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2016年6月に国土交通省が車載用電子ミラーを認可し、2018年9月にはトヨタが世界初の量産型ミラーレス車の販売を発表するなど、電子ミラーが大きな注目を集めています。
電子ミラーは、死角をなくし、夜間の暗所も見えやすいなど、従来のミラーと比べると安全性が大幅に強化されており、今後高級車を中心に普及していくものと見られています。
今回は、そんな電子ミラー関連銘柄に注目していきましょう!
1.電子ミラー関連銘柄に期待
新型レクサスに搭載されたことでも大きな話題を呼んでいる電子ミラーに関する銘柄に注目していきます。
1-1.電子ミラーとは?
電子ミラーは、特に自動車分野で大きな注目を集めており、自動車分野での電子ミラーは「カメラモニタリングシステム」と呼ばれます。また、電子ミラーを搭載した車は「ミラーレス車」と呼ばれます。
自動車の運転では、後方の確認をバックミラーとサイドミラーで行いますが、ミラーレス車ではいずれも電子ミラーで代替されています。
現在、電子ミラーが注目されているのは、2016年6月に国土交通省が国内で生産される自動車の保安基準を一部改正して、電子ミラーが認可されたことが大きく影響しています。2018年9月には、トヨタが新型レクサスESに量産車としては世界で初めてデジタルアウターミラーを搭載することを発表し、大きな話題を呼びました。
1-2.ミラーレス車のメリットとデメリットは?
今後の自動車業界で一つのトレンドになることが期待されるミラーレス車ですが、そのメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリットとしては、従来のミラーよりも小さいカメラを搭載することになるため、外観やデザインがすっきりすることが挙げられます。サイドミラーの突起がなくなることにより、事故リスクが軽減する効果も期待されます。
この他にも、従来のミラーと比べて死角が大幅に減り、暗所でも良く見えるなど、従来のミラーと比べると安全面でのメリットが並びます。
一方、ミラーレス車のデメリットとしては、従来のミラーと比べるとコストが高いことが挙げられます。電子ミラーは高級車から普及していき、一般車に普及するにはまだ時間が掛かるものと思われます。
また、従来のバックミラーは鏡に映る景色を見ていましたが、電子ミラーはカメラで撮影された映像をモニター越しに見ているため、慣れない内はドライバーが距離感で戸惑うことが考えられます。
電子ミラーが故障することはほとんどないと考えられますが、電子製品であるため万一にも故障してしまった場合は非常に危険です。
とはいえ、技術開発が進んでいることからこれらのリスクは現状ではほとんどなくなっていると言われており、今後、電子ミラーが一般車にも普及していくカギはコスト面にありそうです。
★注目ポイント1 |
電子ミラーとは、カメラと液晶ディスプレイを使って鏡のような映像を映し出すシステム。電子ミラーが搭載されている車を「ミラーレス車」と呼び、新型レクサスに搭載されたことで大きな話題を呼んだ。 |
2.電子ミラー関連銘柄の推移
電子ミラー関連銘柄の動向を見ていきましょう。
2-1.世界初の量産型ミラーレス車を発表したトヨタ自動車
世界的自動車メーカーの【7203】トヨタ自動車は、電子ミラーやミラーレス車の普及のカギを握っています。
同社は、2018年9月に、新型レクサス「ES」に量産車としては世界初となる電子ミラーを搭載することを発表しています。同社の株価は、2017年10月初めには6,716円を付けており、2018年1月には7,806円まで上昇しましたが、今年に入ってからは横ばい~下落となっており、2018年10月現在は6,500円前後で推移しています。
トヨタの動向は世界のミラーレス車の動向を決めると言っても過言ではありません。株価はともかく、同社のミラーレス車を巡る動向は要チェックしておきましょう。
2-2.車載用電子ミラーに力を入れるパナソニック
総合電機メーカーの【6752】パナソニックは、車載用電子ミラーに力を入れていることでも注目されます。
同社は、スペインの大手自動車部品メーカー「フィコサ・インターナショナル」と共同で車載用電子ルームミラーを開発し、トヨタのミニバンに採用されています。
また、トヨタが発表した世界初のミラーレス車「レクサスES」でも、パナソニック製のカメラとディスプレイが採用されています。同社の株価は、2017年10月には1,630.5円を付けていましたが、この1年は下げ続けており、2018年10月現在は1,250円前後で推移しています。
2-3.自動車用バックミラー最大手の村上開明堂
自動車用バックミラー最大手の【7292】村上開明堂は、これから電子ミラーやミラーレス車が注目されることで関連銘柄として物色されることが期待される銘柄です。
同社は、車載用電子ミラーに力を入れており、2017年12月に、電子ルームミラー「ハイブリッド インナーミラー」が国内自動車メーカーが販売する量産車両への搭載が決まったことを発表しています。同社の株価は、2017年10月には2,770円を付けており、2017年12月には3,595円まで上昇しましたが、今年に入ってからは下げ続けており、2018年10月現在は2,700円前後で推移しています。
電子ミラーは登場したばかりのテーマであるため、マーケットにおいてはまだ大きく注目を集めるテーマにはなっていません。
今後大きく注目される可能性があるテーマであるため、重要な銘柄はしっかりと抑えておきましょう。
★注目ポイント2 |
電子ミラーやミラーレス車はまだ登場したばかりのテーマであるため、投資家から注目されるテーマ株にはなっていない。今後に注目が集まる。 |
3.主要電子ミラー関連銘柄チェックリスト
電子ミラー関連銘柄より厳選した注目株をチェックしておきましょう。
銘柄 | 株価 | 主なサービス |
【6629】テクノホライゾン・ホールディングス(低位株★) | 468円 | 子会社が車載カメラを使った先進運転支援システム用再生装置を販売 |
【6632】JVCケンウッド(低位株★) | 270円 | 運転支援システム「デジタルコックピット」 |
【6697】テックポイント・インク | 958円 | 車載カメラ用半導体 |
【6752】パナソニック | 1,216.5円 | 車載用電子ルームミラー |
【6769】ザインエレクトロニクス | 1,055円 | カメラ用信号処理LSI |
【6971】京セラ | 5,709円 | 車載用電子カメラ |
【6995】東海理化電機製作所 | 2,121円 | トヨタ向け部品メーカー |
【7201】日産自動車 | 994.3円 | 車載用カメラ「スマート・ルームミラー」 |
【7203】トヨタ自動車 | 6,426円 | 世界初の量産型ミラーレス車「レクサスES」 |
【7244】市光工業 | 693円 | カメラモニターシステム |
【7261】マツダ | 1,190円 | 電子ミラーモーターの特許取得 |
【7267】ホンダ | 2,985円 | 車載用カメラ「アドバンスドルームミラー」 |
【7270】SUBARU | 3,006円 | 車載カメラ「スマートリヤビューミラー」 |
【7292】村上開明堂 | 2,702円 | 自動車用バックミラー最大手 |
【7467】萩原電気ホールディングス | 2,851円 | 電子ミラー用画像処理技術 |
※ 株価は2018年10月29日終値で算出
★注目ポイント3 |
電子ミラー関連銘柄を抽出してみると、自動車向けの電子ミラーを手掛けている銘柄が中心に並ぶ。 |
4.電子ミラー関連銘柄の上昇率ランキングTOP3!
過去1年間の安値から高値までを算出し、最も上昇率の高かった電子ミラー関連より上位3銘柄を発表致します。
※2017年10月30日~2018年10月30日の1年で算出
4-1.第1位【6629】テクノホライゾン・ホールディングス
上昇率 | 3倍(安値:342円 → 高値:1,027円) |
市場 | ジャスダック |
RSI | 39.7(やや売られている) |
4-2.第2位【7244】市光工業
上昇率 | 1.89倍(安値:833円 → 高値:1,578円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 34.83(やや売られている) |
4-3.第3位【6697】テックポイント・インク
上昇率 | 1.67倍(安値:1,561円 → 高値:2,615円) |
市場 | 東証マザーズ |
RSI | 32.8(やや売られている) |
※RSIは2018年10月30日終値より算出
★注目ポイント4 |
関連銘柄の上昇率を過去1年で縛り算出すると、上昇率トップは【6629】テクノホライゾン・ホールディングスで3倍となった。ただ、高値から見ると現在は半値以下の低位株となっている為、今後もチェックしておくべき銘柄の1つ。 |
5.まとめ
電子ミラー関連銘柄は、まだ登場したばかりのテーマであることから、関連銘柄にはまだ大きな資金が入ってきているとは言えません。
ただ、2018年9月に、トヨタ自動車が世界初の量産型ミラーレス車を発表したことを皮切りに、今後注目のテーマ株になることも考えられます。
今回注目した車載用電子ミラーを手掛ける銘柄は、現在自動車セクターでは最も注目されるテーマである自動運転との関わりを持つ可能性も考えられるため要注目です。
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