ニッケル関連銘柄はEV・脱炭素によるニッケル価格高騰で注目が集まる!

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【5480】日本冶金工業は+80%!【5541】大平洋金属は+100%!

EVや脱炭素需要を背景に、ニッケル価格が10年来の高値となっており、ニッケル関連銘柄も一段高となっています。

ニッケルの主な用途はステンレス向けですが、リチウムイオン電池の正極材や再生可能エネルギーの蓄電池としての用途が期待されていることから、今後20年間で需要が6.5倍になるという予測もあります。

ニッケル関連銘柄に注目していきましょう!

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 1.ニッケル関連銘柄とは?

 

脱炭素やEVシフトを背景に、ニッケル価格が大きく上昇しています。

1-1.ニッケルとは?

ニッケル(元素記号Ni)は、鉄族に分類される銀白色の金属です。

ニッケルは導電性・熱伝導性が高く、展性・延性が高いため加工性に優れ、耐食性と耐熱性に優れることから、多様な用途で使われています。

特にクロムなどとの合金によるステンレス鋼や耐熱鋼などに使われており、ニッケルの使用用途の約70%がステンレス鋼向けです。

ニッケルは、光沢があり耐食性が高いことから装飾用のメッキにも用いられており、導電性も高いため電気接点のメッキにも使われます。

日本で発行されている50円硬貨や100円硬貨は、銅とニッケルの合金(白銅)です。

この他ニッケルの用途としては、高張力鋼(ハイテン)、磁性材、耐熱材、形状記憶合金、触媒、電極材、水素貯蔵合金などが挙げられます。

ニッケルの世界全体での生産量は241万トン(2018年)となっており、インドネシア(27%)、フィリピン(18%)、ニューカレドニア(9%)、ロシア(9%)、カナダ(7%)が主な産出国です。

なお、ニッケルは「ニッケル水素電池」という蓄電池としても使われていますが、マーケットでも重要テーマ株の一角を占める「リチウムイオン電池」に比べると注目度は下がります。

1-2.脱炭素・EVシフトを背景にニッケル価格は上昇し続けている

ニッケル価格は新型コロナ禍で上昇し続けています。

代表的なニッケル価格として使われる、LME(ロンドン金属取引所)でのニッケル先物価格は、2020年3月には約11,846ドル/トンを付けていました。

それ以降は上昇し続けており、2022年1月には22,355ドル/トンまで上昇し、10年半ぶりの高値水準となっています。

ニッケル価格上昇の背景にあるのは、EV需要や脱炭素需要が高まっていることです。

ニッケルは、EV電池として有力なリチウムイオン電池の正極材として使われ、太陽光風力などの再生可能エネルギーで発電した電力を蓄える蓄電池としても使われます。

ニッケルの用途の大半を占めるステンレス向けは低純度のニッケルが使われますが、リチウムイオン電池の正極材としては高純度のニッケルが使われます。

国際エネルギー機関(IEA)の推計によると、2040年にはニッケルの需要は現在の6.5倍となる130万トンにまで急増するとのことです。

ニッケルの需要は、現在はステンレス向けが大半ですが、将来的にはEV・脱炭素向けが中心になるということでしょう。

また2022年1月から2月に掛けては、ニッケル生産大国であるロシアに関連するウクライナ情勢が緊迫化してきたことも、ニッケル高となった一因です。

日本はニッケルのほぼ全量を、南米や東南アジアなどからの輸入に頼っており、経済安全保障の観点でリスクとなることが懸念されています。

日本政府は、民間企業の海外でのレアメタル権益確保へ向けて支援を強化しており、採掘事業への政府の出資上限を現在の最大50%以内から100%未満に拡大する方針です。

★注目ポイント1
・ニッケルは、リチウムイオン電池の正極材や再生可能エネルギー向け蓄電池といったEV
・脱炭素需要を背景に価格が上昇している。

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 2.ニッケル関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄

 

2021年から2022年に掛けて上がっているニッケル関連銘柄の株価動向を見ていきましょう。

2-1.代表的なニッケル関連銘柄!【5541】大平洋金属

フェロニッケル最大手の【5541】大平洋金属は、代表的なニッケル関連銘柄です。

フェロニッケルとは、ステンレス製品の主原料となる鉄とニッケルの合金のことで、日常生活のさまざまな生活機器に使われています。

同社の株価は、2021年1月始めには2,250円を付けており、8月には1,531円まで下げましたが、それ以降は上昇しており、2022年2月8日には3,075円まで上がりました。

安値から最大+100%の上昇率となっており、特にニッケル価格の高騰が注目された2022年2月に一段高となりました。

2-2.ステンレス専業メーカー!【5480】日本冶金工業

ステンレス専業の特殊鋼メーカー【5480】日本冶金工業も、大平洋金属と並んで注目される代表的なニッケル関連銘柄です。

同社は、ニッケルの精錬から圧延まで生産体制を一貫しており、半導体や太陽電池などの最先端技術に要求される高機能ステンレス材に強みを持つことで知られています。

同社の株価は、2021年1月に一時1,682円を付けていましたが、この1年は上昇しており、2022年2月8日には3,040円まで上昇しました。

この1年で最大+80%の上昇率となっており、やはりニッケル価格上昇がマーケットで注目された2022年2月に一段高となっています。

ニッケル関連銘柄としては、総合商社株も2021年に大きな上昇となりましたが、これはニッケル以外の資源価格も上昇したためです。

純粋なニッケル関連銘柄としては、【5541】大平洋金属と【5480】日本冶金工業が2大銘柄となっており、いずれも2022年2月にニッケル価格高騰で注目されて大きく買われています。

★注目ポイント2
・代表的なニッケル関連銘柄である【5541】大平洋金属と【5480】日本冶金工業は、ニッケル価格上昇が注目された2022年2月に一段高となった。

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3.ニッケル関連銘柄リスト

銘柄主なサービス
【5480】日本冶金工業ステンレス特殊鋼メーカー
【5541】大平洋金属フェロニッケル最大手
【5713】住友金属鉱山鉱石から電池材料まで一貫した自社ニッケルサプライチェーン
【5721】エス・サイエンスニッケル生産の老舗
【4080】田中化学研究所ニッケル水素電池用正極材料
【2768】双日総合商社
【3036】アルコニックスレアメタルに強い商社
【8031】三井物産総合商社
【8053】住友商事総合商社
【8058】三菱商事総合商社

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 4.オススメのニッケル関連銘柄3選!

 

EVや脱炭素の一角としても注目されるオススメのニッケル関連銘柄を見ていきましょう。

【5541】大平洋金属

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市場東証一部(プライム市場)
企業概要フェロニッケル最大手のニッケル企業。

大平洋金属は、フェロニッケルで日本のみならず世界的にも強みを持つ、代表的なニッケル関連銘柄です。

日経平均構成銘柄で、配当利回りも4.28%(2022年2月8日時点)の高配当株となっており、長期投資にもおすすめの銘柄です。

【5480】日本冶金工業

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市場東証一部(プライム市場)
企業概要ステンレス特殊鋼メーカー、高級ステンレス材に強みを持つ。

日本冶金工業も、高級ステンレス材に強みを持つステンレス専業メーカーとして、代表的なニッケル関連銘柄です。

大平洋金属と並んで東証を代表するニッケル株であり、配当利回りも4.02%(2022年2月8日時点)の高配当株となっています。

【5721】エス・サイエンス

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市場東証一部(スタンダード市場 ※降格)
企業概要ニッケル生産の老舗。学習塾・不動産売買も手掛ける。

エス・サイエンスは、ボロ株のニッケル関連銘柄です。

株価は2022年2月8日時点で24円のボロ株となっています。

マーケットでニッケルがさらに注目されれば、ボロ株からの急騰もありうる銘柄ですが、ハイリスク銘柄であることには注意しておきましょう。

また、東証の市場再編では、東証一部からスタンダード市場に降格となっています。

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5.まとめ

代表的なニッケル関連銘柄である【5541】大平洋金属と【5480】日本冶金工業の2銘柄は、ニッケル価格の上昇を受けて2022年2月に一段高となっています。

ニッケル関連銘柄としては上記2銘柄に加えて、海外にニッケル権益を持つ【5713】住友金属鉱山や総合商社なども押さえておくようにしましょう。

ニッケルの用途は7割がステンレス向けとなっていますが、今後はリチウムイオン電池の正極材や再生可能エネルギーの蓄電池としての用途が期待されています。

また、日本はニッケルをほぼ輸入に頼り切っていることから、ウクライナ情勢のような海外要因で動くことにも注意が必要です。

ニッケル価格については押さえておき、ニッケル関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。

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