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材料株投資の個別材料Part4「市場変更」
今回は、東証二部や新興市場から東証一部へと昇格する「市場変更」について説明していきます。
TOPIXに組み入れされることにより株価・出来高ともに大きく上昇することが期待されることから、東証一部への昇格は好材料として受け止められることが多くなります。
2017年には、「いきなりステーキ」を運営するペッパーフードサービスが東証一部へスピード昇格したことでテンバガーを達成しています。
そんな材料「市場変更」について基本を抑えておきましょう!
1.市場変更
マーケットから好材料として受け止められやすい市場変更について抑えておきましょう。
1-1.市場変更とは?
市場変更には、業績や企業規模の拡大により新興市場から東証一部へ昇格するパターンと、業績不振により東証一部から降格する(指定替え)パターンの2つがあります。
東証一部に昇格するメリットについて詳しくは後述しますが、東証一部に上場することによって資金調達しやすくなる点が企業にとっては最大のメリットとなります。
東証一部への昇格は好材料として受け止められ、東証一部からの降格は悪材料として受け止められることが一般的です。
ただ、東証一部から降格する銘柄は、業績不振を背景に既に大きく株価を下げていることが多いため、降格の発表を受けて株価が更に下がることはそれほど多くはないと言えます。
東証一部に昇格するパターンとしては、「東証二部から東証一部に指定される」「東証マザーズから東証一部へ市場変更」「東証ジャスダックから東証一部へ市場変更」の3パターンがあります。
東証二部・新興市場から東証一部へ昇格する際には、事前に上場企業からの申請が必要となり、東京証券取引所から上場審査を受ける必要があります。
1-2.東証一部への昇格銘柄
東証一部への昇格はマーケットからは好材料として受け止められ、東証一部への昇格が発表されると大きく買われることが多くなります。
東証一部に昇格することによる最大のメリットは、東証一部に昇格することによりTOPIXに組み入れられることが挙げられます。
東証株価指数TOPIXは東証一部に上場している全ての銘柄から算出されます。TOPIXに関連する投資信託も多いため、東証一部に上場するだけで投資家から買われる機会が増大し、株価・出来高ともに上がりやすくなります。
東証一部銘柄というだけで出来高が増大するため、企業としては市場から資金調達をしやすくなります。
また、「東証一部上場企業」というだけで社会的な知名度や信用度も上がり、人材調達もしやすくなる点も大きなメリットに挙げられます。
とはいえ、東証二部や新興市場から東証一部に昇格するには、東証一部への市場変更基準を満たす必要があります。
東証一部への市場変更基準は、東証二部、東証ジャスダック、東証マザーズで詳しくは異なりますが、主に以下の条件を満たしていることが必要となります。
- 株主数:2,200人以上
- 流通株式数:2万単位以上
- 流通株式比率:上場株券等の35%以上
- 時価総額:40億円以上(ジャスダックは250億円以上)
- 純利益額:最近2年間の利益額が5億円以上
- 虚偽記載:最近5年間の有価証券報告書等に「虚偽記載」なし(ジャスダックは最近2年間)
ただ、東京証券取引所は、東証一部上場銘柄が多くなり過ぎていることを受けて、東証一部への上場基準を厳格化することを検討していると報じられています。
特に、東証二部と東証マザーズの時価総額基準40億円を厳格化する方向で進めているとのことです。東証一部の上場基準に関するニュースの続報にはアンテナを張っておきましょう。
★注目ポイント1 |
市場変更とは、上場企業が上場している市場を変更すること。特に、東証一部への昇格はTOPIX組み入れによる買いが入ることがメリットとなり好材料として買われやすい。 |
2.市場変更が株価に与える影響
市場変更が株価に与える影響について抑えておきましょう。
2-1.新興市場からの昇格は特に材料視されやすい
昇格パターンの中でも、新興市場であるマザーズ・ジャスダックから東証一部への昇格は、特に材料視されて買われやすい傾向があります。
大きく上昇している新興銘柄が、そのままの勢いで東証一部に上場し、更に買われて一段高となることもあります。
また、この場合は、高騰した株価(単元株価)を安くして流動性を上げるために、市場変更と同じく好材料とされる「株式分割」が行われることも多くなります。
株式分割を行うことによって、流通株式数が増加して東証一部上場の条件を満たしやすくなるというメリットもあります。
新興銘柄が株価高騰→株価が高くなったことにより株式分割→更に上昇して東証一部上場条件を満たして市場変更…という流れにはまると、短期間で爆発的な上昇を成し遂げることもあります。
新興市場から東証一部へ昇格する銘柄については、常にチェックしておきましょう。
2-2.市場変更で人気化した銘柄【3053】ペッパーフードサービス
市場変更によって人気化した銘柄としては、ステーキチェーン店「いきなりステーキ」を展開する【3053】ペッパーフードサービスが挙げられます。
ペッパーフードサービスは、「いきなりステーキ」の快進撃を背景に2017年初めから大きな上昇となっていました。同社の株価は、2017年の初めには597.5円を付けていましたが、4月終わりには984.5円まで上昇。そして、4月24日には、5月1日付けで東証マザーズから東証二部への市場変更を発表。
この市場変更を受けて株価は更に上昇し、7月末には2,042.5円まで上昇しました。
さらに、7月28日には1→2の株式分割を行うことを発表し、8月8日には8月15日付けで東証一部に上場することが東京証券取引所から発表されました。
立て続けに好材料が発表されたことにより株価は暴騰し、10月には8,230円まで上昇。年間では最大13倍以上となるテンバガーを達成しました。
ただ、テンバガーを達成した反動に加えて、「いきなりステーキ」の業績に不透明感が出てきたことから2018年以降には大きく売られており、2019年2月現在は2,500円前後まで大きく値を下げています。
※株価はいずれも株式分割後の値で算出。
★注目ポイント2 |
新興市場から東証一部への昇格は好材料として受け止められやすい。2017年には東証一部にスピード昇格したペッパーフードサービスがテンバガーを達成した。 |
3.立会外分売がポイントに
市場変更とも大きな関わりがある立会外分売について、概要を軽く抑えておきましょう。
3-1.昇格を目指した立会外分売は注目
近年、「立会外分売」が大きな注目を集めています。
立会外分売とは、取引時間外に、大株主が投資家に株を割引価格で売り出すことです。割引価格は、前日終値の3%前後となるのが一般的となっています。
大株主が割引価格分のコストを負担してまで立会外分売を行う理由としては、株式市場に放出される浮動株が増えることにより、流動性が高まって株価の上昇が期待できる点にあります。
市場変更の要件を満たすために立会外分売を行うケースも増えており、立会外分売を発表すると同時に東証一部への昇格を目指すことが表明されることも多くなってきています。
立会外分売は株式分割などとともに好材料として受け止められることが多くなっていますが、特に東証一部への昇格を目指した立会外分売を行う銘柄には注目と言えます。
★注目ポイント3 |
立会外分売とは、取引時間外に大株主が投資家に株を割引価格で売り出すこと。立会外分売発表時に、東証一部への昇格を目指すことを表明する銘柄には要注目。 |
4.まとめ
東証二部・新興市場から東証一部への昇格は、TOPIXに組み入れされることが好感されて株が買われる好材料となります。
特に、新興市場から東証一部へ昇格を果たす銘柄は、同時期に同じく好材料となる株式分割を行うことも多く、一段高となる傾向があります。
これらのように、「市場変更」はマーケットから好感される材料となりますので、常にアンテナを張っておきたい情報です。
また、近年は東証一部への昇格を目指す「立会外分売」にも大きな注目が集まりますので、合わせてチェックしておきましょう。
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