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材料株投資の個別材料Part3「自社株買い」
今回は、株主還元策として投資家から好材料として受け止められやすい「自社株買い」について説明していきます。
「自社株買い」というと敵対的買収への対策というイメージが強いかもしれませんが、「自社株買い」は配当金と並ぶ株主還元策の一環として行われることが多くなっています。
2018年にも、東芝が発行済み株式数の40%もの自社株買いを発表して大きな注目を集めました。
そんな材料「自社株買い」について、基本や魅力などを早速見ていきましょう!
1.自社株買い
株主還元策でもある自社株買いについて抑えておきましょう。
1-1.自社株買いとは?
企業が自社株買いを行う目的としては、株主還元政策、ストックオプション(従業員持ち株制度)、敵対的買収対策の3つが挙げられます。
- 株主還元政策
自社株買いを行うことによってPERやROEといった企業価値を示す指標の向上に繋がるため、配当金とは別の株主還元政策となります。自社株買いによる株価上昇効果については、後から詳しく説明していきます。
- ストックオプション(従業員持ち株制度)
社員のモチベーション向上を目的として自社株を従業員で保有するストックオプション(従業員持ち株制度)を導入している企業では、ストックオプションに使う株式を市場から取得するために自社株買いを行うことがあります。
- 敵対的買収対策
自社株買いにより保有株式比率を高め、株価が上昇することによって、他社に買収されにくくなる効果が期待できます。
企業がどのような理由で自社株買いを行うにせよ、自社株買いは株価上昇に繋がる好材料として受け止められことが多くなります。
1-2.自社株買いのメリット
自社株買いが株主還元策となり、株価上昇に繋がりやすい理由を詳しく見ていきましょう。
株主還元としては、企業の利益を株主に現金で還元する「配当金」が広く知られています。
自社株買いは、利益剰余金を配当金として株主に還元するのではなく、自社の株式を市場から買い戻すことに使い、株価の値上がりによって株主に還元するものと考えられます。
自社の株価が割安なときは「自社株買い」で値上がり(キャピタルゲイン)による株主還元を行い、株価が一定以上のときは「配当金増配」で配当金(インカムゲイン)による株主還元を行うのが一般的です。
企業が自社株買いを行うことによって発行済み株式数が減少するため、1株当たりの資産や1株当たりの順利益(EPS)が向上します。
これによってファンダメンタル分析に用いられる3大指標(PER、PBR、ROE)の値が改善することになるため、長期的に見て株価は上昇しやすくなると考えられます。
PERは
で求められ、この値が低ければ割安株となります。自社株買いを行うことによってEPSが増加すると、PERは下がって割安になり買われやすくなります。
ROEは
によって求められ、この値が高ければ高いほど投資効率が良い銘柄となります。自社株買いを行うことによってEPSが増加すると、ROEは上昇するため買われやすくなります。
★注目ポイント1 |
自社株買いとは、上場企業が既に発行している自社の株式を市場から買い戻すこと。PERやROEなどの指標の改善に繋がることから、好材料として受け止められることが多い。 |
2.自社株買いが株価に与える影響
自社株買いが株価に与える影響について抑えておきましょう。
2-1.自社株買いは買い材料
ここまで見てきたように、自社株買いはマーケットから好材料として受け止められ、株価上昇に繋がることが多くなります。
自社株買いを行う企業は株主還元を重視する企業であると言えるため、長期的にも人気が高まる傾向があると言えます。
株主を重視する企業であるということは、自社株買いによって株価が大きく上昇したら、今度は自社株買いではなく配当金が増額されることも期待できます。
また、自社株買いを行うということは、その企業は今後自社株が値上がりすることに賭けているということであり、将来的な成長が期待できる銘柄であるということにもなります。
自社株買いを行う企業は人気化しやすく、自社株買い投資家からは好材料として受け止められるという点を抑えておきましょう。
2-2.自社株買いで人気化した【6502】東芝
2018年に自社株買いが好材料となり大きく上昇した銘柄としては【6502】東芝が挙げられます。
東芝は、2018年11月8日に、総額7000億円を上限とする発行済み株式数の約40%に相当する2億6000万株もの自社株買いを2018年11月9日から2019年11月8日までの間に行うことを発表しました。この発表を受けて東芝株は大きく上昇しました。ニュース発表前日の11月7日には3,350円を付けていた株価は、この発表を受けて翌日には3,775円まで上昇。1日で+10%以上の上昇にとなり、出来高は6倍以上になりました。
この勢いを受けて、株価は11月15日には一時3,980円にまで上昇。その後は、米中貿易摩擦による日経平均暴落の余波を受けて大きく下げ、2019年2月現在は3,200円前後まで値を下げています。
東芝の自社株買いは1年間に渡って行われるということもあり中期的には株価は下げていますが、自社株買い発表直後はマーケットから好材料として受け止められました。
★注目ポイント2 |
自社株買いは、マーケットからは好材料として受け止められることが多い。2018年には、発行済み株式数の約40%に相当する自社株買いを発表した東芝に資金が殺到した。 |
3.自社株買いにも注意すべきポイントがある
マーケットから好材料として受け止められやすい自社株買いですが、注意点も抑えておきましょう。
3-1.自社株買いで抑えておくべき点とは?
企業が発表する自社株のニュースで注目すべき点として、「株式取得総数」、「株式取得総額」、「取得期間」、「取得方法」の4つについては抑えておくべきです。
「株式取得総数」
企業が自社株買いで取得する株式の総株数のことです。特に、“発行済み株式総数の何%を取得するのか”を注視しておくことが重要です。
「株式取得総額」
企業が自社株買いに費やす費用のことです。
「取得期間」
企業が自社株買いを行う期間のことです。取得期間が短期間になればなるほど、その短期間の間に自社株買いによる買い圧力が強まることになります。
「取得方法」
自社株買いを行う方法のことです。株式公開買付け(TOB)による取得、ToSTNeTなどの金融商品取引所の制度を使った市場内時間外取引による取得、証券会社や信託銀行を利用した立会い時間内の市場買付けによる取得などがあります。
自社株のニュースが流れてきたとしても、株式取得総数が発行済み株式総数の割合からしたら小さい、取得期間が長いといった場合は、好材料にならないことがあります。
★注目ポイント3 |
自社株買い発表のニュースでは、株式取得総数は発行済み株式総数の何%か?、取得期間はどうなっているか?を確認しておくことが重要。 |
4.まとめ
自社株買いは、配当金と並ぶ株主還元策としてマーケットから好感される好材料となっています。
自社株買いに関するニュースが発表されたら、まず「発行済み株式総数の何%の自社株買いを行うのか?」という自社株買いの規模に注目しておきましょう。
また、自社株買いを行う「取得期間」にも注目しておくことが重要です。取得期間が長くなると、どうしても短期的な注目度は下がってしまいがちです。
このような「自社株買い」という個別材料を知った上で、上手くメリットを活かして頂けたらと思います。
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