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毎年夏頃になると、台風の発生や上陸によりニュースで度々話題になりますが、台風発生によって値上がりが期待される台風関連銘柄は毎年恒例です。
今年も台風が発生・上陸することはほぼ確実であることから、事前に台風関連銘柄をおさえておくべきと言えます。
台風対策も兼ねて台風のニュースに注目していくとともに、主な台風関連銘柄をチェックしていきましょう!
1.台風関連銘柄は定期的に盛り上がる!
毎年発生するであろう台風の傾向について見ていきましょう。
1-1.台風関連とは
毎年、夏が近付くと台風関連のニュースが増えます。
台風は毎年必ずと言っていいほど接近・上陸しているため、定期的に注目されるテーマ株として物色されます。
気象庁の統計によると、1981年から2010年の30年の平均では、台風の発生数は年間25.6個、接近数は年間11.4個、上陸数は年間2.7個となっています。
とくに7月から10月に掛けては台風が発生しやすく、8月にピークを迎えることが多くなる傾向。
つまり、台風関連銘柄は6月までに仕込み、その後2~3か月掛けて保有するというのが一般的な投資法であると言えます。
ただ、台風による被害はそこまで大きな被害になるケースは少ないため、関連銘柄に台風特需が発生したとしても、業績に対する寄与は限定的です。
台風関連銘柄に投資する際は、台風による一時的な利益を目的に投資するのではなく、国土強靭化政策や電線地中化といった長期的なテーマ株とも関連付けて投資するのも1つの方法です。
1-2.台風で恩恵を受ける主なセクター
台風関連にはどのような銘柄があるのでしょうか。
まず、台風によって大きな被害が発生した場合は復旧・復興のための公共事業が行われることが想定されます。
そのため、インフラ整備に携わる建設・土木株は台風関連銘柄の筆頭に挙げられます。
台風の被害が発生すると予測される橋梁や道路の整備に携わる銘柄も物色されるでしょう。
電線の復旧需要が増えることから電線に関わる銘柄や、洪水や浸水の発生によって排水・防水対策に関連する銘柄も注目されます。
とくに地方では、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が問題となっており、これらの銘柄は国土強靭化政策の恩恵を受けるテーマ株としても物色されると期待されます。
台風のニュースが相次いで報じられることで、国民の防災意識が高まり、台風対策に関心が向かいます。
そうすると、防災グッズを売っているホームセンターや、気象情報サービスの売り上げが増えることも考えられます。
1-3.今までの台風関連銘柄について
2020年7月は、九州地方に大きな被害をもたらした「令和2年7月豪雨」がありましたが、台風発生件数は0件となりました。北西太平洋で7月の台風発生件数が0件だったことは、1951年に統計を取り始めてから史上初だったとのことです。
しかしだからといって、2020年の台風発生件数が例年より少なくなるかというと、自然はそこまで甘くなさそうです。
特に9月1日に発生した台風10号「ハイシェン」は猛烈な勢いで発達しており、近年にない勢力で日本列島に上陸することが懸念されています。
2019年には、千葉県を中心に大きな被害をもたらした台風15号が9月に発生し、日本各地に大きな水害被害をもたらした台風19号が10月に発生したことはまだ記憶に新しいですが、2020年も台風シーズンが完全に終わるまでは注意が必要です。
ただマーケットにとっては、大型台風が来るということは、材料の一つになるという不謹慎な側面があることは確かです。
現に2019年9月の台風15号では、千葉県を中心に電柱・電線被害が出たことから、電線地中化関連銘柄に再びスポットが当たる契機となりました。
2020年の台風シーズンは、新型コロナ対策と台風対策の両立を目指しつつ、台風関連銘柄の動きをチェックしていくようにしましょう。
★注目ポイント1 |
台風関連銘柄とは台風の接近・上陸によって物色される銘柄群のことで、6月までに仕込み、その後2~3か月掛けて保有するというのが一般的な投資法。 |
2.台風関連銘柄の株価推移
2019年9月の台風15号、2019年10月の台風19号の影響で上がった台風関連銘柄を見ていきましょう。
2-1.電線地中化関連銘柄!【5290】ベルテクスコーポレーション
2019年9月の台風15号では、千葉県を中心に、電柱が倒れ電線が散乱する被害が拡大したことから、電線地中化関連銘柄がマーケットで再び注目されることになりました。
コンクリート二次製品を柱とする【5290】ベルテクスコーポレーションは、電線地中化で注目される台風関連銘柄です。
同社は、電線地中化に欠かせない電線共同溝(C・C・BOX)技術を所有しており、土砂災害などから地域と人を守る防災事業も展開しています。
同社の株価は、2019年9月初めには1,351円を付けていました。千葉県などに大きな被害をもたらした台風15号の影響で大きく買われ、10月には1,880円まで上昇。その後も上昇は止まらず、12月には2,250円まで上げました。
2020年9月の台風15号から4ヶ月で+66%の上昇となっています。
なお、同社と並んで電線地中化に強い台風関連銘柄として注目される【5287】イトーヨーギョーは、9月から10月の2ヶ月で+245%という極端な急騰となりました。
2-2.「テトラポット」で知られる!【1813】不動テトラ
地盤改良と消波ブロックに強い【1813】不動テトラは、建設セクターでおすすめの台風関連銘柄です。
同社は「テトラポット」の名で知られる消波ブロックを手掛けていることでも知られます。
同社の株価は、2019年9月初めには1,121円を付けていましたが、10月には1,592円まで上昇しました。
2019年9~10月の2ヶ月で最大+42%の上昇率となっています。
なお、上昇の内訳を見てみると、9月の台風15号ではそこまで大きく上昇しませんでしたが、日本各地に大きな水害被害を及ぼした10月の台風19号によって大きく上昇しました。
★注目ポイント2 |
台風関連銘柄に投資する際は、国土強靭化政策や電線地中化といったほかのテーマにも絡んでいる銘柄に注目したい。 |
3.台風関連銘柄チェックリスト
台風関連銘柄より厳選の注目株をチェックしていきましょう。
銘柄 | 主なサービス |
【1822】大豊建設 | 土木建設 |
【1881】NIPPO | 土木建設 |
【1883】前田道路 | 土木建設 |
【1884】日本道路 | 土木建設 |
【1888】若築建設 | 土木建設 |
【1929】日特建設 | 土木建設 |
【2325】NJS | 浸水対策 |
【4825】ウェザーニューズ | 気象情報 |
【5805】昭和電線ホールディングス | 電線 |
【5807】東京特殊電線 | 電線 |
【7516】コーナン商事 | ホームセンター |
【8184】島忠 | ホームセンター |
【8218】コメリ | ホームセンター |
【9678】カナモト | 建機レンタル |
【9699】西尾レントオール | 建機レンタル |
★注目ポイント3 |
台風関連銘柄は土木建設やホームセンター、台風対策に関連した事業や気象情報サービスまで幅広い銘柄が候補となる。 |
4.台風関連銘柄の上昇率ランキングTOP3!
長期投資にもおすすめのホームセンター関連銘柄を3銘柄見ていきましょう。
【5287】イトーヨーギョー
市場 | 東証二部 |
企業概要 | マンホールやライン導水ブロックなどのコンクリート製品を手掛ける。 |
イトーヨーギョーは、電線地中化を実現する製品「D.D.BOX」「S.D.BOX」を手掛けていることから、電線地中化に強い台風関連銘柄として注目されます。2019年9月の台風15号では最も買われた台風関連銘柄となりました。同じく電線地中化に強い台風関連銘柄である【5290】ベルテクスコーポレーションとともに抑えておきましょう。
【4825】ウェザーニューズ
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 気象情報サービス「ウェザーニュース」を提供する民間気象会社。 |
ウェザーニューズは、最も代表的な台風関連銘柄と言えます。東証一部のディフェンシブ銘柄で、配当利回りも2%弱あるため、長期投資にもおすすめの安定した銘柄となっています。投資初心者にもおすすめの銘柄で、台風関連銘柄に迷ったら、こちらの銘柄を選んでおけば問題ありません。
【1813】不動テトラ
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 地盤改良と消波ブロックに強い建設会社。「テトラポット」でも知られる。 |
「テトラポット」で知られる不動テトラは、建設株の中では特に注目される台風関連銘柄です。台風による水害被害が大きくなりそうな場合には抑えておきましょう。同様に、台風の水害被害対策に強い建設株としては【1926】ライト工業や【1914】日本基礎技術、【1929】日特建設などが挙げられます。
5.まとめ
台風関連銘柄は毎年のように物色されています。
しかし九州北部豪雨のような、ニュースで大きく取り上げられる大災害ともなれば別ですが、単に台風の発生数や上陸数が平年より多いだけでは大きな値上がり期待はできません。
とはいえ、ここ数年災害規模の台風が多発していますので、よくよく監視しておくといいかもしれません。
また台風関連銘柄への投資を成功させるには、国土強靭化や電線地中化といった国策に絡んでいるような銘柄を優先的に物色することがポイントとなるでしょう。
注意しながら台風関連銘柄に注目していきましょう!
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