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材料株投資の個別材料Part8「上場廃止」
今回は、最悪の悪材料となることもある「上場廃止」について説明していきます。
もしも上場廃止となる銘柄を保有していた場合はどうすべきでしょうか?
「上場廃止」と聞くと、かつてライブドアが粉飾決算したときのイメージから悪材料を連想することも多いと思いますが、実は悪材料となる上場廃止はそれほど多くありません。
上場廃止の理由やケースなどの基本部分や、上場廃止になった銘柄の株価動向などを知っていれば、そんな時でも慌てることはありません。
そんな上場廃止について知識をつけていきましょう。
1.上場廃止とは?
最悪の悪材料になることもある上場廃止について抑えておきましょう。
1-1.上場廃止になる理由
上場廃止となる理由としては、経営破綻や上場契約違反によるネガティブなものから、親会社設立による完全子会社化を理由に上場廃止となるケースもあります。
特に、経営破綻や上場契約違反から上場廃止となる場合は、上場廃止によって株券は紙くず同然となってしまうため、株価が大暴落する最悪の悪材料となります。
東京証券取引所における上場廃止基準としては、東証一部・二部、東証マザーズ、東証ジャスダックで微妙な違いはあるものの、東証一部・二部では以下のような条件が挙げられます。
株主数 | 400人未満(猶予期間1年) |
流通株式数 | 2,000単位未満(猶予期間1年) |
流通株式時価総額 | 5億円未満(猶予期間1年) |
流通株式比率 | 5%未満 |
時価総額 | 10億円未満(猶予期間9ヶ月) |
債務超過 | 債務超過となってから、1年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき |
売買高 | 最近1年間の月平均売買高が10単位未満または3ヶ月間売買不成立 |
虚偽記載 | 有価証券報告書等に虚偽記載を行った場合 |
上場契約違反 | 上場契約に関する重大な違反を行った場合 |
なお、上場廃止の恐れがある銘柄は監理ポストに置かれ「監理銘柄」となり、上場廃止が決定した銘柄は整理ポストに置かれ「整理銘柄」となります。
1-2.上場廃止になった銘柄の取引
上場廃止が決定した銘柄は「整理銘柄」となります。整理銘柄は1ヶ月後に上場廃止となり、上場廃止になったら株式市場での取引が一切できなくなります。
整理銘柄になってから上場廃止となるまでの間に取引することは可能ですが、流動性が急減し、ボラティリティーも大きく変動するなどの理由から取引リスクは非常に大きくなります。
では、もしも上場廃止となる銘柄を保有していた場合はどうすべきでしょうか?
親会社が設立されて子会社になる場合や株式併合が行われるなどの理由で上場廃止となる場合は、株価にネガティブな影響が出ることは少ないため、特に問題ありません。
上場廃止となる銘柄の多くはこのケースであり、TOB(株式公開買い付け)によって株式の交換が行われるため、銘柄を保有していても、特に心配する必要はありません。
しかし、経営破綻による民事再生法の申請や虚偽記載、上場契約違反によって上場廃止となる場合は注意が必要です。
この場合は、真っ先に損切りする以外にないと言えます。最終的には紙くずになってしまうため、株券に1円でも高い価格が付いている段階で一刻も早く売ることが重要です。
★注目ポイント1 |
上場廃止とは、東京証券取引所で売買対象銘柄から除外されること。親会社が設立されて子会社化するような場合は特に問題ないが、経営破綻による上場廃止となる場合は注意が必要。 |
2.上場廃止と株価への影響
上場廃止が株価に与える影響を見ていきましょう。
2-1.上場廃止で株価は暴落するケース
経営破綻(債務超過)や有価証券報告書への虚偽記載、上場契約違反を行ったために上場廃止となる場合は、上場廃止によって株券が紙くずになってしまうため最悪の悪材料となります。
このケースでの上場廃止が発表された場合は、既存の株主が一斉に売りに出すためストップ安となります。
ある程度ストップ安を連発したところでデイトレーダーによるマネーゲームが始まり、株価は反転することもありますが、上場廃止によって0円になるというゴールは変わりません。
2018年には、海底資源の採掘などを手掛ける【1606】日本海洋掘削が、経営破綻によって2018年7月23日付で上場廃止となり大暴落となりました。2019年にも、パンや洋菓子の販売などを手掛ける【2228】シベールが、経営破綻によって2019年2月18日付で上場廃止となり、こちらも大暴落となりました。
経営破綻や虚偽記載、上場契約違反による上場廃止となるケースは年間でも数件に留まっており、それほど多くはありませんが、このパターンの上場廃止は最悪の悪材料となります。
2-2.上場廃止でもTOBで株価が上昇パターン
上場廃止と聞くと、経営破綻や虚偽記載によるネガティブな上場廃止をイメージしてしまいますが、ネガティブな上場廃止は非常に少ないのが実態です。
日本取引所グループの「上場廃止銘柄」のページを参照すると分かりますが、上場廃止となる理由の多くは完全子会社化によるものです。
完全子会社化による株式併合によって上場廃止となる場合は、親会社がTOB(株式公開買い付け)を実施するケースが多くなります。
完全子会社化による上場廃止が発表されると、当該銘柄は整理銘柄に指定されるとともに、株価はTOB価格まで上昇します。
TOBが発表されて整理銘柄となった銘柄は、TOB価格まで上がったら、上場廃止日まではTOB価格付近で横ばいに推移することが多くなります。
企業向けエネルギー事業を手掛ける【6079】エナリスは、2018年8月8日にKDDIと電源開発が700円でTOBを行うことを発表しました。2018年8月7日に483円だったエナリスの株価はこの発表から2日で700円まで上昇し、上場廃止日となる2019年3月13日まで一貫して700円前後で推移しています。
もしも保有銘柄がTOBを発表した場合は、TOB価格まで株価が上がるまで売らないように注意しておきましょう。
★注目ポイント2 |
経営破綻や虚偽記載、上場契約違反を理由とした上場廃止は株価が最終的には紙くずになる最悪の悪材料となる。一方で、完全子会社化によるTOBが発表されると、株価はTOB価格まで上がる。 |
3.マネーゲーム化するケースもある
ネガティブな理由で上場廃止となる銘柄はマネーゲームの対象にされることが少なくありません。
3-1.マネーゲーム化する上場廃止銘柄
経営破綻や虚偽記載、上場契約違反を理由に上場廃止となる銘柄は、上場廃止以降に株券は紙くずになります。
この種の上場廃止銘柄は、売りが膨らみボラティリティーが大きくなりやすいため、短期的な利益を狙うデイトレーダーにとっては格好の餌食になる傾向があります。
しかし、このマネーゲームは勝者も生み出しますが、最終的には誰かが上場廃止となる株券を掴まされることになるため、敗者も多数生み出します。
このような銘柄で利益を出せるのはプロだけであり、多くの初心者はババを掴まされることになりがちです。
ボラティリティーが大きく稼げそうに思えるかもしれませんが、“ババ抜き”からの逃げ方を心得ているプロ相手に利益を出せる自信がなければ、マネーゲームには参加すべきではありません。
一方、完全子会社化によるTOBが発表された上場廃止銘柄は、TOB価格まで価格が上がってからは全く動かなくなるため、マネーゲーム化することはありません。
★注目ポイント3 |
上場廃止で紙くずとなる銘柄は売りが膨らみボラティリティーが大きくなりやすいためマネーゲームになりやすい。初心者は手を出さないのが賢明。 |
4.まとめ
上場廃止には、経営破綻などのネガティブな上場廃止と、親会社設立による完全子会社化などを理由とするポジティブな上場廃止の2つがあることが分かったと思います。
ネガティブな上場廃止では、上場廃止によって株券は紙くず同然となり、株価は暴落する特徴があります。
また、暴落後はデイトレーダーなどによるマネーゲーム化で株価は激しく動くことも多いので、注意が必要です。
逆に、完全子会社化によるポジティブな上場廃止では、TOB価格まで株価が上昇、上場廃止日まで横ばいとなる特徴を持ちます。
以上のことから「上場廃止」という材料は、その後の株価に大きく影響しますが、それぞれの特徴を知っておくことで、慌てずに対処可能です。
日々、保有銘柄の情報や材料はチェックしておきましょう。
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