電子部品最大手。 |
トヨタに次ぐ全固体電池関連銘柄としては、自動車メーカーでは【7267】ホンダ、部品メーカーでは全固体電池の特許数で強い村田製作所や【6752】パナソニック ホールディングスが挙げられます。
ただ、いずれの銘柄も、トヨタに比べると全固体電池への影響力は格段に落ちます。
【6292】カワタ
市場 | 東証スタンダード市場 |
企業概要 | プラスチック成型機向け周辺機器を手掛ける。 |
カワタや【6584】三櫻工業、【5218】オハラといった中小株の全固体電池関連銘柄は、全固体電池のニュースを受けて投機的に物色される傾向があります。
カワタは、2023年6月に、トヨタが2027年までに全固体電池を実用化する方針を発表したことを受けて、1ヶ月で30%以上の上昇となりました。
ただ、これらの銘柄は、期待感先行で急騰し、暴落もしやすいため注意しておきましょう。
5.まとめ
2024年には、全固体電池に関する大きなニュースはなく、全固体電池関連銘柄に大きな動きはありませんでした。
全固体電池の開発は、世界の自動車産業にも大きな影響を与えるため、世界中の投資家が注目している自動車関連トピックの一つとなっています。
特に、トヨタ自動車のEV戦略および全固体電池に関するニュースは、全固体電池関連銘柄の動向にも大きく左右します。
2024年には全固体電池に関して大きな動きはありませんでしたが、2025年には全固体電池の大ニュースが発表される可能性は小さくありません。
トヨタの全固体電池開発に関するニュースにはアンテナを張っておき、全固体電池関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
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