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アンモニア関連銘柄が脱炭素の環境テーマ株として注目されるかもしれません。
アンモニアは燃焼しても二酸化炭素を排出せず、また水素貯蔵にも使われることからクリーンエネルギーとしての利用が期待されています。
経済産業省は2021年2月8日、「燃料アンモニア導入官民協議会」の中で、石炭火力発電や船舶での利用においてアンモニアを積極導入する意向を示しました。
アンモニア関連銘柄に注目していきましょう!
1.アンモニア関連銘柄とは?
脱炭素・環境テーマ株の一角として、アンモニア関連銘柄に大きな注目が集まるかもしれません。
1-1.アンモニアとは?
アンモニアは人間社会において重要な役割を果たしており、特に硝酸や肥料の原料として用いられています。世界でのアンモニアの年間生産量は1.8億トンとなっており、これはあらゆる化学品の中でトップの数字です。
20世紀に窒素と水素からアンモニアを精製できるようになった「ハーバー・ボッシュ法」が確立したことによって、空気と水から食料生産のための肥料を作れるようになりました。
このことが、20世紀の人口爆発に大きく寄与したことは広く知られています。
もしも「ハーバー・ボッシュ法」が確立しておらず、空気と水からアンモニアを大量生産できなければ、食料生産に限度が出てくるため、地球上で賄える人口は30億人程度だったとも言われます。
アンモニアは、20世紀の人類の発展に最も貢献した化学品と言って間違いありません。
さらにアンモニアの性質として、燃やしても温室効果ガス(二酸化炭素)を発生させないことや、水素貯蔵に使えることが挙げられています。
工業利用におけるアンモニアの活用としてメジャーなのは硝酸や肥料の原料としての活用ですが、株式市場においてはアンモニア燃料および水素貯蔵手段として注目を集めつつあります。
1-2.脱炭素の一角としてアンモニア燃料に注目が集まる!?
2020年秋には、ガソリン車の新規販売を停止するEVシフトを始め、脱炭素の動きが世界的に本格化しました。
アメリカのバイデン新政権はパリ協定への復帰やグリーンエネルギーへの大規模投資といった環境政策を目玉に掲げ、菅政権も2050年までに温室効果ガスをゼロにする目標を発表。
世界的な脱炭素の流れを受けて、株式市場ではEV関連銘柄や再生エネルギー関連銘柄、水素関連銘柄といった環境株が大きく買われる展開となっています。
そして2021年2月8日、経済産業省が開いた「燃料アンモニア導入官民協議会」の中で、アンモニアを燃料として活用するロードマップが発表されました。
ロードマップによると、2030年までに年間300万トン、2050年までに年間3,000万トンのアンモニアを導入し、石炭火力発電や船舶での利用を進めるとのことです。
アンモニアを火力発電燃料として使う上でネックとなっているのが、価格が高いことが挙げられます。
経済産業省のロードマップでは、現在20円台前半となっているアンモニア価格を、液化天然ガス(LNG)火力に近い10円台後半を目指すとのことです。
アンモニア関連銘柄は、まだ環境テーマ株の一角として注目されているとは言えませんが、これから台風の目になる可能性は十分にあります。
★注目ポイント |
・アンモニアは硝酸や肥料の原料として広く用いられている。 ・アンモニアは燃料しても温室効果ガスを発生させず、水素貯蔵に使えることから、脱炭素テーマ株の一角として注目される可能性がある。 |
2.アンモニア関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
2020年から2021年に掛けてのアンモニア関連銘柄の動向を見ていきましょう。
2-1.富山工場でアンモニア生産!【4021】日産化学
工業薬品や半導体材料に強い化学メーカーの【4021】日産化学は、アンモニア関連銘柄としても注目の銘柄です。
同社は、富山工場でアンモニア生産を手掛けており、同工場は日本有数のアンモニア総合化学工場となっています。
同社の株価は、2020年1月初めには4,475円を付けており、コロナショックでは3月19日に2,701円まで下落しました。その後は上昇しており、12月2日には6,670円まで上昇。
2020年の最大上昇率は+146%となっており、コロナ前の株価からも大きく上昇しています。
ただ確かに同社の株価は上がりましたが、アンモニア関連銘柄として買われたのではなく、コロナ禍でも好調な半導体株として買われたと見るのが妥当でしょう。
2-2.宇部アンモニアを吸収合併!【4208】宇部興産
総合化学メーカーの【4208】宇部興産は、アンモニア事業を強化しているでも注目のアンモニア関連銘柄です。
同社は2020年4月23日、100%子会社となっていた宇部アンモニア工業を吸収合併することを発表しました。
宇部アンモニア工業は、50年以上に渡って液体アンモニアの製造を行っている企業であり、日本を代表するアンモニアメーカーとして知られています。
同社の株価は、2020年1月初めには2,334円を付けており、コロナショックでは3月17日に1,434円まで下落。
その後は反発していますが、2021年2月9日に2,139円まで戻すに留まっており、コロナ前を回復できていません。
なお、アンモニアの国内生産を手掛けているのは上記2銘柄に加えて、大阪工場でアンモニアを生産する【4183】三井化学、川崎工場で東日本唯一のアンモニア生産を手掛ける【4004】昭和電工が挙げられます。
2020年には、三井化学は上がっていますが、昭和電工はコロナ前の株価を取り戻せていません。
2020年から2021年に掛けて、アンモニア関連銘柄は積極的に買われているとは言えません。ただ今後、脱炭素の環境テーマ株として注目が集まる可能性は十分にあると思われます。
★注目ポイント |
・アンモニア関連銘柄は、2020年から2021年に掛けて積極的に買われているとは言えない。 |
3.アンモニア関連銘柄リスト
銘柄 | 備考 |
【4208】宇部興産 | 子会社の宇部アンモニア工業が液体アンモニア製造を手掛ける |
【4183】三井化学 | 大阪工場でアンモニア生産 |
【4021】日産化学 | 富山工場でアンモニア生産 |
【4004】昭和電工 | 環境調和型アンモニア「ECOANN」、アンモニアを原料とした燃料電池自動車用水素燃料製造 |
【1964】中外炉工業 | 化石燃料不要でアンモニアを燃焼させる技術を開発 |
【4005】住友化学 | 水素供給でアンモニアを積極利用する方針 |
【4114】日本触媒 | アンモニアを製造する新手法の開発 |
【4188】三菱ケミカル | アンモニアの超小型製造プラントの開発 |
【6378】木村化工機 | 低濃度アンモニア水から燃料電池発電に使える高純度水素を製造 |
【6901】澤藤電機 | 低濃度アンモニア水から燃料電池発電に使える高純度水素を製造 |
4.オススメのアンモニア関連銘柄3選!
脱炭素テーマ株として注目されるかもしれないオススメのアンモニア関連銘柄を押さえておきましょう。
【4004】昭和電工
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 石油化学や黒鉛電極に強い総合化学企業。 |
昭和電工は、川崎工場で東日本唯一のアンモニア生産を手掛けているアンモニア関連銘柄です。
環境調和型アンモニア「ECOANN」やアンモニアを原料とした燃料電池自動車用水素燃料製造を手掛けていることから、脱炭素に強いアンモニア関連銘柄として注目される可能性が期待できます。
【4021】日産化学
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 工業薬品や半導体材料に強い化学メーカー。 |
日産化学は、富山工場でアンモニア生産を手掛けているアンモニア関連銘柄です。同社は、アンモニア関連銘柄としても注目ですが、半導体に強い化学メーカーということが最大のポイントです。
アンモニア関連銘柄が環境テーマ株として注目されなかったとしても、半導体株であるため買い安心感があります。
【6901】澤藤電機
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 日野自動車系のトラック電装品メーカー。 |
澤藤電機は、水素に強いアンモニア関連銘柄に位置付けられる銘柄です。同社は、【6378】木村化工機と共同で、低濃度アンモニア水から燃料電池発電に使える高純度水素の製造に成功したことを発表しています。
水素や燃料電池に関連したアンモニア関連銘柄として、【6378】木村化工機とともに押さえておきましょう。
5.まとめ
アンモニアは、燃焼しても温室効果ガスを発生させず、水素貯蔵に使えることなどから、クリーンエネルギーとしての利用が期待されています。
経済産業省は2021年2月8日に開いた「燃料アンモニア導入官民協議会」の中で、2030年までに年間300万トン、2050年までに年間3,000万トンのアンモニアを導入するロードマップを示しました。
ただ2020年から2021年2月までに、アンモニア関連銘柄はテーマ株として大きく買われているとは言えません。
脱炭素の環境テーマ株としては、再生エネルギー関連銘柄や水素ステーション関連銘柄が2020年秋から買われ続けています。
これらの環境テーマ株への資金の流れが一服して、アンモニア関連銘柄が物色される展開になる可能性は十分にあります。
政府のアンモニア積極推進に関するニュースにはアンテナを張っておき、アンモニア関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。
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