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今回は、世界的な航空需要の高まりと二酸化炭素排出抑制の流れを受けて期待されるバイオジェット燃料関連銘柄の過去から現在までの動向と2019年の注目ポイントを見ていきます。
バイオジェット燃料は、マーケットで注目されてもおかしくないテーマですが、2018年時点では大きな資金が流れてきているテーマ株にはなっていません。
2019年以降に注目テーマ株となる可能性もありますので、バイオジェット燃料関連銘柄に注目してみましょう!
1.バイオジェット燃料の過去
世界的な航空需要の高まりの中でバイオジェット燃料に注目が集まっています。
1-1.2018年以前のバイオジェット燃料の動向
バイオジェット燃料は、石油燃料の代替資源として、また二酸化炭素の総排出量を増やさないエコ資源であることから注目を集めています。
海外旅行の需要は世界的に拡大しており、2017年の世界の航空旅客者数は41億人と史上初めて40億人の大台を超えました。
国際航空運送協会(IATA)によると、航空需要は今後もアジアを中心に拡大していき、2037年には世界の航空旅客者数は現在の倍となる82億人に達すると予測されています。
しかし、航空機を運用することで排出される二酸化炭素は少なくなく、地球温暖化対策の観点からも好ましいことではありません。
このため、2016年9月に、国際民間航空機関(ICAO)は2020年以降に二酸化炭素の排出量を増加させない規制を設けました。
これらの事情を背景に、二酸化炭素の増加抑制に大きく寄与するバイオジェット燃料が世界的に注目を集めています。
1-2.過去に急騰したバイオジェット燃料関連銘柄は?
バイオジェット燃料は、まだ登場したばかりのテーマであることから、マーケットではまだ注目されるテーマ株にはなっていません。
日本株で注目されると期待される関連銘柄としては、ミドリムシベンチャーの【2931】ユーグレナが挙げられます。
同社は、ミドリムシを使った健康食品や化粧品の販売の他、近年はバイオジェット燃料の開発に力を入れていることで知られています。
それでは、2016年9月に、ICAO総会で2020年以降に二酸化炭素の排出量を増加させない規制が設けられた際の同社の値動きを見ていきましょう。2016年9月初めには、ユーグレナの株価は1,459円を付けていました。しかし、同ニュースでも全く反応が見られず、9月終わりには1,454円で引けとなりました。
また、ユーグレナの株価は、2018年12月現在は550円前後まで暴落しており、中長期的に見ても、バイオジェット燃料はまだマーケットからの支持は得られていない段階にあると見てとれます。
★注目ポイント1 |
バイオジェット燃料は、世界的な航空需要の高まりと二酸化炭素排出規制の動きから注目が集まる。しかし、マーケットではまだ注目されるテーマにはなっていない。 |
2.バイオジェット燃料の現在
2018年のバイオジェット燃料関連ニュースを見ていきましょう。
2-1.2018年のバイオジェット燃料の動向
2018年は、航空需要が高まるとともに、二酸化炭素排出に対する目がより一層厳しくなった1年だったと言えます。
日本への外国人観光客数が史上初めて3,000万人を突破したことからも明らかであるように、海外旅行需要は世界的に好調な状態です。
また、12月にポーランドで開かれた国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)では、2015年のパリ協定の実施に向けたガイドラインが採択されました。
地球温暖化による気候変動への対策は待ったなしの状態であり、二酸化炭素排出規制は今後より厳しくなることが予想されます。
バイオジェット燃料の潜在的な需要は高まっており、日本でも主要企業がバイオジェット燃料の実用化のための研究・開発を本格化しています。
2-2.バイオジェット燃料に力を入れている企業をピックアップ!
バイオジェット燃料に力を入れている企業を見ていきましょう。
【7011】三菱重工業と【6501】日立製作所の火力発電事業統合会社である三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、2018年12月3日に、木質系バイオマスを原料とするバイオジェット燃料を合成する実証設備の建設を発表しました。
MHPSは、【9502】中部電力、【6330】東洋エンジニアリング、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、中部電力・新名古屋火力発電所構内に同施設を建設する予定です。
同施設では2019年度中に試運転が開始され、1日20リットルのバイオジェット燃料を製造する計画となっています。
一方、上記のニュースが流れた同日には、【7013】IHIが【5002】昭和シェル石油と共同で、藻類由来のバイオジェット燃料の供給体制構築を目的とした検討を開始したことを発表しています。
IHIは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業のもと、神戸大学と共同で高速増殖型ボツリオコッカスを活用した純バイオジェット燃料の生産プロセス開発も進めています。
IHIは今後、両プロジェクトを連携させて、バイオジェット燃料の本格的な供給体制を進めていくものと見られています。
★注目ポイント2 |
2018年は、世界的な航空需要が更に高まった一方、COP24で二酸化炭素排出抑制に向けたガイドラインが採択されるなど、バイオジェット燃料の潜在的な需要がより高まった1年になった。 |
3.バイオジェット燃料の未来
2019年以降のバイオジェット燃料の注目ポイントを抑えておきましょう。
3-1.2019年のバイオジェット燃料関連銘柄注目ポイント!
2018年12月には、COP24で二酸化炭素排出抑制に向けたガイドラインが採択され、またMHPSやIHIがバイオジェット燃料に関する発表をリリースしました。
しかし、これらのバイオジェット燃料に関するニュースが次々と発表されても、株価には全く寄与しないどころか、世界株安の影響で関連銘柄は下げ続けているというのが、2018年時点でのバイオジェット燃料関連銘柄の現実です。
バイオジェット燃料の潜在的な需要は確かなものであり、有力企業の開発環境も整ってきていることから、あとはマーケットで投資家から注目を集められるテーマになるかどうかだと言えます。
バイオジェット燃料が2019年に投資家から注目されるテーマになるためには、バイオジェット燃料に投資家の関心が集まるような大きなニュースが欲しい所です。
3-2.注目のバイオジェット燃料銘柄
注目しておきたいバイオジェット燃料関連銘柄チェック。
銘柄 | 株価 | 主なサービス |
【2931】ユーグレナ | 560円 | ミドリムシを使ったバイオジェット燃料 |
【5002】昭和シェル石油 | 1,439円 | IHIと共同で藻類由来のバイオジェット燃料開発 |
【7011】三菱重工業 | 3,877円 | 木質系バイオマスを使ったバイオジェット燃料(三菱日立パワーシステムズ(MHPS)) |
【7013】IHI | 2,949円 | 藻類由来のバイオジェット燃料 |
【9502】中部電力 | 1,527円 | 火力発電所内にバイオジェット燃料合成施設建設 |
※株価は2018年12月26日終値で算出
★注目ポイント3 |
2019年には、バイオジェット燃料関連銘柄がマーケットで注目を集めるような大きなニュースに期待。 |
4.まとめ
バイオジェット燃料は、世界的な航空需要の高まりと二酸化炭素排出規制の流れから注目が集まりますが、マーケットではまだ大きな注目を集めるには至っていません。
世界的な航空需要の高まりを背景に、インバウンド関連銘柄や空港関連銘柄が大きな上昇を遂げていることからも、バイオジェット燃料関連銘柄が人気テーマ株となっても不思議ではありません。
潜在的な需要は大きいと見られていることから、2019年には投資家の注目を集めるような大きなニュースが期待されます。
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