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材料株投資の個別材料Part9「増資」
今回は、ネガティブ要因になることが多い「増資」について見ていきます。
増資は株式の希薄化に繋がるため悪材料となることが一般的ですが、成長企業では増資がポジティブに捉えられて中長期的な上昇に繋がることも少なくありません。
鎌倉新書や朝日インテックなどの成長企業は、増資を一つのきっかけに大きな上昇を遂げています。
また、「公募増資」「第三者割当増資」「株主割当増資」とはどのような違いがあるのでしょうか。
そんな増資について、基本から株価への影響まで知識をつけていきましょう!
1.増資とは?
一般的にはネガティブ視されることが多い増資について押さえておきましょう。
1-1.資金調達を目的に増資は行われる
企業が増資をする目的は、新たに発行した株式を投資家に買い取ってもらうことで資金調達をすることにあります。
増資は融資と並ぶ企業の資金調達手段ですが、融資と違い、増資で得た資本金は返す必要がない点が企業にとっては大きなメリットとなります。
多くの場合、新規事業の立ち上げや海外進出などに必要な資金調達を目的に増資は行われますが、敵対的買収に対抗するための防衛手段として増資が行われる場合もあります。
企業の価値は、株価×発行済株式数の「時価総額」によって評価されます。
企業価値が変わらなければ時価総額は変わらないため、増資をしても企業価値が変わらないと判断されれば、増資によって株価は希薄化されて下落することが多くなります。
このため、増資はネガティブ材料となることが一般的です。
増資は株価下落要因となることから既存株主にとっては嫌気されることが多く、これを防ぐために新株予約権を発行して増資を行うケースも見られます。
また、増資と似た概念として「売り出し」があります。売り出しでは既存株主が保有している株式を市場に売り出すことで株式の流通量は増えますが、新規に株式が発行されることはない点で増資とは異なります。
1-2.増資の種類について
具体的な増資の方法としては、「公募増資」「第三者割当増資」「株主割当増資」の3つがあります。この3つの増資の違いは、「誰に対して新規株式を割り当てるのか?」によります。
いずれの増資の場合も、新株が発行されることにより株式価値が希薄化されることになるため、増資は悪材料として捉えられることが多くなります。
★注目ポイント1 |
増資とは、企業が新たに株式を発行して資本金を増やすこと。1株当たりの価値が希薄化されることから、悪材料として捉えられることが多い。 |
2.増資と株価への影響
増資が株価に与える影響について抑えておきましょう。
2-1.株式の希薄化によって株価は下がる
増資を行うと、株式が希薄化されることになるため、一般的には株価は下がる傾向にあります。
増資を行って株価が大きく下がった銘柄を見ていきましょう。
韓国の半導体製品の仕入れ販売を手掛ける【3131】シンデン・ハイテックスは、2017年11月20日に新株の発行・売り出しを決定しました。このニュースを発表する直前の11月20日終値には4,885円の上場来高値を付けていたものの、増資と売り出しが発表されたことで翌日はストップ安に。
その後も売られ続けており、増資発表前には4,885円だった株価は、2018年12月には一時1,000円を割り込み、2019年2月現在は1,300円前後で推移してします。
また、2018年には、【6753】シャープが一度発表した増資を取り消すということがありました。シャープは2018年6月22日に公募増資の実施を発表したものの、株価が大きく下げたことから、発表から1週間後に公募増資の中止を発表するに至りました。
公募増資の発表から1週間で2,625円から2,340円まで下げたシャープの株価は、中止が発表されたことでストップ高となり1日で元に戻りました。
2-2.増資で上がるケース
増資はマーケットではネガティブ要因と受け止められることが一般的ですが、増資を行って資金調達が上手くいくことで事業の成長に寄与すると判断された場合には上昇することになります。
増資を行ってから株価が大きく上がった銘柄を見ていきましょう。
「いい葬儀」や「いいお墓」を始めとする葬儀や仏壇、お墓などの終活ポータルサイトを運営する【6184】鎌倉新書は、2017年6月30日に公募増資の実施を発表しました。公募増資発表直後には株価はやや軟化しましたが、ライフエンディング事業が好調だったことから、2017年11月以降には大きく上昇しています。
公募増資発表前の2017年6月には396.5円だった鎌倉新書の株価は、2019年2月現在は一時1,950円まで上昇しており、上場来高値を更新し続けています。
※株価は株式分割後の値で算出。
また、カテーテルなどの医療用器具を製造する【7747】朝日インテックは、2018年9月3日に第三者割当増資と売り出しを発表しました。このニュースは業績の拡大に寄与すると好感され、ニュース発表前は4,190円を付けていた株価は上昇しており、2018年12月には5,710円の高値を付けています。
増資は株式の希薄化に繋がるため、短期で見ればネガティブ要因となる場合がほとんどです。
しかし、成長企業が行う増資は、成長への期待感が増資による希薄化を上回って買われる要因となることもあります。
★注目ポイント2 |
増資が行われると株式の希薄化が嫌気されて売られることが一般的。しかし、成長企業が行う増資は、業績拡大への期待感からポジティブ要因となることがある。 |
3.新株予約権、売り出しとは違う?
増資と新株予約権や売り出しの違いについて抑えておきましょう。
3-1.新株予約権と売り出し
企業が増資を発表するときは、同時に「売り出し」を行うことが多くなっています。
増資と売り出しは、いずれも市場に流通する株式を増やす点では共通しています。
しかし、増資では新規株式を発行することにより発行済株式数が増加するため株式が希薄化されますが、売り出しでは既存株主が持つ株式が市場に出されるだけなので発行済株式数は変わらず希薄化は起こりません。
増資は、株式の希薄化による株価下落リスクとなるため、既存の株主にとってはあまり好ましいことではありません。
そこで、既存の株主に迷惑を掛けないために、企業は新株予約権という手段を使う場合があります。
新株予約権は、あくまで権利であるため、その権利を持っている人が新株を購入しない限り、発行済株式数は増えず、株式の希薄化が起こることはありません。
ある程度の株価まで上がらなければ新株予約権を行使できない価格に設定しておけば、株価が上がってからの増資となるため既存の株主も納得ができ、企業にとっても新株発行による資金調達ができることになります。
★注目ポイント3 |
売り出しでは、増資と同じく流通株式数は増えるが、発行済株式数は変わらないため希薄化は起こらない。既存の株主に迷惑を掛けないため、新株予約権による増資が行われることもある。 |
4.まとめ
増資は株式の希薄化に繋がることから、一般的にはネガティブ要因となり株価は下がる傾向にあります。
しかし、鎌倉新書や朝日インテックなどの成長企業は、増資を実施してからも株価は大きな上昇を遂げています。
それは「増資を発表したから上がった」のではなく、「増資をして資金調達をする必要がある成長事業を手掛けていた」という理由がポイントでした。
つまり、このようなケースは稀であるという事。
以上のことから、企業にとっては大きなメリットとなる増資は、投資家にとっては悪材料として捉えられることが多いと覚えておきましょう。
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