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【7162】アストマックスは+79%!【9519】レノバは+383%!!
日本は地熱資源量世界3位の火山大国ですが、総電力に占める地熱発電の発電シェアは0.25%(2020年)に留まっており、再生エネルギーの中では苦戦している状況です。
政府は脱炭素に向けて地熱発電所を倍増させる方針を示しており、経済産業省主導のもとで地熱発電候補地を本格調査すると報じられています。
地熱発電の成長余地は大きいと期待されており、再生エネルギーの一角としてマーケットでも注目されつつあります。
地熱発電関連銘柄に注目していきましょう!
1.地熱発電関連銘柄とは?
脱炭素で注目される再生エネルギーの中でも、地熱発電に大きな注目が集まっています。
1-1.地熱発電とは?
地熱発電は燃料が不要で二酸化炭素を排出せず、半永久的に持続的に発電可能な再生可能エネルギーです。地熱資源量世界3位の日本にとって有力な再生可能エネルギーとして期待されています。
地熱発電を太陽光発電や風力発電などに比べると、天候や季節、昼夜を問わずに安定した発電が可能であり、地熱発電に使った高温の蒸気や熱水は農業用ハウスや魚の養殖などに再利用できることなどがメリットです。
一方探査や開発に掛かるコストが大きく、開発にあたっては地元住民からの反対がある、火山噴火などの自然災害リスクがあることなどは、地熱発電特有のデメリットです。
環境エネルギー政策研究所が発表した「2020年の自然エネルギー電力の割合」によると、地熱発電が日本の総電力に占める割合は0.25%に留まっています。
日本国内の自然エネルギーの割合は、2019年の18.5%から2020年には20.8%まで増加して過去最高となりましたが、地熱発電の割合は2014年の0.24%から横ばいが続いています。
太陽光発電(8.5%)、水力発電(7.9%)、バイオマス発電(3.2%)、風力発電(0.86%)といった他の再生可能エネルギーと比べても、地熱発電の割合は小さく、増加率も横ばいのままです。
再生可能エネルギーの中では、地熱発電は伸び悩んでいる状況にありますが、逆に言えばそれだけ成長余地があるとも言えます。
1-2.2021年は地熱発電積極推進の動きが相次ぐ!
世界的潮流となった脱炭素(カーボンニュートラル)の動きの中、2021年には、地熱発電を積極推進する動きが相次いでいます。
2021年6月1日、河野太郎規制改革相は国立公園などの自然公園で地熱発電の導入を進め、地熱発電施設を2030年までに倍増する目標を掲げたと報じられました。
さらに2021年8月25日、経済産業省は地熱発電所を増やすため、国立公園内などに適地を見つける調査を本格化すると報じられています。
経済産業省と環境省が連携し、北海道や九州など30ヶ所を現地調査。2022年度予算の概算要求に資源量の調査費など地熱発電の開発支援として183億円が盛り込まれるとのことです。
また民間でも地熱発電を推進するニュースが飛び込んできています。
大成建設は2021年8月23日、地熱技術開発と共同で、二酸化炭素を活用する熱水資源に頼らない新たな地熱発電技術の開発に着手すると発表しました。
この技術では地熱発電が促進されると同時に、脱炭素にも貢献できるとのことです。
★注目ポイント1 |
・地熱発電は、地熱で生成した蒸気を使う再生可能エネルギー。天候や季節、昼夜を問わず安定した発電ができることがメリット。 ・日本は地熱資源量世界3位だが、総電力に占める地熱発電の発電シェアは0.25%(2020年)に過ぎず、再生可能エネルギーの中では伸び悩んでいる。 ・2021年6月、日本政府は2030年に向けて地熱発電施設を倍増する目標を掲げた。 |
2.地熱発電関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
脱炭素により世界的に再生可能エネルギーが注目され始めた2020年秋以降に大きく買われている地熱発電関連銘柄を見ていきましょう。
2-1.代表的な地熱発電関連銘柄!【7162】アストマックス
太陽光発電・地熱発電の再生可能エネルギー関連事業を手掛ける【7162】アストマックスは、地熱発電関連銘柄として物色されやすい銘柄です。
同社は太陽光発電事業が中心で、地熱発電はまだ事業化を目指している段階ですが、低位株の地熱発電関連銘柄ということで物色されやすくなっています。
同社の株価は、2020年9月初めには223円の低位株となっていましたが、2020年秋の再エネ相場で大きく買われ、2020年11月には400円まで急騰。
この2ヶ月で最大上昇率+79%。
ただ以降は下落し続けており、2021年8月23日には216円まで値を落としていました。
ところが、8月25日に経済産業省が地熱発電の調査を本格化すると報じられたことから、8月26日には一時310円まで再急騰。上記ニュース発表前日には230円を付けていましたが、1日で+34%のストップ高まで一時上昇。
同ニュースでは、ボーリングマシン大手の【6297】鉱研工業も+9%まで買われており、2021年8月時点では、【7162】アストマックスと【6297】鉱研工業の2銘柄が地熱発電関連銘柄として投資家に注目されている形が浮き彫りとなりました。
今後も、この2銘柄は地熱発電関連銘柄として要チェックしておきましょう。
2-2.地熱発電も手掛ける再エネ株!【9519】レノバ
太陽光発電、バイオマス発電、洋上風力発電、地熱発電といった再生エネルギー発電施設を日本全国で開発・運営する【9519】レノバは、代表的な地熱発電関連銘柄でもあります。
同社は北海道函館市と熊本県南阿蘇村で、地熱発電プロジェクトを手掛けていることでも知られています。
同社の株価は、2020年9月初めには1,134円を付けていました。2020年秋の再エネ相場では代表的な銘柄となり、2021年1月には4,838円まで上昇。
2021年に入ってからは横ばいとなっていましたが、2021年7月には1月に付けた高値を突破し、7月13日には5,480円まで上昇して、上場来高値をさらに更新しました。
この1年で最大+383%の上昇となっており、東証では脱炭素や再生エネルギーを代表する銘柄となっています。
地熱発電はもちろん、再生エネルギー株の代表格として、今後も要チェックしておきましょう。
★注目ポイント2 |
・2021年8月25日、経済産業省が地熱発電の調査を本格化すると報じられたニュースを受けて、【7162】アストマックスと【6297】鉱研工業の2銘柄が大きく買われた。 |
3.地熱発電関連銘柄リスト
銘柄 | 主なサービス |
【7162】アストマックス | 地熱発電の事業化を目指す |
【6297】鉱研工業 | 温泉開発や地下水活用に強いボーリングマシン大手 |
【9519】レノバ | 北海道函館市・熊本県南阿蘇村で地熱発電プロジェクト |
【1801】大成建設 | 熱水を使わないCO2地熱発電技術の開発 |
【8059】第一実業 | 地熱発電向け小型バイナリー発電システム |
【6841】横河電機 | 地熱発電所向け蒸気生産輸送設備用制御システム |
【9624】長大 | 地熱発電促進支援のため温泉地の共生事例調査 |
【1663】K&Oエナジーグループ | 宮城県栗駒南麓地域で地熱発電の調査事業 |
【6504】富士電機 | 地熱発電用タービン |
【7011】三菱重工業 | 地熱発電用タービン |
4.オススメの地熱発電関連銘柄3選!
再生エネルギー株の一角として押さえておきたいオススメの地熱発電関連銘柄を見ていきましょう。
【7162】アストマックス
市場 | 東証ジャスダック |
企業概要 | 再生可能エネルギー事業や電力取引事業を手掛ける。 |
アストマックスは、地熱発電関連ニュースで物色されやすくなっている地熱発電関連銘柄です。
太陽光発電が事業の中心で、地熱発電は事業化を目指している段階ですが、低位株ということもありマーケットでは物色されやすくなっています。
ただ低位株急騰が期待できる反面、リスクも相応に高い銘柄であることは留意しておきましょう。
【6297】鉱研工業
市場 | 東証ジャスダック |
企業概要 | 地下開発ボーリングマシン大手。温泉開発や地下水活用に強み。 |
鉱研工業は、温泉開発や地下水活用に強みを持つボーリングマシン大手であることから、地熱発電関連銘柄に位置付けられています。
ジャスダックの低位株であることもあり、【7162】アストマックスと並んで地熱発電関連ニュースで物色されやすい銘柄です。
【9519】レノバ
市場 | 東証一部 |
企業概要 | 再生エネルギー施設を日本全国で開発・運営する。 |
レノバは地熱発電を始め、太陽光発電やバイオマス発電、洋上風力発電も手掛けている再生可能エネルギー企業です。
脱炭素を象徴する銘柄となっており、再生エネルギー株としては必ず押さえておかなければいけない銘柄です。
5.まとめ
日本は地熱資源量世界3位の火山大国ですが、地熱発電の発電シェアは0.25%(2020年)に留まっており、太陽光や風力、バイオマスといった他の再生可能エネルギーと比べると苦戦しているのが現状です。
2021年6月、政府は脱炭素に向けて地熱発電所を倍増させる方針を示し、8月には経済産業省主導のもとで地熱発電候補地を本格調査すると報じられました。
地熱発電関連銘柄としては、【7162】アストマックスと【6297】鉱研工業の低位株・ジャスダック2銘柄がニュースで物色されていますが、長期的な上昇になっていくかどうかはまだ分かりません。
地熱発電ニュースではまだ物色されていないものの、地熱発電に関する事業を手掛けている銘柄は多く、地熱発電が注目テーマになっていけば他にも多くの銘柄が物色されていく展開も考えられます。
政府の地熱発電推進に関するニュースにはアンテナを張っておき、地熱発電関連銘柄の株価動向は要チェックしておきましょう。
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