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第二次安倍内閣が推し進める「アベノミクス」は、2012年末以降の上昇相場の源泉となっています。
アベノミクス3本の矢では、日銀の異次元緩和や働き方改革、キャッシュレス化など、株式市場でも大きく注目されるニュースが目白押しです。
今回は、そんなアベノミクスについておさらいし、2019年の有望アベノミクス関連銘柄発見につなげていきましょう。
1.経済政策「アベノミクス」
今回は、2012年末から始まった経済政策「アベノミクス」に関連した銘柄に注目していきます。
1-1.アベノミクスとは?
安倍首相の姓である「アベ」と、経済理論を示す「エコノミクス」を合わせた造語。
アベノミクスは、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略からなる「アベノミクス三本の矢」が柱となっています。
大胆な金融政策としては、2013年4月から2%のインフレ目標を掲げて、日銀が異次元金融緩和を実施しており、株式市場にも大きな影響を及ぼしています。
機動的な財政政策としては、国土強靭化のための大規模な公共投資などを行い、その一方で2020年までにプライマリーバランスの均衡化を目標に掲げています。
民間投資を喚起する成長戦略としては、「1億総活躍社会」や「女性が輝く国日本」をスローガンに働き方改革が推進されるなど、株式市場でも多くの政策が注目を集めています。
今回注目するアベノミクス関連銘柄は、特に金融政策と成長戦略から大きな影響を受ける銘柄が中心となってきます。
金融政策においては、日銀の金融政策は為替相場に大きく影響するため、円安/円高の影響を受ける企業にとって重要な意味を持ちます。
成長戦略においては、働き方改革やキャッシュレス化など、その時々でテーマが異なってくるため、アベノミクスで掲げられている成長戦略には常にアンテナを張っておく必要があります。
1-2.アベノミクスの成果と課題は?
アベノミクスが始まって6年弱となりますが、ここでアベノミクスの影響を見ていくことにしましょう。
アベノミクスが始まる前の2012年12月初めには、日経平均は9,458円でしたが、この6年間で2.3倍以上の上昇となっています。
日本の名目GDPも、2012年の494兆円から2017年には546兆円まで増加しています。また、失業率も2012年12月の4.2%から、直近の2018年8月には2.4%まで下落しています。
これらのデータだけを見るとアベノミクスは大成功したように思えてきますが、一概にそう言い切ることもできません。
多くの企業が過去最高益を記録する一方で、労働分配率は過去最低となっており、家計の実質消費は長らく落ち込んでいます。
失業率は回復したとはいえ、その内訳の多くはパートタイム労働者が増えたことによるものであり、高付加価値の産業での雇用はほとんど増えていません。
また、日銀が掲げる物価目標2%も達成できる兆しが一向になく、日本の財政再建も停滞しており、出生率も回復していないなど多くの課題が残ります。
アベノミクスが日本経済に与えた影響を評価するには、まだ時間が必要であると言えます。
とはいえ、株式市場に与えた影響だけを見れば、アベノミクスは大成功であったと言えます。
★注目ポイント1 |
アベノミクスとは、第二次安倍政権の経済政策の総称。大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「アベノミクス三本の矢」を柱とし、2012年12月から始まった上昇相場のきっかけとなった。 |
2.過去のアベノミクス関連銘柄動向を振り返る
過去のアベノミクス関連銘柄の動向を振り返っていきましょう。
2-1.2012年~2013年
2012年12月に第二次安倍政権が発足し、2013年4月4日に日銀の異次元金融緩和が発表されたことを背景に、2012年12月から2013年5月までの間にほぼ全ての銘柄が暴騰しました。
株式市場では、この半年間は「アベノミクス相場」と呼ばれます。
この期間には、東証一部の主力銘柄から新興銘柄に至るまで、業種に関係なくほぼ全ての銘柄が大きな上昇を遂げました。
特に大きく上昇したことで知られるのが、人気スマホゲーム「パズル&ドラゴンズ」を手掛ける【3765】ガンホーです。同社の株価は、2012年12月初めには61.5円を付けていましたが、2013年5月には1,633円まで上昇しています。
※株価は株式分割後の現在の値で算出。
アベノミクス相場の半年間で26倍の暴騰となり、多くの億り人を輩出したため、ガンホーはアベノミクス相場の代名詞的な銘柄となりました。
2-2.2014年~2015年
日経平均は2013年5月23日にそれまでの暴騰の反動で大暴落しましたが、2013年9月に2020年東京オリンピックの開催が決定したことも背景に再び上昇基調に入り、2014年から2015年に掛けては堅調に上昇していきました。
この時期を含めて、アベノミクスが始まってから現在までに大きな上昇を遂げている銘柄としては精密小型センサー大手の【6861】キーエンスが挙げられます。
同社の株価は、アベノミクス相場が始まった2012年12月には11,670円を付けていましたが、2018年10月現在は56,000円前後まで上昇しています。
2-3.2016年~2017年
日経平均は2016年の初めに大きく下落し、2016年6月のブリグジットや、2016年11月のトランプショックなどもあり、2016年には多くの個人投資家が退場する厳しい展開となりました。
しかし、トランプ政権誕生後、世界的な株高を背景に日経平均は再び上昇基調に入りました。
特に2017年から大きな注目を集めたのが、アベノミクスの成長戦略の一環として位置付けられている働き方改革関連銘柄です。人材派遣大手の【2168】パソナグループは、2016年初めには855円を付けていましたが、2017年末には2,418円にまで上昇。この他にも、人材派遣関連銘柄が軒並み高騰しました。
2-4.2018年
2017年は上昇相場となっていましたが、2018年は横ばい相場となっています。
今年に入って注目されているのが、政府が積極推進しているキャッシュレス化です。日本はキャッシュレス決済比率が諸外国と比べて遅れていることから、現在政府が積極推進しています。キャッシュレス化関連銘柄として知られる【3623】ビリングシステムは、2018年4月には4,575円を付けていましたが、2018年10月には一時8,140円まで上昇しています。
★注目ポイント2 |
アベノミクス関連銘柄は、これまでの6年弱の間に注目テーマ株が常に変化し続けてきた。これからもアベノミクスの成長戦略のニュースは要チェック! |
3.2019年以降も注目すべき主要アベノミクス関連銘柄リスト
アベノミクス関連銘柄より厳選した注目株をチェックしておきましょう。
銘柄 | 株価 | 主なサービス |
【1801】大成建設 | 5,030円 | 総合建設大手、東京オリンピック関連 |
【2168】パソナグループ | 1,501円 | 人材派遣大手 |
【2181】パーソルホールディングス | 2,416円 | 人材派遣大手 |
【2427】アウトソーシング | 1,550円 | 人材派遣 |
【2428】ウェルネット | 1,102円 | 電子決済 |
【3623】ビリングシステム | 7,670円 | 電子決済 |
【3769】GMOペイメントゲートウェイ | 6,040円 | 電子決済 |
【6758】ソニー | 6,341円 | 総合電機メーカー |
【6861】キーエンス | 56,540円 | 精密センサー |
【6954】ファナック | 19,175円 | 産業用機械 |
【7203】トヨタ | 6,577円 | 自動車メーカー |
【8604】野村ホールディングス | 551.9円 | 証券大手 |
【8697】日本取引所グループ | 1,915円 | 東京証券取引所 |
【9983】ファーストリテイリング | 55,940円 | 衣料品チェーン「ユニクロ」「ジーユー」 |
【9984】ソフトバンクグループ | 9,530円 | 携帯電話キャリア |
※株価は2018年10月19日終値で算出
★注目ポイント3 |
2019年以降も注目のアベノミクス関連銘柄としては、日本を代表する企業や日経平均寄与度が大きい銘柄、働き方改革・キャッシュレス化で注目される銘柄を抽出した。 |
4.アベノミクス関連銘柄の上昇率ランキングTOP3!
最後に、過去1年間の安値から高値までを算出し、最も上昇率の高かったアベノミクス関連より上位3銘柄を発表致します。
※2017年10月19日~2018年10月19日の1年で算出
4-1.第1位【3623】ビリングシステム
上昇率 | 2.4倍(安値:3,390円 → 高値:8,140円) |
市場 | 東証マザーズ |
RSI | 59.04(やや買われている) |
4-2.第2位【3769】GMOペイメントゲートウェイ
上昇率 | 1.96倍(安値:3,955円 → 高値:7,790円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 33.22(やや売られている) |
4-3.第3位【2168】パソナグループ
上昇率 | 1.74倍(安値:1,502円 → 高値:2,622円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 30.59(売られ過ぎ) |
※RSIは2018年10月19日終値より算出
★注目ポイント4 |
直近1年間での上昇率を見ると、2-4で取り上げたように、政府が積極推進しているキャッシュレス化関連銘柄として知られる【3623】ビリングシステムが2.4倍でトップだった。 |
5.まとめ
2012年末から2013年5月に掛けて暴騰したガンホーや、2017年に大きく上昇した働き方改革関連銘柄など、アベノミクスが始まって6年弱の間に主役となるテーマ株は常に変わってきています。
「政策に売りなし」という相場格言通り、アベノミクスの成長戦略に関わるテーマ株には大きな資金が流入してきており、今後もこの流れは続くものと見られています。
その一方で、日銀がマイナス金利を実施したことにより銀行株が軒並み下落し、菅官房長官が携帯電話料金の高さを指摘したことにより携帯キャリアが下落するなどしているため注意も必要です。
引き続き、日銀の金融政策や成長戦略といったアベノミクス関連のニュースにはアンテナを張っておき、関連銘柄の動向もチェックしておきましょう。
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